2018年度定期監査結果報告書(総務課・防災課・選挙管理委員会事務局)

更新日:2021年03月01日

第1 監査の概要

1 監査対象

総務部 総務課、総務部 防災課、選挙管理委員会事務局

2 対象期間

2018年度(2018年4月1日~2018年12月31日)

3 監査の実施期間

2019年1月8日(火曜日)~2019年2月25日(月曜日) (注意)2月7日(木曜日)ヒアリングを実施

4 監査の目的及び方法

 この監査は、財務に関する事務の執行が法令等に基づいて適正かつ効率的に行われているかを主眼として、監査対象課より事前に監査資料の提出を求め、諸帳簿、証憑書類等を審査し、関係職員から説明を聴取して監査を実施した。なお、行政監査の視点に立った監査も併せて行った。

5 監査の着眼点

  1. 財務に関する事務の執行(予算執行・収支・契約・出納保管・財産管理等)について
  2. 市民サービスの向上と事務事業の取組みについて
  3. 各課の事務内容と職務分担及び職員の勤務状況について

第2 監査対象の概要

(職員数は2018年12月末現在)

1 総務課

【全体 職員24名(うち管理職5名(総務部長含む))、臨時職員7名】

総務係

【職員5名、臨時職員6名】

議会との連絡及び議案の提出、行政委員会委員の選任、各種委員等の任免・委嘱及び記録管理、顧問弁護士、公印の保管、文書管理システム、公告式、境界変更に関する地方自治法の規定による手続その他国・県等の関係機関との連絡調整、条例・規則等の制定改廃の審査及び例規の管理、自衛官募集、訴訟・和解・異議申し立て等の連絡調整、情報公開制度及び個人情報保護制度、自治会長及び自治会等の地域活動、地域の防犯活動、認可地縁団体、市民総合賠償補償保険事務、行政組織機構、行政手続法及び燕市行政手続条例、表彰式、ふるさと納税、他課に属さない共催及び後援、各部との連絡調整等に関すること

人事係

【職員7名(うち福島県南相馬市に派遣1名)】

職員の任免・分限・賞罰・服務その他身分、職員の給料その他給与の支給、職員の児童手当、職員研修、人事評価制度、職員の健康管理及び労働安全衛生、新潟県市町村共済組合、新潟県市町村総合事務組合、被服貸与、公務災害・労働災害、嘱託職員・臨時職員・非常勤職員の身分の取扱い等に関すること

秘書係

【職員2名】

特別職の事務引継、市長の資産公開、市長交際、市長会、名誉市民、栄典事務・表彰及び褒章、請願・陳情等に関すること

情報チーム

【職員4名(うち管理職1名)、臨時職員1名】

情報システムの総合調整、情報システムに係る個人情報保護、情報システムの管理・ネットワーク・データ保護及び運用、情報化政策の企画・調整及び推進、電子計算機処理管理運営委員会、情報化推進計画・業務継続計画、情報セキュリティ、パソコン管理等に関すること

統計チーム

【職員2名】

基幹統計調査及び一般統計調査、各種統計調査員、統計思想の普及等に関すること

2 防災課

【全体 職員6名(うち管理職2名)、臨時職員1名】

防災対策係

【職員4名、臨時職員1名】

地域防災計画、災害対策本部、自主防災組織、防災訓練及び防災意識の啓発、災害情報の収集及び伝達、消防施設の整備及び消防水利、水防担当との連絡調整、原子力災害対策、国民保護、被災者支援、その他防災・危機管理等に関すること

3 選挙管理委員会事務局

【全体 職員3名(うち管理職1名(総務課長兼務))】

選挙係

【職員2名】

委員の身分・資格・得失及び報酬・費用弁償、委員会の会議、明るい選挙推進運動、選挙人名簿の調製・保管及び閲覧、選挙人名簿の資格調査、直接請求、国民投票、検察審査員候補予定者の選定、裁判員候補予定者の選定、選挙区・投票区及び開票区、選挙の管理執行・記録・投票の保存及び諸調査、土地改良区総代の選挙、不在者投票、期日前投票等に関すること

