2022年度施政方針(2022年第1回燕市議会定例会)

更新日:2022年02月28日

2022年2月28日に開会した第1回燕市議会定例会において、鈴木力市長が2022年度施政方針を発表しました。
ここでは、その全文を掲載します

2022年度施政方針

2022年2月28日
第1回燕市議会定例会

燕市長 鈴木 力

はじめに

2022年第1回燕市議会定例会にあたり、新年度に臨む私の市政運営の基本方針及び主要事業について申し述べます。

私が燕市長に就任して間もなく3期12年が経過しようとしています。この間、私が一貫して目指してきた都市像は、「日本一輝いているまち・燕市」でした。

振り返ってみますと、1期目においては、「燕はひとつ」を合言葉に、新生燕市の一体感の醸成に努めるとともに、産業・教育・子育て・福祉・防災等の各分野において積極的に課題に取り組んでまいりました。

2期目においては、「燕よ、ひかれ」のスローガンの下、「第2次燕市総合計画」を策定し、他自治体に先駆けて「定住人口」、「活動人口」、「交流・応援(燕)人口」の3つの人口増戦略に取り組み、さらなる子育て施策の充実、若者や女性が活躍できるまちづくりなどを推進してまいりました。

3期目においては、スローガンを「やるぞ!燕 進め!未来へ」とし、引き続き、3つの人口増戦略を最重要課題として取り組むと同時に、未来への基盤づくりとして、産業用地の造成や「燕市建物系公共施設保有量適正化計画」の策定、社会教育施設等の受益者負担の見直しなどについても推進してまいりました。

しかしながら、ここ2年間は新型コロナウイルス感染症の拡大により、概ね順調に進んでいた第2次燕市総合計画の進捗にも影響が出ております。人の流れの停滞により、企業活動や地域活動、教育活動などにも制限がかかり、活動人口、交流・応援(燕)人口はもとより多くの分野で成果を表す指標の数値が悪化しました。

本市においては、2020年度から市独自の新型コロナ緊急対策「フェニックス11+(イレブンプラス)」として、フェニックスクーポンの発行や水道料金(基本料金)の減免等のほか、ふるさと燕を離れ頑張っている大学生等への支援や地域・企業・行政のDX推進、イノベーション拠点の整備支援などの取組を進め、社会経済活動の下支えに注力してまいりました。しかしながら、第6波の襲来により未だ収束が見通せない状況の中、感染症対策と社会経済活動の両立や、停滞している人の流れの回復が課題となっているほか、急速に進展するデジタル社会や脱炭素社会など社会環境の変化への対応、SDGsの推進にも取り組んでいく必要があります。

一方、長引く感染症の影響の下、歳入において自主財源の根幹をなす個人市民税や法人市民税は、複数年にわたる大幅な減収が見込まれます。歳出においては、感染症対策の継続経費に加え、公共施設の老朽化対策、社会保障関連経費の増など、従前からの財政負担の増加要因が相まって、本市の財政状況は厳しい状況が続いております。

これらの現状認識に立った上で、今年の8月25日に大河津分水が通水してから100周年を迎えることを踏まえ、2022年度の当初予算案は、「『次の100年に向けて』先人たちの情熱をつなぎ、新たな成長の礎を築く」をテーマに、「3つの人口増戦略」を柱として、

  1. 「フェニックス11+の継続による社会経済活動の回復」
  2. 「変化する社会環境に対応した地域社会のDXと脱炭素社会の推進」
  3. 「未来につながる新たな地方創生で地域活性化」

の3つの重点施策を積極的に展開するとともに、燕市の発展を支え続けてきた大河津分水に感謝しつつ、その歴史や魅力の発信を行う「通水100周年記念事業」を実施する内容といたしました。

また、2022年度は、第2次燕市総合計画の最終年度でもあります。感染症の収束が見通せない状況ではありますが、最終目標値の達成、もしくは少しでも改善が図られるよう取り組み、子どもたちが未来への夢やふるさとへの誇りが持てる「日本一輝いているまち・燕市」の実現を目指してまいります。

当初予算案の概要

それでは、2022年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。

はじめに、予算の規模についてであります。一般会計予算の総額は455億4,700万円、前年度比13.9%、55億6,800万円の増となり、借入額と返済額を歳入と歳出で同額計上している借換債の額を除いた実質的な予算の規模で見ると、384億8,531万円となり、前年度比8.4%、29億9,006万円の増となっています。

また、実質的な予算と国の経済対策による2021年度補正予算(繰越)事業8億6,076万円を合わせた執行ベースでの予算額は393億4,607万円で、前年度比7.9%、28億8,185万円の増となり、いずれも合併後で最も大きい予算規模となっています。

