2020年度施政方針(2020年第1回燕市議会定例会)

更新日:2021年03月01日

2020年3月2日に開会した第1回燕市議会定例会において、鈴木力市長が2020年度施政方針を発表しました。
ここでは、その全文を掲載します。

  • 【お詫び】
  • 【はじめに】
  • 【当初予算案の概要】
  • 【戦略1 定住人口増戦略】
  • 【戦略2 活動人口増戦略】
  • 【戦略3 交流・応援(燕)人口増戦略】
  • 【戦略4 人口増戦略を支える都市環境の整備】
  • 【戦略5 持続可能な行財政運営の推進】
  • 【むすび】

2020年3月2日
第1回燕市議会定例会

2020年度施政方針

燕市長 鈴木 力

お詫び

 はじめに、2月15日に燕・弥彦総合事務組合水道局へ出向している本市の職員が「公契約関係競売入札妨害」の容疑で逮捕された件につきましては、誠に遺憾であり、大変重大で深刻なことと受け止めております。
 市民及び市議会議員の皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けしていることに対し、市長として責任を痛感しております。あらためて心よりお詫び申し上げます。
 再発防止に向け、直ちに全職員に対して「法令遵守の徹底」と「倫理意識の向上」について訓示するとともに、入札や契約の関係部署で組織する庁内検討プロジェクトチームを立ち上げ、入札関係事務の課題などの洗い出しや改善策の検討を進めております。また、私も含め職員の処分につきましては、事実関係が明らかになった時点で、厳正かつ速やかに対処したいと考えております。
 再びこのような事態を起こさぬよう、一層の綱紀粛正と倫理意識の向上、さらには管理体制の強化に努め、一日も早く市民の皆様の信頼を回復できるよう先頭に立って取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

はじめに

 2020年第1回燕市議会定例会にあたり、新年度に臨む私の市政運営の基本方針及び主要事業について申し述べます。

 昨年は、平成から令和となり新たな時代を迎えました。一年を振り返りますと、長年取り組んできたことが花を咲かせ、実を結んだ案件が幾つもありました。
 足掛け7年の取組が実り、東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村の食堂で燕市の金属カトラリーが使用されることが決定しました。
 また、国道116号吉田バイパスについても、長年の粘り強い要望活動の結果、関係各位の多大なるご協力もあり、昨年末、ついに都市計画決定に至りました。
 この他にも、国道289号燕北バイパス朝日大橋の完成、大河津分水に会場を移した燕さくらマラソン大会が大成功、ゴールデンウィーク前にリニューアルオープンした産業史料館も順調に入館者数を増やしています。
 さらに、弥彦村と共同で進めてきた水道事業広域化の取組が、日本水道協会の水道イノベーション賞を受賞するとともに、一昨年の「下町ロケット」、昨年の「グランメゾン東京」と、2年連続でテレビドラマを通じて燕市の魅力を全国に発信する機会を得ることができました。

 2020年度は第2次燕市総合計画の5年目を迎えます。計画の折り返し点を過ぎ、目標達成に向けて重点施策を着実に推進する大切な年となります。
 昨年、総合計画の中間評価を行いました。その結果、「活動人口」や「交流・応援(燕)人口」は順調に増加しているものの、最も重要な「定住人口」については、我々が想定した以上に減少が進んでおり、特に子どもの産まれる数(出生数)の減少が著しい状況にあることが明らかになりました。
 施策の達成状況を表す個別指標でも、「定住人口増戦略」の6割で中間目標値を達成することができませんでした。このため、最終的な目標の達成に向けて、さらなる施策の拡充・強化を図るべく総合計画の見直しを行ったところであります。
 一方で、本市の財政状況は厳しい状況が続いております。2018年度決算の状況は、緊縮型予算編成や事業見直し等により、実質単年度収支は3年ぶりにプラスとなり、財政調整基金残高は約27億2,000万円まで回復しましたが、基金残高が最大となった2015年度末の約40億7,500万円と比較すれば、マイナス約13億5,400万円と大幅に減少しています。
 今後、少子高齢化や人口減少が一層深刻化することが予想される中、現下の地域経済情勢からは大きな税収増は期待できない上、歳入においては、普通交付税が合併算定替から段階的に縮減し、全国的に多発する大規模災害に伴う特別交付税の減少や県の歳入歳出改革に伴う県補助金の減少等も懸念されるほか、歳出においても社会保障関連経費や公債費、老朽化対策等による公共施設の更新費用の増大が見込まれ、本市の財政状況は益々厳しさを増す状況にあります。

