2016年度定期監査結果報告書(経営企画課・施設課)
定期監査結果報告書(経営企画課・施設課) (PDFファイル: 190.9KB)
第1 監査の概要
1 監査対象
水道局 経営企画課、水道局 施設課
2 対象期間
2016年度(2016年4月1日~2016年12月31日)
3 監査の実施期間
2017年1月25日(水曜日)~2017年3月27日(月曜日) (注意)2月27日(月曜日)ヒアリングを実施
4 監査の目的及び方法
この監査は、財務に関する事務の執行が法令等に基づいて適正かつ効率的に行われているかを主眼として、監査対象課より事前に監査資料の提出を求め、諸帳簿、証憑書類等を審査し、関係職員から説明を聴取して監査を実施した。なお、行政監査の視点に立った監査も併せて行った。
5 監査の着眼点
- 財務に関する事務の執行(予算執行・収支・契約・出納保管・財産管理等)について
- 市民サービスの向上と事務事業の取組みについて
- 各課の事務内容と職務分担及び職員の勤務状況について
第2 監査対象の概要
(職員数は2016年12月末現在)
1 経営企画課
【全体 職員数8名(うち管理職3名(水道局長含む))】
総務係
【職員数3名】
資産の管理・取得・処分、車両等の総合的管理、業務状況の公表・事業報告、財政計画・資金計画、企業債・一時借入金、水道料金等の調定・収納・滞納整理・減免・欠損処分、給水に関する諸届等の受付・処理等に関すること
計画係
【職員数2名】
事業認可、水利権、水道施設の長期計画・計画調整・整備の基本計画等に関すること
2 施設課
【全体 職員数15名(うち管理職2名)】
浄水場係
【職員数2名】
水道施設(水道管を除く)の計画・整備、取水・浄水・配水ポンプ場等の運転・維持管理、水質検査・水質管理等に関すること
工務係
【職員数5名】
水道施設調査・計画、水道施設の拡張並びに改良工事の設計・施工・監督、送配水管工事の設計・施工・監督、水道配管網図等の整備・保管、工事の検査・工事用機器材の検収、道路その他占用申請等に関すること
給水維持係
【職員数5名】
給水装置工事申込書の受付・審査並びに工事の指導監督・竣工検査、給水装置台帳の整備・保管、資材の購入・出納保管、指定給水装置工事事業者の指定、送配水管の修理、受託工事、漏水防止の計画・施工並びに調査、検満メーターの取替計画・管理、水道メーターの取付け・取替え等に関すること
第3 監査の結果
1 経営企画課
(1) 調書・聞き取りによる確認事項
- ア 水道料金統一に伴う段階的な調整措置として、2016年10月から適用している新旧料金の差額の75%調整が2017年4月から50%調整となり、水道料金の段階的な調整となる。水道料金の変更について、広報紙やホームページに掲載するほか、4月の検針時にお知らせを配布するなどして、市民への周知をあらためて図る予定である。
- イ 統合浄水場の建設を基本とした浄水場施設再構築事業を進めるにあたり、施設の適正な規模や浄水処理方式、概算事業費等の基本的事項をとりまとめた「燕市水道事業基本計画」を今年度中に策定する予定である。現在、浄水場施設再構築における総事業費を176億円程度と見込んでおり、2017年から2024年にかけて約130億円(2017年2月時点の計画案による数値)の企業債の発行を想定(利率0.5~0.7%で試算)している。
- ウ 水道料金の未納者・滞納者に対し、今年度12月末までに電話による催告100件や給水停止処分216件などを行うことにより債権(水道料金未収金)の回収に努めてきたとしているが、特に古い1993年度から1999年度分の債権については、この一年間で回収されたものはなかった。なお、2015年度および2016年度各12月末日現在における収納率等は次のとおりである。(表:水道料金・年度別収納状況)
- エ 2016年度に策定した「水道局公用車更新計画」により、公用車の適正化を進めていくとしている。2016年度1台廃車、2017年度1台廃車および1台入替、2018年度1台廃車により、2016年度当初17台の公用車を2018年度には14台にまで減らす予定である。
年度 | 過・現年度別 | 調定額(円) | 収入済額(円) | 収入未済額(円) | 収納率(%) |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 (12月末) |
過年度分 | 129,507,346 | 122,344,075 | 7,163,271 | 94.47 |
現年度分 | 1,142,652,088 | 1,011,918,349 | 130,733,739 | 88.56 | |
合計 | 1,272,159,434 | 1,134,262,424 | 137,897,010 | 89.16 | |
2016年度(12月末) | 過年度分 | 130,370,438 | 124,752,763 | 5,617,675 | 95.69 |
現年度分 | 1,153,221,694 | 1,016,437,422 | 136,784,272 | 88.14 | |