そして、4つの特別会計と一般会計の実質的な予算を合わせた当初予算総額は、558億2,813万円であり、前年度比6.8%、35億5,980万円の増となりました。

次に、第2次燕市総合計画の戦略体系に沿って、新規・拡充事業を中心に、新年度の主要事業を説明いたします。

戦略1 定住人口増戦略

戦略の第1は、定住人口増戦略であります。燕市に住みたい、働きたいと思う人を増やすため、

  1. 雇用・就労を支える産業の振興
  2. 地域に根ざした教育の推進・子育て支援
  3. 健やかな暮らしを支える医療福祉の充実
  4. 移住・定住の促進

を図る各種施策を総合的に進めます。

基本方針1 雇用・就労を支える産業の振興

定住人口増戦略の1つ目の柱は、「雇用・就労を支える産業の振興」です。

施策1 ものづくり産業の活性化

はじめに、「ものづくり産業の活性化」についてであります。

長引く感染症の影響により経営状況が悪化した企業に対し、専門家を活用した経営の立て直しを支援する補助制度を創設するとともに、借入金の返済等、資金繰り面で課題を抱えている企業に対して、新たに新潟県制度融資の事業再生資金や経営力強化資金、経営改善サポート資金の信用保証料の補給を実施いたします。

また、市内企業のDXを推進するため、燕市IoT推進ラボが開発し、2022年度から本格稼働する「燕版共用受発注システム」の導入や、デジタル技術を活用した生産性向上等の取組、ウェブサイト等を活用した販路拡大を支援し、産地全体の競争力強化を図ります。

さらに、感染防止対策を講じた経済活動を支援するため、市内企業がリスク管理のために実施するPCR検査費用の補助に加え、医療用抗原検査キットの購入費用も対象とするとともに、「海外見本市出展サポート事業」においては、現地スタッフ費用や陰性証明取得費用等を対象に加えるなど、支援の拡充を図ります。

加えて、「燕応援フェニックスクーポン」の第4弾を発行し、市内の飲食・小売・サービス関連業等における消費を喚起します。

一方、脱炭素社会の推進に向け、市内企業のカーボンニュートラルをはじめとするSDGsへの取組を支援するとともに、次の100年を見据えた未来志向型の経営に向け、市内企業が取り組むべき課題や対策についてフォーラムを開催することにより、ものづくり産業の持続的な発展に努めてまいります。

SDGsの17の目標のロゴマーク

施策2 新たな産業育成・創業の支援

次に、「新たな産業育成・創業の支援」についてであります。

企業誘致やテレワーカー誘致を目的に、民間によるシェアオフィス等の開設を支援する補助制度や、首都圏企業等への誘致プロモーション活動を継続するとともに、空き家等を活用する創業者の家賃補助や創業資金の融資への利子補給、未利用店舗の改装資金の助成を行い、創業環境の充実を図ります。

また、商工団体による通水100周年を契機とした消費喚起イベントや、若手商店主等による商店街活性化に向けたイベントの実施を支援します。

さらに、「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール」と「若monoデザインコンペティション燕」の賞金を引き上げ、より魅力的なコンクールにすることで、燕ブランドのさらなる強化と効果的な発信を推進します。

イノベーション拠点整備支援事業 小売商業活性化事業

施策3 変化に対応する農業の振興

次に、「変化に対応する農業の振興」であります。

生活様式の変化等に伴う米の需要減少、コロナ禍における外食需要の減少に伴う消費低迷により、米価の下落等大きな影響を受けている農業経営者に対し、水稲と園芸作物による複合営農への取組を推進するため、園芸作物の作付面積に応じた助成を行うとともに、需要増加が見込まれる輸出用米への作付転換を支援し、米価の安定化に向けた需給調整を図ってまいります。

また、国の「経営継承・発展等支援事業」を活用し、将来に渡って地域の農地利用等を担う経営体の確保を図るほか、「チャレンジ・ファーマー支援事業」では、複合営農支援枠を拡充するとともに、スマート農業技術の導入による省力化を促進します。

一方、燕市産農産物の消費活性化や販路拡大を図るため、3年目の実施となる「つばめ食べて応援キャンペーン」の規模を拡大するとともに、引き続き、ECサイトを活用した販路開拓を目指す農業者を支援いたします。