第3 監査の結果

1 総務課

(1) 調書・聞き取りによる確認事項

  • ア 情報セキュリティ監査は、情報資産の取扱い及び情報システムの運用等が、監査基準である燕市情報セキュリティポリシーに準拠して行われているかを中心に外部委託により監査を行うもので、今年度は総務課人事係、会計課及び農政課が対象となった。監査結果は、模範とされる「推奨事項」は3件、改善を要すべき「指摘事項」は12件であった。
  • イ ふるさと納税に関しては、歳入予算で見込んでいる10億円を達成するため雑誌広告や新聞折込チラシ等を活用している。今年度は、当市のお礼の品の特徴であるハウスウェアや金属洋食器などを主に使用する30~50代の女性向け雑誌への広告掲載や、首都圏での新聞折込チラシなど、ターゲットを絞った広告を行っており、それらを見て寄附をした方が約3千人、寄附額にして約7千万円であったことから、引き続きターゲットを絞った効率の良い広告・PRに努めていきたいとしている。
  • ウ 長時間勤務の増加や年次有給休暇の取得日数の減少などの課題を解決していくため、働き方改革プラン「新しい“あたり前”プラン」を昨年度の2月に策定し、2018年度から以下の実践プログラムに取り組んでいる。
    1. 長時間労働を是正するため、庁舎の一斉消灯時間を21時から20時に繰り上げ(2018年4月~)
    2. 毎週木曜日のノー残業デーの徹底を図るため、館内放送による呼びかけを2回とし、一斉消灯時間を18時30分に実施(2018年4月~)
    3. 年休を計画的に取得できるよう「休暇取得計画表」を作成(2018年4月~)
    4. 長時間勤務に係る所属長ヒアリングを実施(2018年10月)
    5. タブレット端末活用によるペーパーレス化の推進(2018年9月~)
  • エ 「観光・防災ステーション」について、2018年度のWi-Fiへの月平均アクセス数は約2件/月程度で、ポータルサイトのアクセス数は約23件/月、月平均アクセス数の最大値は27件/月であるが、1日当たりの最大アクセス数は9月に82件を記録している。 当該事業には以下の課題点があるとしている。
    1. 平時の利用数を上げる努力を行う必要があること
      →防災イベントや他イベント等での周知の機会を増やしていく
    2. 民間機関のフリーWi-Fiとの連携を検討し、インバウンドや国内旅行者、市民等利用者の利便性を上げ、交流人口増に寄与していきつつ利用数を上げていくこと
      →無線アクセス名称(SSID)の統一化検討や暗号化設定等利用者利便性向上に向けた取組の必要性と各社の経営戦略との整合性を取る必要があり、実現することは困難であるが、まずは、話し合いの場作りから進めていく必要がある
    3. 災害時のWi-Fiメールアドレス認証開放等平時から訓練体系を策定し、人事異動等によるサービス低下を招かないようスキル維持を図っていく
      →メールアドレス認証フリー化マニュアルは策定済み。ping試験等、他マニュアル等と絡め訓練実施の計画を今後策定予定
  • オ 燕、吉田、分水各地区への防犯組合補助金については、合併時の制度調整により燕地区と分水地区を同額とし、その後、2010年度に設立された吉田地区も同額とした。今後は、各地区の規模や財政状況に応じて補助金額の見直しを検討していく必要があるとしている。
  • カ 職員の健康管理に関しては、2017年度健診対象者(人間ドックを含む)648人中、49人が未受診であった。未受診者に対しては、健康診断または人間ドックを2月末頃までに受診するように促し、検査結果等の提出を求めている。
  • キ 各年度における療養休暇と療養休暇の取得日数が90日を超えたことで分限休職となった職員数は次のとおりである。(表:療養休暇と療養休暇の取得日数が90日を超えたことで分限休職となった職員数一覧)
療養休暇と療養休暇の取得日数が90日を超えたことで分限休職となった職員数一覧
年度 療養休暇 分限休職 療養休暇等の取得事由
精神疾患
療養休暇等の取得事由
精神疾患以外
2016年度 10人 6人 11件 5件
2017年度 11人 8人 11件 8件
2018年度(注釈) 11人 12人 14件 9件

(注釈)2018年度は2019年1月末現在

(2)意見

情報セキュリティ外部監査を毎年実施しているが、情報資産台帳の作成が遅れている部署がまだ存在しているようである。情報資産台帳が完備されていないと情報資産がどのような状態(紙媒体、電子媒体など)で、あるべき場所(保管場所)、あるべき方法(暗号化や施錠など)によって保護されているかを把握できず、情報漏洩のリスクが高まる。情報資産台帳を日ごろから確認・更新し、情報資産を適切に取り扱うよう各部署への指導を徹底されたい。

