2016年度定期監査結果報告書(企画財政課・地域振興課)

更新日:2021年03月01日

第1 監査の概要

1 監査対象

企画財政部企画財政課、企画財政部地域振興課

2 対象期間

2016年度(2016年4月1日~2016年8月31日)

3 監査の実施期間

2016年9月12日(月曜日)~2016年10月25日(火曜日)まで(10月12日ヒアリングを実施)

4 監査の目的及び方法

この監査は、財務に関する事務の執行が法令等に基づいて適正かつ効率的に行われているかを主眼として、監査対象課より事前に監査資料の提出を求め、諸帳簿、証憑書類等を審査し、関係職員から説明を聴取して監査を実施した。なお、行政監査の視点に立った監査も併せて行った。

5 監査の着眼点

  1. 財務に関する事務の執行(予算執行・収支・契約・出納保管・財産管理等)について
  2. 市民サービスの向上と事務事業の取組みについて
  3. 各課の事務内容と職務分担及び職員の勤務状況について

第2 監査対象の概要

(職員数は2016年8月末現在)

1 企画財政課

【全体 職員数14名(うち管理職6名[企画財政部長含む])】

企画チーム

【職員数7名(うち管理職2名)】

特命事項の調査研究、国・県等への要望及び要望事項の調整、経営会議及び連絡調整会議、合併管理、行政改革の推進、行政評価、行政事務の改善、地方分権の推進、総合企画及び調整、各課等の政策の調整及び推進、市のプロジェクトチームの設置及び調整、総合計画の策定及び進行管理、広域行政等に関すること

財政チーム

【職員数5名(うち管理職2名】

財政計画・財政統計及び調査、予算の編成、地方譲与税、地方交付税及び交付金、起債及び一時借入金、財政状況の公表、基金等に関すること

2 地域振興課

【全体 職員数18名(うち管理職3名[企画財政部主幹含む])、嘱託職員2名、臨時職員2名】

地域振興係

【職員数6名】

市民参画と協働のまちづくりの推進に係る総合調整、市民活動の支援、男女共同参画社会づくりの推進、男女共同参画の企画・調整及び調査研究、男女共同参画関係団体等との連絡調整等に関すること