加えて、市内の生産者や市場、消費者、商工業者等の異業種で構成する「燕市農業振興協議会」において、農産物の販売・流通に関する新たな戦略の検討を開始します。

さらに、通水100周年記念事業として、大河津分水の恵みを受けて発展してきた地域の農産物や地場産品を販売・PRする「産業・農業まつり」を開催するほか、例年、吉田ふれあい広場脇で行っている「田んぼアート」を分水さくら公園脇でも実施いたします。

食べて応援キャンペーン

基本方針2 地域に根ざした教育の推進・子育て支援

定住人口増戦略の2つ目の柱は、「地域に根ざした教育の推進・子育て支援」です。

施策1 知・徳・体を育成する教育の推進

はじめに、「知・徳・体を育成する教育の推進」についてであります。 

AIが進化する社会において、自律して生きていくための力を養う「読解力」育成プロジェクトが2年目を迎えます。引き続き、読解力の育成を意識した授業を実践するとともに、「新潟大学教育学部とのパートナーシップ事業」や「中学生学力向上対策プロジェクト」を継続し、「確かな学力」と「新しい時代を生きるために必要な力」の育成を推進します。

また、すべての児童生徒に配付したタブレット端末を活用し、分かりやすい授業の実践や臨時休業等に伴うオンライン授業による学習環境の確保、安定的な支援体制の整備など、ICT教育の推進を図ります。

さらに、障がいのある子どもや特別な支援が必要な子どもたちに対し、これまで以上にきめ細かな指導を行うため、学校での活動や学習を支援する「学校介助員」を増員配置いたします。

加えて、「燕ロボット・プログラミング教室」により、論理的思考を発展的に学ぶプログラミング教育を行うとともに、「Jack&Bettyプロジェクト」、「長善館学習塾」、「燕キャプテンミーティング」等による個性を伸ばす教育や、「Goodd Jobつばめ推進事業」、「つばめキッズファーム事業」等によるキャリア教育、「つばめっ子かるた」、「燕ジュニア検定」等によるふるさと教育など、引き続き、燕らしい特色ある教育を推進してまいります。

一方、課外活動に関しては、「技術の向上や部活動以外のスポーツに挑戦したい」といった生徒の希望に応えられるよう、「つばくろいきいきスポーツクラブ事業」のクラブ数を拡充し実施いたします。

また、休日の部活動の段階的な地域移行を踏まえ、部活動の在り方について検討してまいります。

ICT教育 長善館学習塾

施策2 安心して産み育てられる子育て支援

次に、「安心して産み育てられる子育て支援」についてであります。

市内外の方から「子育てするなら燕市で」と思っていただけるよう、多様なニーズに対応した、きめ細かな子育て支援を行ってまいります。

子どもたちが季節や天候に関わらず、体を使って思いっきり遊ぶことができる「全天候型子ども遊戯施設」の整備に向け、用地の取得を開始し、2024年度中のオープンを目指します。

また、保育園等において、特別な配慮を要する子どもとその保護者への支援を強化するため、各園の主査保育士等を発達支援コーディネーターとして育成するとともに、私立園への取組も拡大してまいります。

さらに、「子育てコンシェルジュ」の育成に加え、オンライン子育て相談拠点の拡充、育児教室や育児相談会の開催等を通して、子育てに関する相談体制の充実に努めます。

加えて、地域全体で子育て家庭を応援する「つばめ子育て応援カード事業」や「子育てアプリ」による情報発信強化にも引き続き取り組んでまいります。

一方、なかまの会の児童クラブ化については、燕北小学校内の空き教室等を改修し、2023年度から児童クラブとして開設します。

また、妊娠・出産への支援として、不妊治療に要する費用や妊産婦が負担する医療費についての助成を継続し、経済的な負担を軽減いたします。

つばめ子育て応援カード

基本方針3 健やかな暮らしを支える医療福祉の充実

 定住人口増戦略の3つ目の柱は、「健やかな暮らしを支える医療福祉の充実」です。

施策1 医療サービスの機能強化

はじめに、「医療サービスの機能強化」についてであります。 

感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けて、燕市医師会と連携し3回目のワクチン接種を速やかに実施いたします。

また、やむを得ない事情で感染症拡大地域との往来が必要な人や行政検査の対象となった人の同居家族、重症化リスクの高い高齢者が利用する介護サービス事業所の従事者や新規利用者等を対象に、PCR検査費用の一部を引き続き助成するとともに、介護サービス事業所については、医療用抗原検査キット購入費も新たに助成対象といたします。

さらに、県央医療圏における救急医療体制の整備に向けて、県央基幹病院の早期開院と県立吉田病院の早期改築を、県へ引き続き要望するとともに、県央地域における看護師不足の解消と人材の地元定着を図るため、県や県央地域の自治体と連携し、地元で看護師を目指す学生に対する修学資金の貸付を引き続き行ってまいります。

