2015年度定期監査結果報告書(市民課・生活環境課)
定期監査結果報告書(市民課・生活環境課) (PDFファイル: 307.2KB)
第1 監査の概要
1 監査対象
市民生活部 市民課、生活環境課
2 対象期間
2015年度(2015年4月1日~2015年11月30日)
3 監査の実施期間
2015年12月7日(月曜日)~2016年2月9日(火曜日)まで(1月14日ヒアリングを実施)
4 監査の目的及び方法
この監査は、財務に関する事務の執行が法令等に基づいて適正かつ効率的に行われているかを主眼として、監査対象課より事前に監査資料の提出を求め、諸帳簿、証憑書類等を審査し、関係職員から説明を聴取して監査を実施した。なお、行政監査の視点に立った監査も併せて行った。
5 監査の着眼点
- 財務に関する事務の執行(予算執行・収支・契約・出納保管・財産管理等)について
- 市民サービスの向上と事務事業の取組みについて
- 各課の事務内容と職務分担及び職員の勤務状況について
第2 監査対象の概要
(職員数は2015年11月末現在)
1 市民課
【全体 職員数17名(うち管理職4名)、再任用職員数1名、臨時職員数3名】
窓口係
【職員数11名(うち管理職2名)、臨時職員数1名】
諸届出の受付、申請書の受付回付、各種謄抄本・税証明書の交付、自動車臨時運行許可、印鑑登録事務、公用・私用・第三者請求による各種謄抄本交付、郵便請求、住民基本台帳、郵便局の証明書交付、課所管の手数料等の収納・経理、フロアー等案内、申請書記載支援、一般旅券申請・受付・発給、住民基本台帳カード、公的個人認証、人口移動、住所異動(転入・転出・転居)、マイナンバー、戸籍の届出(出生・死亡・婚姻・離婚等)、外国人住民、埋火葬許可、斎場使用、相続税法、人口動態の報告、お祝いサービス等に関すること、
市民生活係
【職員数1名、消費生活推進相談員数(再任用)1名】
消費者生活相談、弁護士無料法律相談、司法書士相談、行政相談員、DV等支援措置、郵便局の特定事務、住居表示に関すること
燕サービスコーナー
【職員数2名、臨時職員数1名】
分水サービスコーナー
【職員数2名(うち管理職1名)、臨時職員数1名】
戸籍・住民票・印鑑証明・所得証明・納税証明等の発行、ゴミチケット・「おでかけきららん号」チケット販売、税金・保険料・水道料金等の収納・預かり、文書の預かりに関すること
2 生活環境課
【全体 職員数22名(うち管理職3名)、臨時職員数1名】
交通政策係
【職員数6名(うち管理職1名)】
交通運輸等総合交通体系の推進、燕・弥彦地域公共交通会議、交通災害共済、チャイルドシート購入費補助金、上越新幹線活性化同盟会、上越・北陸新幹線直行特急実現期成同盟会、交通遺児、駐車場、駐輪場、デマンド交通「おでかけきららん号」の運行管理、交通安全計画の策定・推進、交通安全対策会議、交通安全対策協議会、循環バスの運行管理等に関すること
環境政策係
【職員数8名(うち管理職1名)、臨時職員数1名】
せん定枝リサイクル施設、温泉保養センターてまりの湯、燕・弥彦総合事務組合(斎場・ごみ処理場)、廃棄物処理、カンカンBOOK事業、し尿汲取り、環境美化、清掃・廃棄物の処理、環境衛生、クリーンデー燕、環境政策推進、公害防止(騒音、振動、悪臭、水質汚濁等)、第2次環境基本計画、廃棄物処理業・清掃業の許可、霊園管理、改葬許可、電力デマンド監視事業、畜犬登録、小型家電の再資源化、廃食用てんぷら油・廃乾電池・紙パック収集運搬等に関すること
衛生センター
【職員数7名】
施設の運営管理、水質管理、公害防止、環境保全等に関すること
第3 監査の結果
1 市民課
(1) 調書・聞き取りによる確認事項
- ア 燕市におけるマイナンバーに係る通知カードの送付は28,968通数で、そのうち受取人不在等により市役所に返送されたものが約600通数(1月14日現在)ある。不在の場合には郵便局から不在通知が送付されるが、「あて所なし」として返送された方には個別に案内をしている。市役所での保管期間は3月末までとなっている。また、国への申請に基づく個人番号カードの交付業務については、3月末まで2階に専用の事務室を設け専属の職員で対応する予定である。
- イ 消費生活相談業務については、今年度から担当部署が市民課に移り、複雑多様化する消費生活相談に対応するため、専門相談員を配置した窓口を開設している。市民へは、広報つばめ、市ホームページ、タウンページなどに消費生活相談窓口を掲載することによって周知を行っている。また、年2回ではあるが、弁護士による無料の消費生活法律相談会を行っている。
- ウ 燕・分水の各サービスコーナーの現金収受については、申請書や納付書と現金を突合させながら、業務後に精算処理を行っている。また、燕庁舎の施設管理については、燕サービスコーナーが窓口となって受付け、水道局と連携して庁舎管理にあたっている。
- エ 窓口業務における本人確認については、2007年の住民基本台帳法改正、2008年の戸籍法改正に基づき、顔写真付きの身分証明書(運転免許証など)は1点、顔写真の無い保険証、年金手帳など官公庁の発行したものは2点での確認を行っている。
- オ 各種証明書に使用する偽造防止用紙の管理については、証明書の差替や誤印刷などの廃棄枚数を毎日記録し、月末には偽造防止用紙の在庫確認を行っている。これにより、交付使用枚数、廃棄枚数及び在庫の管理だけでなく、コスト意識や窓口対応の向上にも効果がでている。各サービスコーナーにおいても同様の方法で管理を行っている。郵便局については、使用枚数と突合した在庫確認を行っている。
(2) 意見