 こうした状況を受け、2020年度当初予算は、社会経済情勢の変化等を踏まえた各種事業の検証や見直し等の調整を図り、優先度を踏まえたメリハリのある予算配分を行うとともに、総合計画の中間評価を踏まえ、「3つの人口増戦略」を柱に、(1)出生数の減少幅を抑制するための子育て支援策の拡充・強化、(2)人生100年時代を見据えた健康づくり・重症化予防・介護予防の一体的推進、(3)若者や移住者がまちづくりに参加し始め、高度外国人材の雇用が進みつつあるという新しい風を捉えた地域活性化策の展開を重点的に実施するほか、ふるさと納税の積立金を活用したスポーツ施設の改修などを進める内容といたしました。

当初予算案の概要

 それでは、2020年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。
 初めに予算の規模についてであります。一般会計予算の総額は402億5,600万円、前年度比1.2%、4億8,800万円の減となりますが、歳入と歳出で同額計上している借換債の額を除いた実質的な予算の規模で見ると、342億7,595万円となり、前年度比6.7%、21億6,490万円の増となっています。
 また、実質的な予算と国の2019年度補正予算による繰越事業を合わせた執行ベースでの予算は347億7,622万円で、前年度比5.5%、18億355万円の増となり、実質的予算、執行ベースの予算ともに前年度を上回る予算規模となっています。
 そして、2020年度から公営企業会計に移行する公共下水道事業特別会計を除いた4つの特別会計と一般会計の実質的な予算を合わせた当初予算総額は、513億5万円であり、前年度比で5.1%、25億201万円の増となりました。
 次に、第2次燕市総合計画の戦略体系に沿って、新規・拡充事業を中心に、新年度の主要事業を説明いたします。

戦略1 定住人口増戦略

戦略の第1は、定住人口増戦略であります。
燕市に住みたい、働きたいと思う人を増やすため

  1. 雇用・就労を支える産業の振興
  2. 地域に根ざした教育の推進・子育て支援
  3. 健やかな暮らしを支える医療福祉の充実
  4. 移住・定住の促進を図る各種施策

を総合的に進めます。

基本方針1 雇用・就労を支える産業の振興

定住人口増戦略の1つ目の柱は、「雇用・就労を支える産業の振興」です。

施策1 ものづくり産業の活性化

 はじめに、「ものづくり産業の活性化」についてであります。
 後継者不足などにより消滅・縮小してしまう可能性のある基盤技術について、その技術の承継または内製化を目指す事業者の人材育成事業を支援し、産地産業のサプライチェーンの維持を図ってまいります。
 企業の人手不足対策については、高卒者などの若者や社会復帰を目指す女性の就職を支援する「つばめJOBサポート事業」や、学生インターンシップの受け入れを推進する「つばめ産学協創スクエア事業」を引き続き産業界と共同で展開するほか、近年、大幅に増加している外国人労働者を雇用する事業者への支援策として「外国人材受入環境整備支援事業」を新たに実施いたします。
 また、企業の生産性向上や技術高度化を図るため、「燕市IoT推進ラボ」をプラットフォームに、産学金官によるネットワークづくりを進めながら、IoT活用事例セミナーの開催や共用クラウドの構築・運用を進めてまいります。
 併せて、今夏開催される東京オリンピック・パラリンピックを契機に、国内外に燕ブランドを発信するとともに、地域未来投資促進法の活用などにより産業用地の確保に取り組みます。

柄の細工が美しいおもてなしカトラリー3点の写真

 さらに、市内事業者による揮発性有機化合物の適正な使用管理について、県や業界団体と連携した指導を行うとともに、回収装置の設置改修等に対する補助制度を新設するなど、大気中への排出抑制に取り組んでまいります。