国民健康保険においては、県が国保財政の運営主体となったことに加え、本市の医療費適正化の取組が県内1位となったことによる交付金の増額等により、国保財政の安定化が図られたことから、県内他市とのバランスを考慮し、総額1億円程度、一世帯当たり年間で平均約1万円の税率の引き下げを行います。

併せて、これまでの生活習慣病の重症化予防等の保健事業に加え、「骨折・骨粗しょう症重症化予防事業」を新たに実施し、「医療費適正化事業」をさらに推進しながら、健全かつ安定的な財政運営に努めてまいります。

施策2 地域で支える高齢者福祉

次に、「地域で支える高齢者福祉」についてであります。

「燕市高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」を着実に推進するとともに、人生100年時代を迎え、高齢者の心身の多様な課題に対応したきめ細かな支援を行うため、保健事業と介護予防を一体的に実施し、フレイル予防に加え糖尿病・脳梗塞・骨折といった介護に直結しやすい疾病の悪化防止に取り組みます。

また、スマートフォン等の簡単な操作方法の普及を図るなど、高齢者のデジタル格差解消に向けた取組を新たに行ってまいります。

さらに、自身の人生を振り返り、財産や資産、受けたい医療や介護の希望等、家族などに伝えたいことを書き留めるエンディングノート「絆ノート」を作成し、市役所の窓口や地域包括支援センターなどで配布するほか、燕市公式ウェブサイトでも電子データを公開します。

施策3 障がいのある人への切れ目のない支援

次に、「障がいのある人への切れ目のない支援」についてであります。

多様化・複雑化する相談ニーズに対応し、障がいのある人のライフステージに沿った切れ目のない支援を行うため、引き続き、基幹相談支援センターが中心となり相談支援体制の充実に取り組んでまいります。

また、「障がい児通所支援費支給事業」では、障がいのある子どもやその家族に対し、障がいの種別や成長段階等のニーズに応じた支援を行うため、児童発達支援や放課後等デイサービスなど、個々の特性に合ったサービスの提供に努めてまいります。

さらに、障がいに対する理解を深めるため「つばめバリアフリーフェスティバル」を開催し、社会参加や福祉的就労の充実につなげるとともに、社会的・経済的自立に向けて、企業等からの受注促進や自主生産品の販路拡大などにつながる就労支援の取組を一層充実させてまいります。

つばめバリアフリーフェスティバル

基本方針4 移住・定住の促進

次に、定住人口増戦略の4つ目の柱である「移住・定住の促進」についてです。

施策1 移住・定住希望者へのサポート強化

燕市への移住希望者を増やすため、首都圏で開催される移住相談会への出展やオンラインでの移住相談、SNS上での広告等を活用した情報発信に取り組むとともに、オーダーメイド型の移住体験ができる「ツバメビト移住ツアー」や「おためし地域おこし協力隊」、「おためし生活体験」等のメニューも用意し、燕市での生活を体感できる機会を提供いたします。

また、移住後も燕市に住み続けてもらえるよう、定住に必要な情報や各種制度の案内と相談の受付、他の定住希望者と情報交換ができる交流会を開催します。

さらに、県外U・Iターン者やテレワーカー、市外からの新婚世帯を対象とした家賃補助に加え、テレワーカーには本社までの交通費補助を実施するほか、東京圏からの移住者を対象とした移住・就業支援金については、新たに子育て世帯に対して、18歳未満の子1人につき30万円を加算して交付します。

併せて、働き盛り・子育て世代などの移住者と定住希望者の住宅取得費の一部を助成する「移住家族支援事業」、「定住家族支援事業」を引き続き実施し、燕市への移住・定住化を図ってまいります。

つばめいと

戦略2 活動人口増戦略

戦略の第2は、活動人口増戦略であります。

  1. 市民が主役の健康づくり・生きがいづくり
  2. 支え合い・助け合い活動の活発化
  3. 若者・女性の力を活かしたまちづくり

を進めながら、地域社会の中でキラキラ輝く人を増やしてまいります。

基本方針1 市民が主役の健康づくり・生きがいづくり

活動人口増戦略の最初の柱は、「市民が主役の健康づくり・生きがいづくり」です。

施策1 元気を磨く健康づくり

はじめに、「元気を磨く健康づくり」についてであります。

各種健(検)診やワクチン接種等では、引き続き、オンライン予約受付を行うとともに、「肝炎ウイルス検診」については、健診受診時にセットで受けられるよう体制を整備し、受診率の向上を図ってまいります。

