2019年度公の施設の指定管理者監査(吉田産業会館)

更新日:2021年03月01日

公の施設の指定管理者監査結果報告書

1 監査の実施概要

(1)監査の目的

地方自治法(1947年法律67号)第199条第7項の規定に基づき、公の施設の指定管理者について、公の施設の管理・運営が指定管理者制度の目的に沿って適切に行われているかについて監査を実施した。

(2)監査の対象団体

2018年度に燕市が地方自治法第244条の2第3項の規定に基づき、公の施設の管理を行わせた施設のうち、次の施設の管理・運営を行った指定管理者について、監査を行った。

監査対象団体
指定管理者名 施設名 所管部署
燕市吉田産業会館 有限会社 ネットワークジャパン 商工振興課

(3)監査の期間

2019年10月10日 木曜日 ~ 12月25日 水曜日

ヒアリングの実施

日時 : 11月12日 火曜日 午後1時10分~2時25分
場所 : 燕市吉田産業会館

(4)監査の方法及び着眼点

監査の実施にあたっては、次の項目を主な着眼点とし、関係帳簿・関係書類等を調査するとともに、関係職員からの説明を聴取するなどの方法で実施した。

  • 施設は、関係法令の定めるところにより適切に管理されているか。
  • 協定等に基づく義務の履行は、適切に行われているか。
  • 利用促進のための努力が行われているか。
  • 施設管理に係る収支会計経理は、適正に行われているか。
  • 施設管理に係る出納関係帳簿・記帳などは、適正に行われているか。
  • 施設管理に係る各種諸規程は、整備されているか。

2 監査対象「団体」の概要

(1)「有限会社 ネットワークジャパン」の状況

概要
代表者 代表取締役 相田 忍
所在地 燕市吉田西太田1602番地4
設立年月日 1999年6月22日
構成
  • ≪ 役員 ≫ 代表取締役:1人、取締役:1人
  • ≪ 職員 ≫ 22人(正職員6人、臨時職員16人)
計24人

(2019年9月1日現在)

  1. 介護保険事業
  2. 通所介護 わんだふるらいふ
  3. 通所型サービスA わんだふるA-DAY
  4. 福祉用具貸与販売 ワンダフルライフ
  5. 指定管理者事業
施設の名称

燕市吉田産業会館

指定管理期間
  • 2009年4月1日 ~ 2012年3月31日
  • 2012年4月1日 ~ 2015年3月31日
  • 2015年4月1日 ~ 2020年3月31日
指定管理料

(2018年度)
19,202,000円

3 監査対象「施設」の概要

(1)施設の概要 燕市吉田産業会館

設置目的

本市の産地産業の育成指導を図るとともに、これらの活動に必要な場を提供し、もって産地産業の振興に寄与するため、産業会館を設置する。

所在地

燕市吉田東栄町14番12号

竣工

1984年10月

施設の構造

鉄筋コンクリート造2階建て(一部3階建て)

延床面積

5,150.57平方メートル

開館時間

午前8時30分~午後9時30分

休館日

12月29日から翌年の1月3日まで

使用料
使用料一覧 (単位:円)
室名 午前 午後 夜間 全日
視聴覚室 1,500 1,900 2,300 4,600
調理実習室 2,400 3,000 3,600 7,200
第1会議室 2,800 3,500 4,200 8,400
第2会議室(和) 2,000 2,500 3,000 6,000
第1研修室 1,000 1,300 1,600 3,100
第2研修室 1,700 2,200 2,600 5,200
第3会議室(和) 3,100 3,900 4,700 9,400
大ホール 20,000 24,000 30,000 59,200
  • (注意1)「午前」とは9時から午後0時30分まで、「午後」とは午後0時30分から午後5時まで、「夜間」とは午後5時から午後9時30分までとする(利用時間が本表に定める利用時間に満たない場合でも、時間割計算は行わない)。
  • (注意2)利用者が入場料又はこれに類するものを徴収する場合は、基本使用料の10割に相当する額を加算する。
  • (注意3)市外の者が利用する場合は、基本使用料の5割に相当する額を加算する。ただし、三条市、田上町又は弥彦村の者にあっては、この限りでない。
  • (注意4)冷暖房の利用期間中に利用する場合の使用料は、基本使用料の2割に相当する額を加算する。
  • (注意5)設備、備品等に要する使用料は、別に定める