施策2 新たな産業育成・創業の支援

 次に、「新たな産業育成・創業の支援」についてであります。
 事業承継者への金融支援を拡充するとともに、「つばめ創業・事業承継支援事業」として、創業セミナーの開催や創業に係る家賃補助、利子補給、燕市版マイナス金利制度などの政策パッケージによる支援を継続してまいります。
 さらに、昨年「メイド・イン・ツバメ」を執筆した一橋大学名誉教授 関 満博 氏を仲介役に、全国の若手経営者と燕市の若手経営者との交流会を開催し、経済変化に対応できるチャレンジ精神旺盛な経営者のさらなる育成・輩出を図ります。
 なお、次世代産業への育成支援として取り組んできた「燕市医療機器研究会」や「燕市フィギュアスケートブレード開発研究会」は、製品化の目途が立ったことから、量産化・販路開拓の支援へ移行します。
 また、商業の活性化については、移住者や商店街の若手経営者との協働で、「まちなかにぎわい創出懇談会」を開催するほか、商店街の空き店舗等の利活用を促進するための助成制度について、対象物件の範囲を拡充するとともに、引き続き「ツバメルシェ」を開催し、商店街や個店の魅力を発信してまいります。

オレンジ色の壁面に絵を描く人の写真
様々な屋台が立ち並ぶつばめルシェの写真
施策3 変化に対応する農業の振興

 次に、「変化に対応する農業の振興」であります。
 米価変動の影響を受けやすい稲作偏重の経営体質を改善し、農業経営の安定化を図るため、「水田経営力強化推進事業」に、枝豆やたまねぎの作付拡大に対する補助メニューを新設し、園芸作物との複合営農の取組支援を強化してまいります。
 「農産物販路拡大推進事業」では、農業者とともに首都圏での販売促進イベントの実施や商談会へ出展し、農産物の販路開拓を支援するとともに、若手農業者による自主的な直売会の開催や、農商工連携に取り組む異業種グループの活動への支援、インボイス制度説明会の開催などにより、農業者の経営意識を醸成いたします。
 また、農業の担い手不足対策として、「チャレンジ・ファーマー支援事業」において若手への補助率嵩上げを継続し、経営参画を促すとともに、「雇用拡大型法人経営発展支援事業」により、農業法人の後継者確保と経営基盤の強化を併せて進めます。
 加えて、先進技術勉強会やセミナー等を開催し、省力・軽労化が可能なスマート農業技術の導入促進により、農業の持続的発展を図ってまいります。

青空と田んぼと農耕機の写真

基本方針2 地域に根ざした教育の推進・子育て支援

 定住人口増戦略の2つ目の柱は、「地域に根ざした教育の推進・子育て支援」です。

施策1 知・徳・体を育成する教育の推進

 はじめに、「知・徳・体を育成する教育の推進」についてであります。
 確かな学力と「新しい時代を生きるために必要な力」を伸ばすため、「新潟大学教育学部とのパートナーシップ事業」や「中学生学力向上対策プロジェクト」を継続するとともに、「Jack&Bettyプロジェクト」では、新たに「英検チャレンジ教室」を開催し、英語検定に積極的に挑戦したい児童生徒の目標実現を支援してまいります。
 また、「長善館学習塾」、「燕キャプテンミーティング」などの個性を伸ばす教育や「Good Jobつばめ推進事業」、「つばめキッズファーム事業」などのキャリア教育、「燕ジュニア検定」などのふるさと教育を推進し、郷土を愛する心を持ち、人間性豊かで生きる力がみなぎる子どもを育成してまいります。
 さらに、小学校では2020年度からプログラミング教育が必修化となることから、「燕ロボット・プログラミング教室」の開催回数を増やし、論理的思考を発展的に学ぶことのできる機会を提供するとともに、ロボットを各学校に貸し出すことで学習環境の充実を図ります。
 一方、中学校では部活動に技術指導や運営を担う外部人材を活用するほか、「つばくろいきいきスポーツクラブ」の開催種目を増やします。
 また、すべての子どもたちが意欲的に学習できる教育環境を充実するため、国の補助金を活用し、Society5.0時代に向けた校内通信ネットワーク環境を整備するとともに、引き続き、子ども夢基金を財源にICT機器を活用した教育の推進や学校図書の充実を図ってまいります。
 併せて、安全・安心な学習環境を維持するため、粟生津小学校や分水中学校のグラウンドを改修するとともに、学校給食については、きめ細かな食物アレルギー対応や食育の推進に努めてまいります。