また、健康行動の習慣化と健康寿命の延伸に向けて「つばめ元気かがやきポイント事業」を継続するとともに、協定を締結した民間企業と連携し、職域での健康づくり運動の普及を図ってまいります。

施策2 健全な心と体を支えるスポーツの推進

次に、「健全な心と体を支えるスポーツの推進」であります。

スケートボードの人気の高まりを受け、子どもから大人まで安全に楽しめる専用のスケートボード場をスポーツランド燕内に整備いたします。

また、通水100周年を迎える大河津分水を眺めながら走ることのできる「燕さくらマラソン大会」については、全種目で定員を設定するなど、感染防止対策を徹底した上で開催いたします。

さらに、子どもたちに未来への夢や希望を与えるとともに、スポーツに取り組む意欲や競技力の向上を図るため、オリンピアンやトップアスリートによる「ゆめみらいスポーツ教室」を開催いたします。

加えて、スポーツランド燕施設内の照明、夜間の学校開放施設のナイター設備のLED化を進めるなど、スポーツ環境の整備を図ります。

スケートボード場のイメージ 燕さくらマラソン大会

施策3 心豊かな生涯学習・文化活動の充実

次に、「心豊かな生涯学習・文化活動の充実」についてであります。

通水100周年記念事業として、先人の努力や偉業を知り、郷土愛の醸成を図るため、私塾 長善館創設者「鈴木文臺」の功績を題材とした漫画を制作し、学校や図書館等で活用してまいります。

また、長善館史料館では、長善館の功績を伝える資料の常設展示と企画展を実施するほか、筑波大学との連携を継続し、大河津分水建設に携わった長善館の門下生たちの活躍などについて調査研究を行うとともに、記念講演会を開催いたします。

さらに、文化会館自主事業では、人気声優による大河津分水の歴史を題材にした燕市オリジナルの創作朗読劇を公演するとともに、落語家 立川談春独演会等を開催することで、幅広い世代に対して舞台芸術などを提供します。

加えて、老朽化した吉田公民館では、利用者が安心して快適に利用できる環境を提供するための改修工事を行います。

長善館史料館 

基本方針2 支え合い・助け合い活動の活発化

活動人口増戦略の2つ目の柱は、「支え合い・助け合い活動の活発化」であります。

施策1 支え合いの地域福祉

はじめに、「支え合いの地域福祉」についてであります。

身体障害者手帳の交付対象とならない18歳以上の軽・中等度の難聴者を対象に、補聴器購入費用の一部に対する助成制度を創設いたします。

また、地域における生活課題の解決に向けた包括的な支援体制の整備等、地域福祉を推進するため、「第4次燕市地域福祉計画」を策定いたします。

子どもの貧困対策では、保護者の複雑・多様化する悩みごとに対応するため、弁護士による相談会を引き続き開催し、相談体制の充実を図るとともに、子ども食堂等の運営団体に対する助成額の上限を引き上げ、安定した運営を支援いたします。

さらに、経済的な理由等により生理用品を購入できない子どもに、子ども食堂や学校などを通して無償配布を行うとともに、配布をきっかけとして、様々な課題の解決につながるよう支援を行ってまいります。

施策2 市民協働のまちづくり

次に、「市民協働のまちづくり」についてであります。

まちづくり協議会や市民団体の活動の活性化を図るため、引き続き、自発的・自主的に取り組む「イキイキまちづくり事業」への助成を行うとともに、情報提供や相談対応等の支援も継続いたします。

また、多文化共生の推進を図るため、燕市国際交流協会と連携し、外国人と地域住民が交流できる場として、「外国人のみなさんとの交流会」を開催するほか、燕市公式ウェブサイトや広報紙等の多言語配信にも、引き続き取り組んでまいります。

基本方針3 若者・女性の力を活かしたまちづくり

活動人口増戦略の3つ目の柱は、「若者・女性の力を活かしたまちづくり」です。

施策1 若者の活動の活発化

はじめに、「若者の活動の活発化」についてであります。

引き続き、「つばめ若者会議」、「燕ジョイ活動部」、「燕市役所まちあそび部」をはじめとする若者たちの主体的な活動をサポートします。

令和4年度は、市内外の高校生や大学生、教育関係者等が参加する「(仮称)まちあそび学会」を開催し、若者が楽しみながらまちづくりに携わる「燕市役所まちあそび部」の取組を広く発信することによりブランド化を目指します。

また、「燕ジョイ活動部」を中心に、通水100周年をイメージしたデザインのショップバッグを制作し、道の駅国上や燕三条地場産センター、各種イベント等で使用するとともに、「Twitter川柳コンテスト」を令和4年度も実施し、SNSの拡散力を活用した情報発信に取り組むなど、若者たちからも通水100周年事業を通じた本市のシティプロモーションの一役を担ってもらいます。

