2016年度決算審査等意見書

更新日:2021年03月01日

2016年度決算審査意見書

燕市一般会計及び特別会計歳入歳出決算並びに基金運用状況審査意見書

第1.審査の対象

  1. 2016年度燕市一般会計歳入歳出決算
  2. 2016年度燕市国民健康保険特別会計歳入歳出決算
  3. 2016年度燕市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
  4. 2016年度燕市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
  5. 2016年度燕市公共下水道事業特別会計歳入歳出決算
  6. 2016年度燕市土地取得特別会計歳入歳出決算
  7. 各基金の運用状況

第2.審査の期間

2017年7月1日から2017年8月4日
(7月27日及び28日にヒアリングを実施)

第3.審査の方法

 2016年度燕市一般会計・特別会計歳入歳出決算書及び決算附属書類、実質収支に関する調書、財産に関する調書、並びに定額運用基金運用状況報告書については、法令に基づいて調整されているか、計数は正確かなど関係諸帳簿を照査するとともに、予算執行・基金運用の適否や妥当性について審査検討し、必要に応じ関係職員から説明を聴取して審査を行った。

第4.審査の結果

審査に付された一般会計・特別会計歳入歳出決算書及び決算附属書類等は、いずれも法令に基づいて調整され、その計数は正確であり、各会計の歳入歳出予算の執行についても適正であると認めた。
また、基金の運用状況についてはそれぞれその目的に従って処理されており、その収支は適正なものと認めた。

むすび

(1)一般会計

2016年度決算における一般会計と特別会計の合計額を前年度と比べると、歳入は23億7,208万円減の601億9,999万円、歳出は19億267万円減の586億8,125万円となっている。
このうち一般会計についてみると、歳入は386億3,820万円で、前年度と比べると12億3,897万円(3.1%)の減少となっている。この主な理由は、基金からの繰入金や県支出金、国庫支出金、財産収入などが増加したものの、市債、地方交付税、諸収入、地方消費税交付金などが減少したことによる。
また、歳出は379億9,610万円で、前年度と比べると4億9,296万円(1.3%)減少している。この主な理由は、民生費、土木費、衛生費などは増加したものの、教育費、商工費、消防費、諸支出金などが減少したことによる。
歳入決算の財源内訳をみると、自主財源比率は前年度を1.4ポイント上回る44.0%となったが、依然として依存財源比率を下回っている。
性質別経費の状況をみると、投資的経費比率は、普通建設事業費が減少したことにより、前年度を0.4ポイント下回る14.0%となった。また、義務的経費比率は、人件費が減少したものの公債費及び扶助費が増加し、前年度を1.1ポイント上回る39.8%となっている。
収支状況をみると、形式収支は6億4,209万円で、翌年度へ繰越すべき財源3,838万円を除いた実質収支は、6億371万円となっている。当年度実質収支から前年度実質収支を差し引いた単年度収支は-7億4,226万円であり、単年度収支に実質黒字的要素の積立金及び繰上償還金を加え、赤字的要素の積立金取崩し額を除いた実質単年度収支は-14億2,857万円となっている。
収入未済額については、前年度と比べると54万円増の6億8,412万円となっている。その主なものは、市税の6億1,964万円である。不納欠損額は、前年度と比べ217万円減の2,971万円となっており、その主なものは、市税の2,947万円である。

(2)特別会計

特別会計(5会計)においては、前年度と比べると歳入は11億3,310万円減の215億6,179万円、歳出は14億970万円減の206億8,514万円となっている。
収支状況をみると、実質収支は土地取得特別会計が収支同額であるがその他の4会計はいずれも収入額が支出額を上回っており、特別会計全体では8億7,005万円となっている。また、単年度収支は2億7,330万円、実質単年度収支は6億3,936万円である。なお、土地取得特別会計以外の4会計には一般会計からの繰入金が含まれており、特別会計全体で35億1,963万円が繰り入れされている。
収入未済額は、前年度と比べて1,028万円減の5億2,631万円となっており、その主なものは、国民健康保険特別会計の4億6,649万円である。不納欠損額については、878万円減の2,434万円となっており、その主なものは、国民健康保険特別会計の1,749万円である。