施策2 安心して産み育てられる子育て支援

 次に、「安心して産み育てられる子育て支援」についてであります。
 妊娠・出産を望む夫婦への支援として、不妊治療の早期開始につながるよう、夫婦ともに検査を受けていることを条件に、初診日から1年以内の一般不妊治療費助成を10割助成に拡充するとともに、妊娠はするものの流産や死産を繰り返す不育症で悩む夫婦の経済的な負担を軽減し、出産へ結びつけることを目的に、不育症治療助成事業を新たに実施いたします。
 また、子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、妊産婦に係る医療費の全額助成や、高校卒業までの子どもに対する医療費助成を引き続き実施するとともに、乳幼児を持つ保護者を対象に、おむつ用ごみ袋を配布する「育児家庭応援事業」を新たに開始いたします。
 さらに、妊娠から子育てまでのさまざまな相談に総合的かつ一元的に対応するため、子育て支援課に「子どもサポート係」を新設し、わかりやすく、利用しやすい相談支援体制を整備するとともに、子育て支援センター職員等のスキルアップを図り、さまざまな相談に対応できる「子育てコンシェルジュ」を育成してまいります。
 また、予防接種などのお知らせ発信機能や子どもの成長記録、妊婦の健康管理機能を備えたスマートフォン向けの「子育てアプリ」を新たに導入するとともに、「すこやか家族応援情報ページ」のデザインを変更することで、子育て世代への情報発信ツールの機能強化を図ります。
 加えて、燕こども園に0歳児室を新設し未満児保育の拡充を図るとともに、粟生津保育園の大規模改修工事を行い、保育環境の改善を図ってまいります。
 引き続き、「病児・病後児保育運営事業」に取り組むとともに、「ファミリー・サポート・センター」について、所得に応じた利用料の減免を始めるほか、燕南小学校区において、なかまの会の児童クラブ化を進めてまいります。
 併せて、社会全体で子育て家庭を応援する仕組みを構築するため、妊婦及び中学生以下の子どもを持つ保護者を対象に、市内の協賛店において、割引や特典を受けることができる「つばめ子育て応援カード事業」の開始に向けて準備を進めてまいります。

基本方針3 健やかな暮らしを支える医療福祉の充実

 定住人口増戦略の3つ目の柱は、「健やかな暮らしを支える医療福祉の充実」です。

施策1 医療サービスの機能強化

 はじめに、「医療サービスの機能強化」についてであります。
 国民健康保険の事業運営においては、これまで効果実績を積み上げてきたジェネリック医薬品の普及促進、生活習慣病の重症化予防、残薬・ポリファーマシー対策等の事業をはじめとした「医療費適正化事業」を重点的に推進しながら、健全かつ安定的な財政運営に努めてまいります。
 また、県央医療圏における救急医療体制の整備と地域完結型医療の推進に向け、県央基幹病院の早期開院と県立吉田病院の改築を、引き続き県に要望してまいります。

施策2 地域で支える高齢者福祉

 次に、「地域で支える高齢者福祉」についてであります。
 人生100年時代を見据え、高齢者の健康増進を図り、できる限り健やかに過ごせる社会の実現に向け、新たに、健康づくり・重症化予防・介護予防を一体的に取り組む「人生100年時代の健康サポート事業」を、新潟県後期高齢者医療広域連合及び新潟県国民健康保険団体連合会との連携により開始いたします。
 高齢者の健康福祉増進と介護保険事業の円滑な実施のため、「燕市高齢者保健福祉計画」「第8期介護保険事業計画」を策定するとともに、高齢者が住み慣れた地域で安心・快適に生活できるよう、地域で支え合う地域包括ケアシステムの構築に引き続き取り組んでまいります。
 また、地域の支え合いを推進するため、生活支援コーディネーターを中心に「支え合い活動推進会議」を開催するとともに、地域の元気な高齢者が活躍する場や通いの場を提供し、社会参加を促しながら介護予防の強化に取り組みます。
 さらに、介護資格取得のための研修費用助成事業と、介護業務に精勤する若手職員を表彰する「次世代を担うキャリアテン介護職員等表彰」を引き続き実施し、やりがいの高揚を図りながら介護人材の確保・定着化を図ってまいります。