つばめ若者会議 燕ジョイ活動部

施策2 女性が活躍しやすい環境づくり

次に、「女性が活躍しやすい環境づくり」についてであります。

仕事と子育てが両立できる職場環境づくりを進める企業を認定・助成する「つばめ子育て応援企業サポート事業」や、就業規則や社内制度の改善に取り組む企業を支援する「みんなが活躍できる職場環境づくり推進補助金」を継続するほか、男性従業員の育児休業取得のメリットや各種制度について広く啓発・説明することで、補助制度の利用や企業認定の申請を促進します。

また、女性を含む多様な人材が活躍できる社会づくりを目的とした、「女性活躍・ダイバーシティ推進フォーラム」を開催するほか、女性活躍のロールモデルとなる輝く女性と女性活躍を推進する事業所・団体を表彰し、動画等で紹介いたします。

つばめ輝く女性表彰

戦略3 交流・応援(燕)人口増戦略

戦略の第3は、交流・応援(燕)人口増戦略であります。

燕市を訪れたい・応援したいと思う人を増やすため、

  1. 観光の振興
  2. 都市間交流の推進
  3. 燕市のファンづくり

に取り組んでまいります。

基本方針1 観光の振興

交流・応援(燕)人口増戦略の1つ目の柱は、「観光の振興」です。

施策1 着地型観光の振興

道の駅国上では、新たな指定管理者の下、キャンプ場やフードコンテナなど新たな客層を呼び込むための整備が行われることから、効果的なPRやリニューアルイベントを指定管理者とともに実施し、観光拠点としてのさらなる機能強化を図ります。

また、産業史料館では、修学旅行による視察受入が好調なことから、積極的な情報発信と受入体制の強化を進めるとともに、通水100周年をテーマにした企画展を開催し、さらなる入館者数の増加を目指します。

さらに、夏まつりにおいて通水100周年記念花火を打ち上げるほか、大河津分水がもたらした恵みである地元食材を活かした料理の提供イベントの開催や、大河津分水周辺スポットを巡るツアーへの補助等を行ってまいります。

燕市産業史料館 大河津分水インフラツアー

基本方針2 都市間交流の推進

交流・応援(燕)人口増戦略の2つ目の柱は、「都市間交流の推進」であります。

施策1 都市交流・広域連携の推進

引き続き、災害時相互応援協定を締結している南魚沼市、南相馬市、南陽市や、東京ヤクルトスワローズとの縁で始まった松山市、浦添市、西都市との交流事業を実施してまいります。

また、定住自立圏を形成する弥彦村とは、「第2期燕・弥彦地域定住自立圏共生ビジョン」に基づき、医療福祉や観光振興、公共交通等において連携を進めます。

神宮球場

基本方針3 燕市のファンづくり

交流・応援(燕)人口増戦略の3つ目の柱は、「燕市のファンづくり」です。

施策1 イメージアップ・ふるさと応援

「ふるさと燕応援事業」においては、品質の高いお礼の品を通じた本市の魅力発信や、寄附仲介サイトの追加導入、ふるさと納税係の新設による体制強化を行うとともに、「自治体クラウドファンディング事業」の新たな使い途を「全天候型子ども遊戯施設整備をはじめとした子育て支援」に設定し、35億円を目標額に全国から寄附を募ることにより、ふるさと納税をきっかけとした応援(燕)人口の拡大を図ります。

また、東京ヤクルトスワローズとの連携を継続し、神宮球場でのイベント出展や野球教室、トークショー等を開催するほか、新たに市外県外の人たちが燕市と様々な関わりを持てる交流・体験プログラムを提供するなど、さらなる燕市のファンづくりに取り組んでまいります。

さらに、大河津分水通水100周年という絶好のタイミングを捉えて、記念楽曲等のコンテンツを活用しながら、各種メディアやSNSなどでプロモーションを行うことにより、燕市の産業や歴史、文化などの魅力を市内外へ効果的・戦略的に発信します。

ふるさと納税の返礼品

戦略4 人口増戦略を支える都市環境の整備

戦略の第4は、3つの人口増戦略を支える都市環境の整備であります。

  1. 安全・安心機能の向上
  2. 快適な都市機能の向上

の2つの方針に基づき取り組んでまいります。

基本方針1 安全・安心機能の向上

都市環境整備の第1の柱は、「安全・安心機能の向上」です。

施策1 災害に強いまちづくり

はじめに、「災害に強いまちづくり」についてであります。 

災害時に備え、食料品のほか、生理用品や紙おむつ等の生活用品を計画的に備蓄し、避難所備蓄の充実を図るとともに、水害対応の「燕市総合防災訓練」の実施や、国・県等と共催で、関係機関が一体となった「信濃川・魚野川総合水防演習」を実施するなど、防災力強化に努めてまいります。