1月から運用開始となったマイナンバー制度について、個人番号カード交付申請が始まっている。希望者の申請により個人番号カードが交付されるため、当初の申込数の見込みが困難と思われるが、開始当初は混雑が予想される。本人確認や代理受取など様々な問題を想定した適正な対応が必要である。案内方法等を工夫し、出来るだけ待ち時間を少なくするための職員配置について考慮する必要がある。
なお、窓口で受け取る場合の本人確認は、法律の改正により導入されている。しかしながら具体的にどのような届出について、本人確認方法、必要性及び必要書類なのか、市民に分かりやすく説明する必要がある。自分の情報を他人に知られたくないという意識や個人情報保護に対する不安に対応するため、窓口における本人確認の根拠を示す事務取扱要綱を定める必要があると思われる。
証明書用紙は偽造防止措置が施されているが、管理方法は安全性を確保した運用が必要であり、在庫確認など統一的な管理方法について改善が必要と思われる。
今後とも、市民サービスのさらなる向上のため、適正な業務遂行に努められるよう期待するものである。
2 生活環境課
(1) 調書・聞き取りによる確認事項
- ア 公共交通運行事業については、循環バス「スワロー号」、広域循環バス「やひこ号」及びデマンド交通「おでかけきららん号」を運行している。「スワロー号」は2007年10月から運行を開始し、2013年5月の新庁舎移転による路線変更を契機に利用者数を伸ばし、2015年8月には累計20万人を突破し、11月末現在で208,759人となっている。2015年度は前年度に比べ1,818人増加(11月末現在)している。「やひこ号」は2015年4月から運行を開始し、11月末現在で9,737人、2014年度に廃止した弥彦村巡回バス年間利用者数5,973人の約1.6倍に増加している。「おでかけきららん号」は2013年4月から27年11月までの累計99,545人で、12月3日には10万人を突破している。2015年7月からは弥彦村までエリアを拡大している。住民ニーズの把握については、市長への手紙、かんたん申請、生活環境課への要望、燕・弥彦地域公共交通会議などにより行っている。
- イ 現在、2016年度からの「第2次燕市環境基本計画」を策定中である。燕市の環境保全に関する施策を中心に記載し、より分かりやすく市民に身近な計画へと内容を変更するため、環境意識調査(アンケート)では市民、事業者に加え、今回新たに未来を担う子ども(中学生)たちを対象に実施している。また、計画の推進体制については、現行のPDCAサイクル(進行管理)を見直し、より実行性と迅速性を確保するため、市長への手紙、かんたん申請等により民意を集約し、燕市環境審議会による計画の進捗状況の確認や見直しを図り、計画の確実な推進と継続的な改善に努めるとしている。
- ウ 「つばめ高齢者事故ゼロ作戦」のひとつとして、2014年7月から高齢者運転免許自主返納支援事業を実施しており、返納者数は2014年度224人、2015年度148人(11月末現在)で、実施前の2013年度34人と比較して、大幅に増加している。支援事業を含めた年間を通して実施している交通安全運動により、高齢者加害事故件数は、2013年68件、2014年51件と17件も減少し、高齢者に関する事故件数も38件減少している。
- エ ペットボトルリサイクル事業については、回収物にキャップ付きや異物混入が多いと、業者に引き取り拒否となる恐れがあることから、2008年度から分別基準適合業務を実施している。2012年度からは障がい者の就労につながる支援として業務を委託している。小型家電についても、福祉施設と連携し、これまで埋立処分されていた小型家電を資源として回収し、ごみの減量化を図っている。カンカンBOOK事業とは、事業所から燕市に寄付していただいたアルミ缶及びスチール缶を資源回収業者に売却し、市内の児童館や児童研修館に絵本を贈る、子育て支援と連携した事業である。
- オ 可燃ごみの種類別割合では、紙・布類が64.3%と最も多く、その中には、再資源化が可能な雑紙が多く含まれていることから、広報つばめ12月1日号でも周知している。今後作成予定の「ごみ・リサイクルガイドブック」を通じて分かりやすく市民に周知する予定である。
- カ 燕霊園等管理手数料の滞納整理については、未納者への催告状の発送や電話連絡等を行い、連絡の取れない場合には、登録住所地への訪問を行い、現地徴収を行っている。
(2) 意見
循環バス「スワロー号」、広域循環バス「やひこ号」及びデマンド交通「おでかけきららん号」は、路線変更、エリア拡大などによって利用者数が順調に伸びている。今後も住民ニーズの把握に努めながら、利用者確保のため十分周知をしていただきたい。なお、降雪時の予約方法については、様々な利用方法が想定されるので、利用しやすいような方法を検討する必要があると思われる。
また、高齢者の事故防止の観点からも大切な事業であり、運転に不安のある高齢者の方が免許証を返納しやすいような支援事業となる。高齢者の加害者事故防止を図る効果もあると思われるので、持続可能な公共交通運行事業となるような取組をお願いしたい。
現在、策定中の「第2次燕市環境基本計画」は、具体的な実現に向けて、市民・事業者・行政の参画と協働による連携が必要であり、計画を推進するために、効果的な運用が図られる取組を検討いただきたい。
カンカンBOOK事業は、資源の再利用を促進するとともに、売却益を児童館や児童研修館の絵本などの購入費に活用している。より効果的な回収に向けて取組をお願いしたい。
分別回収は、ごみの減量化・資源化を考える契機となることから、市は様々な角度から新しい情報を収集し、市民へ提供するとともに、市民が自ら気付いて、関心を持てるような、わかりやすくメリットを明示した形の工夫を凝らした啓発活動が必要である。
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更新日:2021年03月01日