施策3 障がいのある人への切れ目のない支援

 次に、「障がいのある人への切れ目のない支援」についてであります。
 障がいのある人やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていける社会の実現を目指し、課題克服に向けた施策の具体化のため、「燕市障がい者基本計画」「第6期燕市障がい福祉計画」「第2期燕市障がい児福祉計画」を策定します。
 引き続き、障がい者基幹相談支援センターにおいて、相談支援専門員の確保と資質の向上を図り、同センターと相談支援事業所が有効に機能発揮できる体制の充実を図るとともに、「障がい児通所支援費支給事業」では、児童発達支援や放課後等デイサービスでの訓練等を通して、障がい児の生活能力の向上が図れるよう、個々の特性にあったサービスの提供に努めてまいります。
 また、3年目となる「農福連携促進事業」において、ウェブサイトでの情報提供の充実を図ることで農業事業者と福祉事業所のマッチング支援を強化するなど、引き続き、障がいのある人の就労の機会と工賃の確保に向けた取組を進めながら、一般就労への移行や就労定着化に努めます。
 さらに、「燕市手話言語の普及等の推進に関する条例」の趣旨を踏まえ、手話の普及やろう者への理解を促進するため、新たに手話出前講座を実施いたします。

基本方針4 移住・定住の促進

 次に、定住人口増戦略の4つ目の柱である「移住・定住の促進」についてです。

施策1 移住・定住希望者へのサポート強化

燕市に移住する人を増やすため、引き続きSNSを活用した動画配信や移住・定住関連のウェブサイトへの広告掲載を行うとともに、首都圏で開催される移住イベントなどでのプロモーション活動を積極的に行ってまいります。
 引き続き、移住希望者向けに、市内の企業や子育て支援施設などを巡る「ツバメビト移住ツアー」を実施し、県外からの参加者に対しては交通費の一部を補助することで、燕市へ足を運んでもらう機会を創出してまいります。
 また、県外U・Iターン者及び転入する新婚世帯を対象とした家賃補助や東京圏からの移住者を対象とした移住支援金支給を継続するほか、「移住家族支援事業」については、年齢制限の撤廃により対象者を拡大するとともに、新婚世帯等への加算額を引き上げることで、さらなる燕市への移住・定住化を図ってまいります。

資料を手に説明を行う女性の写真
カメラに向かってポーズをとり記念撮影する人たちの写真

戦略2 活動人口増戦略

戦略の第2は、活動人口増戦略であります。

  1. 市民が主役の健康づくり・生きがいづくり、
  2. 支え合い・助け合い活動の活発化、
  3. 若者・女性の力を活かしたまちづくり

を進めながら、地域社会の中でキラキラ輝く人を増やしてまいります。

基本方針1 市民が主役の健康づくり・生きがいづくり

 活動人口増戦略の最初の柱は、「市民が主役の健康づくり・生きがいづくり」です。

施策1 元気を磨く健康づくり

 はじめに、「元気を磨く健康づくり」についてであります。
 健康づくりマイストーリー運動「つばめ元気かがやきポイント事業」では、人生100年時代を見据えた健康寿命延伸に向け、介護予防の視点を強化し、健康づくりと介護予防の一体的な実施を図ってまいります。
 各種がん検診においては、検診委託料が増加傾向にあることや、若年層の検診受診率が低いなどの現状から、国の指針も踏まえ、進展する高齢化に対応しつつ若い年代も受けやすいがん検診体制や料金体系へ見直すこととし、市民への制度周知及び検診受診率向上に向けた啓発を図ってまいります。
 また、国の予防接種法に基づき、妊婦への感染予防と風しん流行の終息を目的に、41歳から58歳の男性を対象とした風しん予防接種事業を引き続き実施いたします。

施策2 健全な心と体を支えるスポーツの推進

 次に、「健全な心と体を支えるスポーツの推進」であります。
 昨年リニューアルして開催した「燕さくらマラソン大会」では、前回大会での課題を解消し、参加者の増加や地域の活性化、活動・交流人口の拡大を図ってまいります。
 また、「ホストタウン推進事業」では、聖火リレーのミニセレブレーションやパラリンピック聖火フェスティバルの採火式を行うとともに、パラリンピックアーチェリー競技への出場が決まっているモンゴル国選手団の事前合宿の受け入れや、小中学生とパラアスリートによる体験型授業などにより、市民と一体となった気運の醸成を進めてまいります。
 さらに、吉田野球場ナイター照明の改修工事やスポーツランド燕野球場のフェンス等の改修工事など、ふるさと納税の積立金等を活用したスポーツ施設の改修を行います。