また、災害リスクの高い地域の抽出や防災上の課題を整理し、リスクの回避・低減を図るため、立地適正化計画における防災減災の取組方針を検討いたします。

さらに、新型コロナウイルス感染の有無を早期に判定できる医療用抗原検査キットを確保し、感染拡大防止にも努めてまいります。

施策2 防犯・消費者保護対策の推進

次に、「防犯・消費者保護対策の推進」についてであります。

「燕市犯罪被害者等支援条例」を新たに制定し、見舞金の支給や相談窓口の設置などの支援を行うとともに、犯罪被害者等の人権の尊重や支援の必要性について、啓発を図ってまいります。

また、地域で設置する防犯カメラの設置費用を引き続き補助するとともに、警察や地区防犯組合等の関係機関と連携して、安全で安心なまちづくりを推進します。

さらに、インターネット関連のトラブルなど年々複雑化・多様化する消費生活相談に迅速・的確に対応するとともに、消費者被害防止に向けた情報提供や注意喚起に一層取り組んでまいります。

施策3 交通安全の推進

次に、「交通安全の推進」についてであります。

高齢者の運転免許自主返納への支援を継続するとともに、関係機関と連携した交通安全教室の開催などを通じて、市民の交通安全意識のさらなる高揚に努め、交通事故の抑止を図ります。

また、児童や園児の通学路等の安全を確保するため、民間開発により交通量の増加が見込まれる吉田南小学校区内の「広域8号線交差点改良事業」と「吉田東通り自歩道整備事業」に着手するほか、園児通行ルートの安全対策として「市道小牧灰方線」の歩道整備工事を実施いたします。

施策4 公共交通の整備

次に、「公共交通の整備」についてであります。

現在、実証運行している燕地区でのコミュニティバスは、車両を小型化し、ルート等を見直して継続するとともに、県央基幹病院など新たに整備される拠点に対応した、利便性の高い公共交通ネットワークの形成に向けた検討を開始します。

また、引き続き、循環バス「スワロー号」や弥彦村との共同による「やひこ号」、予約制乗合ワゴン車「おでかけきららん号」を運行するとともに、民間バス路線への運行費補助を行います。

施策5 快適な環境の確保

次に、「快適な環境の確保」についてであります。 

脱炭素社会の推進に向けた新たな取組として、燕市内での風力等の次世代エネルギーの活用可能性調査を行うとともに、住宅の省エネ化を推進する「住宅エコリフォーム支援事業」や遠隔により調光操作ができ、エネルギー消費量の削減に資するLED照明灯を大規模公園等に設置する「公園等スマートライティング設備整備事業」を実施いたします。

また、市内スーパー等の協力店舗において、買い物時にレジ袋の代わりに指定ごみ袋を1枚からでも購入できるようにし、レジ袋の削減に向けた取組を開始します。

さらに、資源ごみの再資源化を進めるため、事業所等からアルミ缶及びスチール缶を寄附していただき、その売却益を市内保育園などの図書購入費に活用する「カンカンBOOK事業」を引き続き実施してまいります。

基本方針2 快適な都市機能の向上

都市環境の整備の第2の柱は、「快適な都市機能の向上」です。

施策1 まちなか居住と空き家等対策の推進

はじめに、「まちなか居住と空き家等対策の推進」についてであります。 

「空き家跡地活用促進補助事業」では、狭隘道路により、空き家・空き地が増加しているまちなかでの区画整備工事に対し、新たに補助額を加算することでまちなかの再分譲を促進します。

また、空き家の内覧や検討案の相談に加え、DIYが学べる講習会などを行う「まちなか空き家展示相談会」を新たに実施いたします。

さらに、「中心市街地再生モデル事業」では、2021年度に事業採択した団体と共に、2023年度の整備事業実施に向けた計画の作成と、まちなかの活性化を目的としたソフト事業により、地域再生への機運醸成に取り組んでまいります。