(2)2018年度施設利用実績(2018年度事業報告書より抜粋)

月別施設利用実績 4月~9月 (単位:人)
  4月 5月 6月 7月 8月 9月
視聴覚室 341 484 755      
調理実習室 30 40 25      
第1会議室 662 2,765 4,281      
第2会議室 68 224 247      
第1研修室 222 338 166      
第2研修室 125 361 218      
第3会議室 279 195 339      
大ホール 2,966 2,470 8,733      
合計 4,693 6,877 14,764      
月別施設利用実績 10月~3月(単位:人)
  10月 11月 12月 1月 2月 3月
視聴覚室             1,580
調理実習室             95
第1会議室             7,708
第2会議室             539
第1研修室             726
第2研修室             704
第3会議室             813
大ホール             14,169
合計             26,334

(3)2018年度施設使用料の収入状況(2018年度事業報告書より抜粋)

月別施設使用料の収入状況 4月~9月 (単位:円)
  4月 5月 6月 7月 8月 9月
視聴覚室 49,470 76,250 138,740      
調理実習室 0 3,600 0      
第1会議室 22,440 10,500 85,050      
第2会議室 0 61,500 17,000      
第1研修室 43,910 52,360 25,950      
第2研修室 5,760 11,700 6,890      
第3会議室 4,680 67,650 94,980      
大ホール 64,800 56,000 28,800      
合計 191,060 339,560 397,410      
月別施設使用料の収入状況 10月~3月 (単位:円)
  10月 11月 12月 1月 2月 3月
視聴覚室             264,460
調理実習室             3,600
第1会議室             117,990
第2会議室             78,500
第1研修室             122,220
第2研修室             24,350
第3会議室             167,310
大ホール             149,600
合計             928,030

(4)2018年度の収支状況(2018年度事業報告書より抜粋)

収支状況
収支 科目 内訳 決算額(円)
収入 利用料金収入 各貸室徴収料金 928,030
指定管理料 指定管理委託料 19,202,000
収入合計   20,130,030

人件費   6,432,474
消耗品費 事務用品、コピー料金 617,500
修繕費   367,524
光熱水費 電気・ガス・水道料 4,415,942
通信運搬費   307,950
手数料   16,000
保険料   38,620
委託料   4,812,745
借上料 電話設備 36,720
備品購入費   506,293
租税公課   471,418
利用料金 燕市へ 928,030
返還金 燕市へ返還 1,076,480
支出合計   18,951,216

(注意)収入合計20,130,030円 - 支出合計20,027,696円 = 当年度利益102,334円

(5)2018年度の業務実績(2018年度事業報告書より抜粋)

維持管理業務実績
作業項目 実施日 内容
清掃 毎日 館内清掃
年1回 専門業者によるカーペット清掃・ワックスかけ
保守・点検 毎日 館内全般
随時 各種専門業者による保守及び定期点検の実施
保安・警備 通年 定期巡回による保守・警備
小規模修繕 5月 側溝グレーチング修繕
5月 浄化槽部品交換
7月 大ホールドア把手修繕
11月 大ホール天井照明交換、ステージスポット調整、修理
12月 消雪パイプ修繕
1月 消雪パイプ修繕
3月 ホワイトボードシート貼り付け