交流推進係

【職員数5名、臨時職員1名】

イメージアップ燕推進事業、定住促進等の総合窓口、地域間交流事業、国際交流事業の企画及び推進、外国の姉妹・友好都市等との交流等に関すること

広報広聴係

【職員数4名、嘱託職員2名、臨時職員1名】

広報・広聴活動の企画及び実施、広報紙の発行及びホームページの管理運用、パブリックコメントの総合調整等に関すること

第3 監査の結果

1 企画財政課

(1) 調書・聞き取りによる確認事項

  • 市の行政の組織および運営の全般にわたる総点検を行い、市の実情に応じた行政改革の推進を図るため、市長を本部長、副市長を副本部長とし、委員として教育長、部長、教育次長、水道局長および議会事務局長で構成された行政改革推進本部を設置し、庁内一丸となって行政改革に取り組んでいる。
    また、2016年3月に策定した行政改革推進プランは、従来の量的・数的削減を目指した改革がある程度進んだことから、行政サービスの質的向上に着目した内容となっている。
  • 地元まちづくり協議会からの要望と地域住民が施設を管理することで、より一層のコミュニティの醸成が期待できるという点で、2017年度から小中川公民館への指定管理者制度の導入を予定している。
    なお、その他の施設については、現在のところ指定管理者制度の新規導入の予定はないとしている。
  •  2015年度に実施した県央大橋西詰周辺地域整備事業可能性調査委託業務では、効率的・効果的に県央大橋西詰周辺地域整備事業を推進するため、県央大橋西詰周辺地域整備基本計画に基づいた事業化の検討と民間ノウハウを活用する整備・運用手法の導入可能性調査を行い、事業手法としてDBO(デザイン・ビルド・オペレート)方式が適していると取りまとめるとともに、募集要項(案)や事業者選定基準(案)の作成など、公募に向けて必要となる準備を進めている。
  • エ 近年、国が地方創生に関して新補助制度を短期申請期限で打ち出すなど緊急性を有する事項が多くおこったり、「人口ビジョン」や「地方版総合戦略」に関して突発的に計画策定や調査事業などが必要となることが発生してきている。政策調査研究費は、これらのように緊急性、専門性のある課題や社会の変化に対応するために必要な予算として計上しているとしている。
  •  財政調整基金残高(年度末)については、2013年度末から概ね40億円規模で推移している。現時点では、2022年度に公債費のピークを見込んでおり、普通交付税の一本算定移行に伴う交付税の減額も確実であることから、ピークの前後の年度においては財源不足を生じる懸念があるため、現行の基金残高40億円規模の維持を一つの目安とし、当該年度の繰入相当額を当該年度中に基金に積み戻すことを基本とした財政運営を図っているとしている。
    なお、確たる積立基準を設けていないことから、2017年度の新地方公会計制度導入による資産把握の精度向上などを通じ、積立基準の内容や基準策定の適否について検討していきたいとしている。
  •  各種補助金の交付基準について、個別の交付要綱が必要と考えられる補助金で要綱が定められているものは45件(41.3%)となっており、個別の交付要綱がないものについては、燕市補助金交付規則に基づき事務手続きが執行されている。補助金の適正化は、2016年度を初年度とする「燕市行政改革推進プラン」での実施項目にもなっており、適正な事務執行のために交付基準の作成に向けて現在準備を進めているが、補助金の中にはさまざまな性質や内容があることから、政策的、事業費、団体運営費、国・県および建設事業費など補助目的の類型別に基準を設定する必要があるとしている。
    なお、交付基準の中でも個別の交付要綱等の整備による「透明性の確保」を重点に考えており、今後各課ヒアリングの実施や予算編成を通じて要綱等の整備について働きかけていきたいとしている。
  • キ 各種団体等への補助金については、2016年度当初予算編成時において、社会福祉法人やNPO団体等の繰越金や資産の保有状況について調査したが、貸借対照表などの財務書類による資産状況の確認までには至っておらず、団体等の資産や事業費に応じた補助金の割合基準は設けていない。団体等の行う事業の公共性、公益性及び必要性などについて総合的に勘案し、補助金が補助対象事業に確実に活用が図られているかなど確認しながら予算査定を行っているとしている。

(2) 意見

 これまでの行政改革の特徴は「量的削減」に重点を置いてきたが、現在、一律削減するだけの行政改革から「質的向上」に着目した独自の「計画・方針」の策定により改革を推進している。多様化する住民ニーズやさまざまな課題に的確に対応していくため、事務量は増大していると思われるが、現状にふさわしい職場と働き方をあらためて構築する必要があると思われる。
 補助金の交付については、統一的な交付基準を策定の上、適正な補助金額に改善措置を行うとともに、適正なチェック体制の確立など事務の取扱手続きの改善に向けて検討されたい。
 なお、施策の効果とコストのバランスを意識することが重要であり、今後、これまで以上に市民に対する説明責任が重要視されると考えられる。県央大橋西詰周辺地域整備事業を進めていくにあたっては、真に市民にとっても有益となる事業となるよう、多面的な分析や合理性の確認を組織として慎重かつ十分に行われたい。