空き家展示相談会

施策2 親しみのある公園づくり

次に、「親しみのある公園づくり」についてであります。

公園利用者の安全・安心を確保するため、市内の公園遊具について、法令に基づく遊具の点検を実施し、誰もが安心して利用できる憩いの場を提供いたします。

施策3 人にやさしい道路環境の整備

次に、「人にやさしい道路環境の整備」についてであります。

市街地の渋滞解消のため、「中央通小高線道路改良事業」において用地取得を行うほか、安全な道路環境を整備するため、「市道藤見線」と「市道小高長所線」の拡幅工事に着手し、道路の狭隘部分の解消に取り組んでまいります。

また、老朽化した道路施設について、引き続き、計画的な整備・修繕を行い、適切な維持管理に努めてまいります。

施策4 安全・安心・おいしい水道水の供給

次に、「安全・安心・おいしい水道水の供給」についてであります。

「水道事業広域化基本計画」に基づき、新浄水場整備や送配水管整備を着実に進め、2025年度の供用開始を目指すとともに、石綿セメント管の更新につきましては、2023年度の完全廃止を目指して計画的に進めてまいります。

新浄水場

施策5 適正な汚水処理の推進

次に、「適正な汚水処理の推進」についてであります。 

「燕市汚水処理施設整備構想」に基づき、公共下水道で整備する集合処理区域においては、計画的・効率的な整備を進めるとともに、引き続き、本町排水区における幹線管渠の改修を行います。

また、下水道施設全体を対象に、点検・調査、修繕・改築を一体的に捉えて計画的・効率的に管理するためのストックマネジメント計画の策定に着手します。

さらに、個別処理区域においては、単独処理浄化槽や汲み取り便槽から合併処理浄化槽への転換を促進するための補助事業を引き続き実施いたします。

施策6 新たなまちづくりに向けた取組

次に、「新たなまちづくりに向けた取組」であります。

人口減少、DX、脱炭素、分散型社会、ダイバーシティ、災害の激甚化など大きく変化する社会環境を的確に捉えながら地方創生を推進するとともに、将来にわたって持続可能な市政運営を行うため、2023年度を始期とする「第3次燕市総合計画」を策定いたします。

また、人口減少など社会環境の変化や国・県のインフラ整備の動向、産業分野などでの新たな土地利用ニーズの高まりを踏まえ、未来を見据えたまちづくりの方向性を示すため、新しい「まちづくりマスタープラン」を策定いたします。

戦略5 持続可能な行財政運営の推進

最後に戦略の第5、持続可能な行財政運営の推進についてであります。 

「燕市行政改革推進プラン」が2022年度に終期を迎えることから、持続可能な行財政運営の推進に向けて「第2次燕市行政改革推進プラン」を策定いたします。

また、行政サービスのデジタル化のさらなる推進に向けて、情報統計室を新たに設置し、専門の外部人材を採用することで推進体制を強化するとともに、全国のコンビニ等で各種証明書を取得できるサービスの開始や、軽自動車の納税証明書を電子化するなど、市民サービスの向上を図ってまいります。

さらに、人口減少時代に即した施設保有量の適正化を進める「燕市建物系公共施設保有量適正化計画」が、2022年度に計画前期の最終年度を迎えることから、前期4年間の総括を行います。

併せて、会計年度任用職員について、国から要請のある保育士や幼稚園教諭等に加え、全ての職種において報酬単価を引き上げ、処遇改善を図るほか、今後も見込まれる原材料費等の高騰を考慮した予算措置や、工事等の入札の早期執行に努めます。

むすび

以上、新年度の市政運営の基本方針と主要事業を申し述べてまいりました。

厳しい財政状況ではありますが、産業支援策や消費喚起策を推進し、コロナ禍前の水準に戻すための取組を進めるとともに、地域社会のDXや脱炭素社会を推進し、道の駅国上のリニューアルや全天候型子ども遊戯施設、スケートボード場の整備などにより、新たな人の流れを生み出せるよう、現在の社会課題に積極的に取り組む予算を編成いたしました。

2022年度は、「第3次燕市総合計画」、「まちづくりマスタープラン」、「第2次燕市行政改革推進プラン」といった市政の根幹をなす計画を策定する重要な年となります。

今から100年前、偉大な先人たちは、多くの苦難を乗り越え大河津分水を建設しました。我々もそれに倣い、2022年度を次の100年のスタートの年と位置づけ、先人たちの情熱をつなぎ、新たな成長の礎となるよう未来を見据えた計画づくりに取り組むとともに、大河津分水がもたらした恵みである産業・観光・農業をさらに発展させ、「日本一輝いているまち」として燕市の名が広く知れ渡るよう、各種事業を積極的に展開してまいります。

市民の皆様並びに市議会議員の皆様におかれましては、さらなるご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、2022年度の施政方針とさせていただきます。

 

大河津分水通水100周年ロゴ

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