(3)財政分析

財政指標から普通会計における財政状況をみると、財政力を示す財政力指数(3ヵ年平均)は前年度と比べると0.011ポイント低下し、0.665となっている。単年度の同指数は、前年度と比べると0.001ポイント上昇の0.659であり、依然として厳しい状況となっている。
財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、前年度と比べると3.1ポイント上昇し90.9%となっている。これは、経常一般財源6億8,816万円の減(地方消費税交付金、地方交付税、利子割交付金、配当割交付金等の減)が、経常経費充当一般財源940万円の増を上回ったためである。望ましい値とされている70~80%を超えており、積極的な改善に取り組まれたい。
また、財政運営の硬直性を示す公債費負担比率は、前年度と比べると1.1ポイント上昇し15.3%となっている。引き続き、比率の上昇に注意し、将来的に財政を圧迫することのないよう市債発行に留意されたい。

(4)まとめ

本市のまちづくり基本方針である「日本一輝いているまち」を目指し、「定住人口」・「活動人口」・「交流・応援(燕)人口」の3つの人口増戦略を柱とした「第2次燕市総合計画」(計画期間:2016年度~2022年度)を推進するため、意欲的に取組んでいる。
財政環境については、義務的経費が前年度に比較して増加しており、今後も少子高齢化の進展に伴う人口構造の変化などにより、福祉・医療関係経費や老朽化対策をはじめとした公共施設・公共インフラの維持管理費が増加していくことから、職員一人ひとりが常にコスト意識を持ち、費用対効果を検証するとともに、発想の転換と創意工夫による見直しを行い、より効果的かつ効率的な執行を心掛けることを望むものである。
チェック機能の強化については、再三にわたり要望してきたところであるが、当年度においても事務処理について一部不適切な事案が発覚し、市民の信頼を損ねたことは誠に遺憾である。これまでも、チェックシートの作成や業務マニュアルの整備などによる業務の総点検、事務改善会の開催などにより全庁的な取組を進めてきたところであるが、各職場において、いま一度リスク管理の視点から基本に立ち返り、法令等の遵守はもちろん、業務において予測されるリスクやリスク回避のための方策について確認を徹底する必要がある。
なお、契約にあたっては、競争入札が原則であり、随意契約は厳格な判断のもと行われるものである。市としての単価や積算基準がない場合は、複数の業者から見積書を徴取するとともに、同種・同等の事例を調査するなどし、内容に応じた適正な予定価格を算定する必要がある。
また、歳入の確保においては、収入率の向上と収入未済額の縮減が重要な課題である。収入未済額の縮減を目標として債権回収に取組まれ、市民負担の公平性や行政の信頼性を確保することはもとより、各債権間で連携を進め、より一層効率的、効果的な取組を行うことにより、債権回収の全庁的な底上げに努めるとともに、遊休財産の売払い等による収入の確保にも努められたい。
さて、地方公会計の統一的な基準による財務書類の作成に向けた準備に取組んでいるが、資産・債務管理や費用管理を適正に行うためにも、財務状態を適切に分析し、財務マネジメントの強化を図り、将来にわたって健全な財務運営が維持されるよう尽力されたい。
地方交付税等一般財源の減少により、財政調整基金への積立額が減少し、基金残高が大きく減少している。今後の地方交付税の減少や財政調整基金、減債基金の残高を見据えた中で、歳入・歳出両面にわたる抜本的な改革を進め、持続可能な財政基盤確立に取組む必要があると思われる。
これからの社会経済情勢の変化を的確に把握する中で、事務事業の見直し、効率的な歳出の削減及び地域資源の活用を図り、市民の満足度を高める施策を展開されることを期待するものである。

燕市水道事業会計決算審査意見書

第1.審査の対象

2016年度燕市水道事業会計決算

第2.審査の期間

2017年6月8日から2017年7月10日

(6月26日ヒアリングを実施)