働き方改革については、「新しい“あたり前”プラン」のメニューに沿い各種実践プログラムに取り組み、前向きに働き方改革を推進している点は評価される。しかしながら、依然として各所属において多くの時間外勤務や週休日の振替未取得の状態が見受けられることなどから、より一層効果的かつ積極的な取組みを期待するものである。また、療養休暇の取得事由におけるメンタル疾患に起因した件数は増加してきており、緊急の課題と思われる。職員の健康管理について、一層考慮されたい。

2 防災課

(1) 調書・聞き取りによる確認事項

  • ア 防災に関する「まちづくり出前講座」の依頼が増加しており、2016年度は20回で864人、2017年度は25回で1,585人の参加があった。また、2018年度(2019年1月末現在)の開催状況は次のとおりである。(表:2018年度(2019年1月末現在)の開催状況一覧)
  • イ 市内の指定避難所15か所に配備している備蓄品については、中越大震災及び中越沖地震発災時の状況をもとに住民の約15%が避難所に避難し、そのうち食料に関しては半数が個人備蓄なしと仮定して配備を行っている。
    • 食料…1人あたり2食(発災当日1食+2日目1食)、合計12,400食
    • 飲料水…1人あたり1本、合計6,200本
    • し尿処理剤…1人あたり3袋、合計37,200袋
  • ウ 2018年12月末現在における自主防災組織結成率は、燕地区56.09%、吉田地区96.94%、分水地区80.15%で、市全体では72.18%となっている。2019年度における防災課の重点項目のひとつとして、自主防災組織の結成率の向上に取り組む予定である。
  • エ 災害時等における市の情報発信手段である「防災つばめ~ル」への各年度当初における登録件数は次のとおりである。
    • 2013年4月1日 = 2,370件
    • 2014年4月1日 = 2,922件
    • 2015年4月1日 = 3,558件
    • 2016年4月1日 = 3,760件
    • 2017年4月1日 = 4,714件
    • 2018年4月1日 = 5,217件
  • オ 東日本大震災に伴う燕市への避難者は、2018年12月28日現在、福島県から24世帯61名、宮城県から1世帯2名となっている。その内、原発事故による避難指示区域からの「強制避難者」は9世帯21名、区域外からの「自主避難者」は16世帯42名となっている。
  • カ 今年度は4月から11月にかけ、女性のみを対象とした全6回の「女性防災リーダー養成講座」を開催した。
  • キ 消防施設用地借り上げに係る契約書に関して、管理が不十分なものが一部見られた。
2018年度(2019年1月末現在)の開催状況一覧
開催日 内容 参加者数
2018年 4月 6日 防災について 25人
2018年 4月19日 卓話「燕市の防災・ハザードマップ」 30人
2018年 5月25日 新ハザードマップを活用した自然災害への備え 126人
2018年 6月 2日 一生に一度の災害が命を奪う(聴覚障害者対応) 78人
2018年 6月 2日 洪水・土砂災害ハザードマップについて 9人
2018年 6月 3日 地域の防災とハザードマップについて 70人
2018年 6月19日 防災について 10人
2018年 7月31日 もしも学校が避難所になったら 41人
2018年 8月 2日 子育て家庭の防災について 19人
2018年 8月 4日 大規模災害に備えて 56人
2018年 8月23日 仲町地区の地震・火災・大水のリスクについて 18人
2018年 9月 7日 燕市の新たな洪水土砂ハザードマップの取り組み 100人
2018年 9月 7日 地震災害から身を守る 150人
2018年 9月28日 小中川地区の防災 23人
2018年 9月30日 地域の防災 我が家の防災・ハザードマップ 30人
2018年10月 3日 燕市の防災について・ハザードマップ 30人
2018年10月13日 人生に一度の災害が命を奪う・ハザードマップ活用 60人
2018年10月30日 米納津地区の防災について(地震編) 36人
2018年10月31日 吉田新町地区の防災について 27人
2018年11月 1日 分水小学校区の防災について 28人
2018年11月10日 防災体験講座、地域と市の連携 61人
2018年11月11日 水害時の避難行動と事前準備 22人
2018年11月15日 被災地における給食支援 25人
2018年11月18日 ハザードマップの作成経緯と見方、その活用 12人
2018年11月22日 新たな洪水・土砂ハザードマップの取り組み 14人
2018年11月26日 災害時における介護施設職員の心構え 40人
2018年12月 1日 地域で支える防災について 68人
2018年12月 9日 防災について 48人
2019年 1月10日 燕市女性防災リーダー養成講座について 62人
2019年 1月17日 2018年度に発生した各種災害の教訓 100人
2019年 1月23日 曙町の歴史と各種災害への備え 15人