2 地域振興課

(1) 調書・聞き取りによる確認事項

  •  まちづくり協議会支援事業については、各懇談会の場で自主財源の確保を促しており、その結果、交流イベントなどでの飲食物の販売や地域の企業や来場者から活動協賛金を募るなどといった方法で13協議会中4協議会が、イベントにおける参加費の徴収や構成自治会からの協力金を受けるなどの方法で13協議会中12協議会が自主財源の確保に取り組んでいる。
    一方で、活動への参加者を増やすことや地域の融和を優先させるには、全ての活動に対して参加費を徴収することなどが困難でもあり、補助金による事業費の補填が必要な状況であるとしている。
  • イ 女性のキャリアアップや働く意欲の向上のため、2015年度から開始した女性が輝くつばめプロジェクト推進事業については、ハッピー・パートナー企業(新潟県男女共同参画推進企業)への登録を推進し、2016年9月末現在の登録数は36社、県内第4位で事業開始時より7社増え、事業所の意識の高揚が図られているとしている。
    今年度は、女性の活躍を推進するためには男性や事業者の意識啓発が必要であるというアンケート結果などから、新たに男性や事業所の経営者等を対象としたワーク・ライフ・バランス講演会を実施している。
    また、働く女性が意見交換などをすることで働く意欲の向上を図ることを目的として開催する「女子会トーク」などの意見を集約し、女性が活躍しやすい環境づくりを検討し市へ提言する「燕市女性の活躍創造プロジェクトチーム(通称:活働☆つばめこまち応援隊)」を立ち上げている。さらには、あらゆる分野で輝いている女性およびその女性を応援する企業・団体の表彰を通して、身近なモデルを示すことにより女性の意識啓発と活躍の機会が広がることを目指し「つばめ輝く女性表彰制度」を創設している。
  •  2013年度に発足したつばめ若者会議では、チーム別の活動が行われており、NTTタウンページと共同制作した「ツバメギフトマップ」の発行や“学び”をテーマとした「つばめの学校プロジェクト」など、2016年9月末現在で延べ26事業を実施している。
    一方で、メンバー数が減少してきたことから、今年度20歳前後を対象とした「 燕(えん)ジョイ活動部」を立ち上げ、更なる活動の活性化を図っている。
    なお、発足時から2か年にわたり会議の運営支援を外部委託していたが、2015年度からはメンバーによる自主運営を行っている。
  •  つばめ移住・定住促進事業については、首都圏などでのイベントや相談会による情報(魅力)発信を重点的に実施し、これまでに100件あまりの相談を受けたが本格的な移住相談には至っていない。今年度は他自治体などとの合同相談会だけではなく、燕市単独相談会を実施したいとしている。
  •  東京つばめいと事業については、大学進学などで首都圏などへ転出した若者たちへ故郷燕市の状況をSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用しリアルタイムに伝えるとともに、首都圏イベントのサポートや交流会を通じて燕市との繋がりを保ちつつUターンを促している。今年度は、大学夏季休業中および就職活動解禁直前の2月に、大学生を中心に地元就職へ繋げるための就職活動への支援を実施したいとしている。
    また、現在インターンシップや大卒採用を実施していない企業などへの協力拡大を図るためには、事業の認知度や参加メリットなどの周知活動が必要と考え、積極的な企業訪問を行っている。

(2)意見

 まちづくりを行政主導で行うと、市民が受け身になることや財政面での限界といったことが懸念される。市民の主体的な参加により、共に地域住民の福祉の増進を図るという取り組みは、多様な価値観に基づき、さまざまな分野で活動をしている各種団体と連携していくことで地域に協働のまちづくりが定着するものと考えられる。補助金の交付にあたっては、当該事業や団体を取り巻く社会情勢、当初決定時との状況の変化など十分に把握しながら真に必要な支援であるかを考慮する一方で、交付先にとって利用しやすい補助金となるような事業の工夫をされたい。
 男女共同参画については、仕事と家庭生活等が両立できる職場環境の整備や女性労働者の育成・登用などが促進され、性別を問わず、職場で働いている人たちにとって働きやすい環境がさらに広まっていくよう、引き続き意識啓発に努められたい。
 人口減少対策として「つばめ移住・定住促進事業」や「東京つばめいと事業」により、都会からの人の流れの創出に取り組んでいるが、燕市の魅力をしっかりと伝え成果が数字となってあらわれるよう、より明確な戦略を持った施策を検討されたい。

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