合計 | 1,283,592,132 | 1,141,190,185 | 142,401,947 | 88.91 |
(2)意見
合併以降、燕・吉田・分水の各地区で異なっていた水道料金体系が今年度改定・統一され、新旧料金の差額を段階的に調整した上で、2019年4月から完全に新しい料金体系に移行されることとなった。事業収益の根幹をなす水道料金収入については、人口減少や節水意識の高まりなどで給水量の減少は依然として続いているが、今般の料金改定により増収が見込まれる。2017年4月から調整措置に伴う段階的な値上がりとなるが、周知については、市民が納得のいくようあらためて丁寧な説明をお願いしたい。
今後、浄水場更新事業は燕市水道事業基本計画に基づき取り組むこととなるが、多額となる企業債の借入先の選定に当たっては、償還年限等を考慮した上で、市場金利や景気動向などを慎重かつ十分に分析し、より有利な条件での借り入れが可能となるよう検討をされたい。
私債権である水道料金債権の中には、長期にわたり回収できていないものがある。未収金回収に係る運用指針等のマニュアル化など、速やかに回収できる体制づくりについて検討されたい。
統一料金への改定は行われたが新浄水場の建設とともに、今後、老朽化に伴う施設更新需要の増加が見込まれる。さらに徹底した経費削減が必要とされる中で、所有する公用車の台数について、現状の稼働率や必要性を検証した上で、必要車両を明確にし、適正な配置により効率的な運用が行われるよう検討されたい。
2 施設課
(1) 調書・聞き取りによる確認事項
- ア 2016年11月22日に燕地区で発生した断水の対応について、断水原因の調査と現場対応を優先したため市民への周知が遅れてしまったことから、非常時の連絡体制および職員の参集基準の見直しや非常時対応マニュアルの見直しを行っている。また、断水の原因となった道金浄水場の電気回路の不良箇所の修繕を行うとともに、再発防止策として複雑となっている電気回路の簡素化工事を今年度3月に実施するとしている。
- イ 市内3つの浄水場施設の運転管理業務委託料は、2013年度から2015年度の3ヶ年契約が総額319,716,000円、2016年度から2018年度の3ヶ年契約が総額332,112,960円と約3.9%増加している。電工の単価(人件費)が2,800円値上がりしたことが主な増加要因であるとしている。
- ウ 過去3年の漏水の発生状況は次のとおりとなっている(注意:2016年度は2016年12月末日現在の発生件数)。(表:漏水の発生状況)
- エ 夜間および休日の水道局への電話は、道金浄水場へ自動転送され道金浄水場で電話等の対応を行っている。緊急工事等に備え、水道局職員3名の当番体制のほか、燕市管工事業協同組合の21社の中で当番体制をとっている。
- オ 合併当初、吉田地区の石綿セメント管の残存率が高かったことから吉田地区で集中的に布設替工事を行ってきたこともあり、吉田地区の石綿セメント管の残存延長が短くなっている。今後は、燕地区を中心に布設替工事を行っていく必要があるとしている。
なお、今年度実施の石綿セメント管布設替の入替延長及び残存延長は次のとおりである(2016年12月末日現在)。(表:石綿セメント管布設替の入替延長及び残存延長一覧)
年度 発生箇所 |
2014年度 (2014年4月~2015年3月) |
2015年度 (2015年4月~2016年3月) |
2016年度 (2016年4月~2016年12月) |
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---|---|---|---|---|
公道漏水 | 配水管(本管) | 16 | 11 | 3 |
給水管(引込管) | 58 | 66 | 38 | |
計 | 74 | 77 | 41 | |
邸内漏水 | 量水器回り | 85 | 67 | 38 |
給水管 | 42 | 26 | 26 | |
計 | 127 | 93 | 64 | |
合計 | 201 | 170 | 105 |
地区 | 入替延長 | 残存延長 |
---|---|---|
燕地区 | 2,303 | 30,595 |
吉田地区 | 1,956 | 7,626 |
分水地区 | 1,817 | 12,585 |
合計 | 6,076 | 50,806 |
(2)意見
3つの浄水場施設の運転管理業務を民間委託しているが、業務の効率化が図られているか、維持・管理が適切になされているかなど、受託者に任せきりではなく委託者として適宜検証されたい。
また、災害発生時など非常時における体制や危機管理マニュアル等は不断に見直しを行い、さまざまな状況を想定し、適切な対応がとれるよう訓練を行う必要がある。
一方、施設面を見ると、燕・吉田・分水各地区の石綿セメント管の残存延長に開きが生じている。老朽化に伴う漏水事故の未然防止と安心安全な水道水を供給するため、石綿セメント管の更新は、スピード感を持って計画的に進められたい。
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更新日:2021年03月01日