合計:1,433人

(2)意見

防災に関しては「自助」・「公助」には限界があり、それを補うものが「共助」であり、「共助」の中心は「コミュニティ」である。その担い手、中核としての地域防災リーダーの必要性を感ずるところであり、リーダーの育成に関して力を注いでいる点は大いに評価される。今後は地域防災の中心者として、地域の防災力向上に向け尽力していただきたい。また、過去の災害の教訓から、女性ならではの視点を防災活動に反映することの重要性が叫ばれている。災害時の避難所運営に女性が参画することで災害弱者となりがちな女性や子ども、高齢者等へきめ細かな支援と安心感を与えることが期待される。女性防災リーダーのさらなる育成に努めていただきたい。
消防施設用地に係る土地の賃貸借契約書の管理において、一部で不備な点が見られた。地権者とのトラブルが生じた場合、消防業務に支障をきたす恐れがあることから、適切な管理に努められたい。

3 選挙管理委員会事務局

(1) 調書・聞き取りによる確認事項

  • ア 期日前投票者数は増加傾向にあるが受付事務を効率化したことに加えて、2018年6月の新潟県知事選挙から期日前投票所をそれまでの市役所1か所から市役所燕庁舎と分水公民館にも設置したことで、以前待ち時間が最大30分以上であったものが2、3分程度の待ち時間で済むなど大幅に短縮することができたことから、待ち時間に対する苦情は生じていない。期日前投票所を増設したことに関しては、身近な所で投票できるようになったことに対し好意的な意見をもらっている一方で、それらの投票所での投票者数が伸びていないことから、今後は増設した期日前投票所のPRを積極的に行い、投票者数が増加するよう努めていきたいとしている。なお、2018年度に執行された各選挙における期日前投票者数は次のとおりである。(表:(1)2018年6月10日執行 新潟県知事選挙、(2)2018年10月28日執行 燕市議会議員一般選挙)
  • イ 時間外勤務が100時間を超えている月があるとともに、週休日の振替未取得の時間数が80時間以上ある職員がいる。週休日の振替については、年度内に取得するよう努めるとしている。
  • ウ 燕市議会議員一般選挙の開票作業において、開票立会人への事前の説明が不十分だったことにより終了予定時刻を超過してしまったことから、今後は開票立会人に対する説明の内容を精査するとともに、開票の終了予定時刻を伝えておくなど開票への協力を求めていくことで、円滑に開票手続きを進められるようにしたいとしている。
  • エ 選挙ポスターの掲示場設置業務委託に関して、吉田・分水地区は暴風の影響を受けやすい場所が多いことから頑丈な設置方法が必要となっており、一方、燕地区は街中の設置が多く風の影響を受けにくいため簡素な設置方法が可能であるため、燕地区の委託料は他2地区と比べて安価となっている。業務委託仕様書では頑丈な設置方法を基本に、安全性が確保できる場合は簡素な設置も可能として委託費用の縮減を図っているとしている。
  • オ 切手の取扱いに関しては、2016年度の定期監査において受払簿が用いられていなかったが、現在は受払簿により管理するよう改善されている。
(1)2018年6月10日執行 新潟県知事選挙(最終投票率:58.74%)
市役所 燕庁舎 分水公民館 期日前投票率
6,859人 1,183人 614人 8,656人 12.84%
  • (注意)期間:2018年5月25日~6月9日
  • (注意)時間:市役所午前8時30分~午後8時、燕庁舎・分水公民館午前8時30分~午後5時
(2)2018年10月28日執行 燕市議会議員一般選挙(最終投票率:55.46%)
市役所 燕庁舎 分水公民館 期日前投票率
5,459人 1,262人 556人 7,277人 10.76%
  • (注意)期間:2018年10月22日~10月27日
  • (注意)時間:市役所午前8時30分~午後8時、燕庁舎・分水公民館午前8時30分~午後5時

(2)意見

公職選挙法にのっとりおおむね適正に事務を執行している。しかしながら、開票事務において課題が残されているとのことであるので、さらなる事務の効率化に向け、課題の解消に努められたい。
選挙管理委員会事務局職員の週休日の振替については、多くの時間が未取得のままとなっていることから、働き方改革が叫ばれるなか、確実に取得できる環境の整備に努められたい。

この記事に関するお問い合わせ先

監査委員事務局 監査チーム

〒959-0295
新潟県燕市吉田西太田1934番地

電話番号:0256-77-8371

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