施策3 心豊かな生涯学習・文化活動の充実

 次に、「心豊かな生涯学習・文化活動の充実」についてであります。
 郷土の宝を保護・活用するため、名誉市民 横山 操の生誕100周年を記念した展覧会を産業史料館で開催するほか、長善館史料館では、筑波大学との連携による歴代館主の日記解読作業を進め、その成果を解説した書籍を作成するとともに、長善館の功績を伝える資料の常設展示と企画展を実施します。
 また、文化会館自主事業では、つばめ音楽文化祭など市民参加型の成果発表会に加え、市内小学校合同演劇鑑賞会や有名アーティストによる公演及びファミリーミュージカルを開催し、幅広い世代に対して舞台芸術等を提供いたします。
 さらに、吉田図書館において、空調設備の更新などを行い、利用者が安心して快適に利用できる環境を提供していきます。

基本方針2 支え合い・助け合い活動の活発化

 活動人口増戦略の2つ目の柱は、「支え合い・助け合い活動の活発化」であります。

施策1 支え合いの地域福祉

 はじめに、「支え合いの地域福祉」であります。
 住民主体による介護予防・日常生活支援事業において、補助対象事業に交通弱者に対する移送・送迎を追加し拡充を図ります。
 また、生活困窮世帯等への包括的な支援体制の整備を進めることで、「経済的困窮」からの自立支援を行うとともに、家族・地域・職場などにおけるつながりの希薄化が招く「社会的孤立」に対しても支援を行ってまいります。
 子どもの貧困対策では、保護者の複雑・多様化する悩みごとに対応する相談体制の充実を図るため、弁護士による相談会を開催するとともに、子ども食堂など子どもの居場所を提供する団体に対して助成金を交付し、安定した運営が継続できるよう支援いたします。
 また、高等職業訓練促進給付金制度を活用した資格取得者を対象に、キャリアスタート支援給付金を支給し、ひとり親家庭の生活負担の軽減を図ってまいります。

施策2 市民協働のまちづくり

 次に、「市民協働のまちづくり」についてであります。
 まちづくり協議会や市民団体の活動の活性化を図るため、「イキイキまちづくり事業助成金」等による事業費助成を行うとともに、情報提供や相談対応などの支援を引き続き行ってまいります。

スクリーンを使って説明を行っているセミナーの写真

 また、多文化共生の推進として、外国人と市民が共に安心して暮らせる環境づくりを進めるため、市内で暮らす外国人同士や地域住民との情報交換等を行う交流会を、燕市国際交流協会と連携して開催するとともに、外国人に向けて、生活に必要な行政サービスを集約したガイドブックを多言語化しウェブページ配信いたします。
 さらに、外国人の円滑な転出入手続きを行うため、市民課窓口への音声翻訳タブレット端末を導入するとともに、外国人の園児や児童生徒との円滑なコミュニケーションをサポートするため、外国語通訳を保育園や学校に派遣いたします。

基本方針3 若者・女性の力を活かしたまちづくり

 活動人口増戦略の3つ目の柱は、「若者・女性の力を活かしたまちづくり」です。

施策1 若者の活動の活発化

 はじめに、「若者の活動の活発化」についてであります。
 「つばめ若者会議・燕(エン)ジョイ活動部」の新たなプロジェクトとして「燕市役所まちあそび部」を立ち上げ、高校生を中心とした若者が、まちをフィールドに試行錯誤しながら楽しく活動する「まちあそび」を通して、地域とのつながりや郷土への愛着の醸成を図っていきます。