4 監査の結果・意見

[1]調書、聴き取り、実地による確認事項

  1. 指定管理料の請求・受領については、年度協定書で定められたとおりに行われていた。
  2. 事業報告書は概ね適正に作成され、期限内に提出されていた。
  3. 開館館時間は午前8時30分~午後9時30分で、平日午前8時30分~午後5時については2~3名体制、午後5時~午後9時30分は夜間・休日管理人3名のうち1名が交替で勤務している。土曜日・日曜日・祝日は1~2名体制である。「吉田商工会」、「西蒲原土地改良区南地区事務所」、「燕市地域職業相談室」の3団体が入居している。業務日報を作成し、利用人数、利用目的、業務実施事項などを記録しているが、基本協定書に定められている記載項目の中に一部記載漏れがあった。
  4. 避難訓練を年2回、消防署員立会いのもと、入居している「吉田商工会」、「西蒲原土地改良区南地区事務所」、「燕市地域職業相談室」の3団体と合同で実施している。全部で40名程の職員のうち、参加人数は1回目15名、2回目7名と少なく、施設利用者も参加していない。今後は施設利用者も含め、全員参加での避難訓練を実施したいとしている。
  5. 非常時マニュアルを作成しているが、各任務の担当者が職名で記載されているなど、内容に不十分な点があった。時間帯により職員数も変動することから、緊急時に対応できるよう、見直しを行うとしている。
  6. 収支会計経理においては、施設管理に係る領収書類の整備・保存管理等について改善を要するものが見受けられた。
  7. 2018年度は貸館休止を伴う大規模な改修工事があり、施工しながらの開館という運営業務であったが、大きなトラブルもなく、概ね良好に運営されていた。

[2]意見

施設の状況は2019年3月に改修が終わり、施設を利用しやすい改善が図られている。これに合わせて指定管理者の施設管理状況については、市の所管課と利用状況等の確認を定期的に行い、概ね良好であると思われる。施設管理面において言及するとすれば、事業遂行記録としての日報に「自己評価欄」を設けるなど、工夫をしてよりよき施設管理の向上を図られたい。PDCAサイクルを取り入れることにより「品質の維持・向上」及び「継続的な業務改善」につながることを期待したい。
会計事務処理については、経理を一人で行っており、事務処理が繁雑になっている。このため、事務処理の手続き上、適切とは言い難い状況が見受けられた。2012年時の監査において指摘されている現金の管理において複数人の確認といった改善事項も改善されていないところがある。事務の正当性、確実性を図るために人員の確保を望みたい。
災害時に対する対応については、この施設が避難所に指定されている点に着眼すると、非常時マニュアルの内容の一部に不十分なところがあるが、施設内に入居している団体との防災訓練の共同実施、自衛消防隊の編成など危機管理について、参加者は多いとは言えないが、積極的に行おうとしている意欲については評価される。今後、他団体を含め、施設利用者の参加協力を得て実効性のある訓練を実施されるよう努められたい。監査時において施設内に避難経路図の掲示がされていなかった。施設内入居団体ばかりではなく、災害時に一般の施設利用者の避難対応に重要なものは避難経路図の掲示であるから早急に対応されたい。
この指定管理者が他の指定管理者と異なることは介護保険事業も営んでいることから、緊急時において要支援・要介護の高齢者や障がい者等に対する対応や助言を得られやすい点に注目される。非常事態が発生したときはこの特異点を十分発揮されたい。

[3]所管課への意見

この度の監査において会計事務処理の手続き方法に適切とは言い難い状況が見受けられた。また、前回の監査で指摘されているところが改善されていないことも見受けられた。所管課においては、「燕市吉田産業会館の管理に関する基本協定書」第20条に定められている「指定管理業務の実施状況の調査」に従い、会計帳票等の確認等を行い、改善が必要な場合は改善指導を十分図られるよう努められたい。
また、施設に同居する各種団体との協力、調整が必要になる事象があるので所管課としても十分助力に努められたい。

この記事に関するお問い合わせ先

監査委員事務局 監査チーム

〒959-0295
新潟県燕市吉田西太田1934番地

電話番号:0256-77-8371

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