第3.審査の方法

審査に付された決算報告書、財務諸表及び決算附属書類の記載事項が法令に準拠して作成されているか、その計数の正確性、経営内容の妥当性を審査するとともに、予算執行の適否及び決算経理について関係職員から事情を聴取する等の方法により実施した。

第4.審査の結果

審査に付された決算諸表は、地方公営企業法及び関係法令の規定に基づいて作成され、その計数は正確で会計諸帳簿と符合し、事業の経営成績及び財政状態を適正に表示しているものと認められた。

むすび

2016年度は、水道料金の改定により給水収益が増加したことに加え、福島原子力発電所事故に係る損害賠償金等の営業外収益や維持管理費等の経費節減に努めたことにより、365,615千円の純利益が生じ、前年度に引き続き経営状況はおおむね良好であった。
しかしながら、施設や管路などの老朽化は確実に進んでおり、更新に係る費用は今後ますます増加が見込まれ、水道事業を取り巻く経営環境は厳しい状況にあると思われる。「燕市水道事業基本計画」に基づき計画的に事業を推進していくことはもとより、事業費の平準化やライフサイクルコストの低減化に向け、より長期的な視点に立って一層の効率的運営に努められたい。
また、収入未済額に係る債権については、引き続き適切かつ効率的に管理するよう努める必要があり、未収金回収に係る運用指針等のマニュアル化など、速やかに回収できる体制づくりを推進されたい。
水道は、市民生活や経済活動を支える重要なライフラインである。今後も、安全で良質な水道水を安定的に供給していくため、事業環境の変化や経営課題に的確に対応しながら効率的かつ合理的な事業運営に努め、安定経営に取組むよう望むものである。

燕市の健全化判断比率及び資金不足比率審査意見書

2016年度決算に基づく健全化判断比率審査意見書

第1.審査の概要

 この財政健全化審査は、市長から提出された健全化判断比率及びその算出の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかどうかを主眼として実施した。

第2.審査の期間

2017年8月1日から2017年8月10日

第3.審査の方法

 この審査に付された、4つの健全化判断比率及びその算出の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかどうかについて、その計数の正確性、内容の妥当性を確認するとともに、関係職員から事情を聴取する等の方法により審査を実施した。

第4.審査の結果
(1) 総合意見

 審査に付された次表の健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類は、いずれも適正に作成されているものと認められる。

健全化判断比率の表組

(注意)実質赤字額又は連結実質赤字額がない場合は、「―」で表示される。

(2) 個別意見
  1. 実質赤字比率について
    実質赤字比率は、実質赤字額が生じておらず、良好な状態にある。
  2. 連結実質赤字比率について
    連結実質赤字比率は、連結実質赤字額が生じておらず、良好な状態にある。
  3. 実質公債費比率について
    実質公債費比率は12.0%で、2015年度と比べ0.1ポイント低下し、早期健全化基準の25.0%と比較すると、これを下回っており、良好な状態にある。
  4. 将来負担比率について
    将来負担比率は137.8%で、2015年度と比べ3.1ポイント上昇したが、早期健全化基準の350.0%と比較すると、これを下回っており、良好な状態にある。
(3) 是正改善を要する事項

 特に指摘すべき事項はない。

2016年度決算に基づく資金不足比率審査意見書

第1.審査の対象
  1. 燕市水道事業
  2. 燕市公共下水道事業
第2.審査の概要

 この経営健全化審査は、市長から提出された資金不足比率及びその算出の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかどうかを主眼として実施した。

第3.審査の期間

2017年8月1日から2017年8月10日

第4.審査の方法

 この審査に付された、資金不足比率及びその算出の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているかどうかについて、その計数の正確性、経営内容の妥当性を確認するとともに、関係職員から事情を聴取する等の方法により審査を実施した。

第5.審査の結果
(1) 総合意見

審査に付された次表の資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類は、いずれも適正に作成されているものと認められる。

資金不足比率の表組

(注意)資金不足額がない場合は、「―」で表示される。

(2) 個別意見

資金不足比率については、各公営企業会計とも資金不足額は生じておらず、良好な状態にある。

(3) 是正改善を要する事項

特に指摘すべき事項はない。

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