商店街のベンチに腰掛け記念撮影する人たちの写真
訪れた人たちに笑顔で話しかける女性の写真
施策2 女性が活躍しやすい環境づくり

 次に、「女性が活躍しやすい環境づくり」についてであります。
 仕事と子育てが両立できる職場環境づくりに積極的に取り組む企業を「つばめ子育て応援企業」として認定し、男性の育児休業取得促進奨励金の交付などで支援する「つばめ子育て企業サポート事業」を新たに実施いたします。
 また、「第3次燕市男女共同参画推進プラン」に基づき、意識醸成を図る講座を開催するほか、「女性が輝くつばめプロジェクト」では、引き続きつばめ輝く女性表彰を実施するとともに、若手社員を対象とした人生設計とキャリアプランを考えてもらうセミナーの開催や「活働☆つばめこまち応援隊」と連携した取組などにより、女性が輝いて活躍しやすい環境づくりを進めてまいります。

資料を見ながら会議をしている女性たちの写真

戦略3 交流・応援(燕)人口増戦略

戦略の第3は、交流・応援(燕)人口増戦略であります。

燕市を訪れたい・応援したいと思う人を増やすため、

  1. 観光の振興、
  2. 都市間交流の推進、
  3. 燕市のファンづくり

に取り組んでまいります。

基本方針1 観光の振興

 交流・応援(燕)人口増戦略の1つ目の柱は、「観光の振興」です。

施策1 着地型観光の振興

 産業観光視察の受入数や外国人観光客入込数が増加している状況を好機と捉え、商工振興課観光振興室を観光振興課に格上げし、燕市観光協会との連携を強化しながら、分水おいらん道中や酒呑童子行列などの各種イベントの充実、ボランティアガイドへの活動支援、外国語を話せる観光ナビゲーターの活用などにより、着地型観光のさらなる推進に取り組んでまいります。
 併せて、本市産業観光の拠点施設として昨年リニューアルオープンした産業史料館では、一周年記念イベントを開催するとともに、ものづくり体験メニューの拡充や魅力的な企画展を開催するなど、入館者数の増加を図ります。

産業史料館に面したスペースで食事を楽しむ人たちの写真
ライトアップされた展示物の写真

 自然観光の拠点として親しまれている国上山については、安全で快適なトレッキングが楽しめるよう、引き続き遊歩道や案内看板などの整備を行います。
 また、燕・弥彦広域観光連携会議では、首都圏はもちろん、台湾をターゲットに観光プロモーションを実施するほか、燕三条駅と弥彦温泉を結ぶ2次交通である観光タクシーに新たなコースを加えることで、利用者の利便性向上を図り、燕・弥彦地域への更なる誘客促進に努めてまいります。
 さらに、2年後の大河津分水通水100周年に向けたインフラツーリズムの推進や、金属加工品の産地同士が連携した観光プロモーションなど、広域に連携する観光プロモーション活動も実施してまいります。

基本方針2 都市間交流の推進

 交流・応援(燕)人口増戦略の2つ目の柱は、「都市間交流の推進」であります。

施策1 都市交流・広域連携の推進

 災害時相互応援協定を締結している南魚沼市、南相馬市、南陽市との交流については、平常時でのつながりを深めつつ本市地場産品のPRを図るため、観光物産イベントへの出展を継続します。
 東京ヤクルトスワローズとの縁で始まった松山市、浦添市、西都市については、毎年開催される少年野球交流大会などを通して交流を深めてまいります。
 また、定住自立圏を形成する弥彦村とは、「第2期燕・弥彦地域定住自立圏共生ビジョン」に基づき、公共交通、観光面を中心に、さらなる連携を進めます。

基本方針3 燕市のファンづくり

 交流・応援(燕)人口増戦略の3つ目の柱は、「燕市のファンづくり」です。

施策1 イメージアップ・ふるさと応援

 引き続き「ふるさと燕応援事業」により、品質の高いお礼の品を通じて本市の魅力を全国にPRするとともに、「自治体クラウドファンディング事業」では、寄附目的にスポーツ施設の整備のほか子ども夢基金を活用した教育事業の充実を加え、さらなる応援(燕)人口の拡大を図ってまいります。
 「イメージアップ燕推進事業」では、「燕市PR大使」の協力を得て全国に本市の魅力を発信するとともに、東京ヤクルトスワローズとの連携事業を通じて関係人口の拡大を図ってまいります。

スケッチブックに文字を書いてコミュニケーションをとるつば九朗の写真

 また、テレビドラマ「下町ロケット」や「グランメゾン東京」がもたらす本市のイメージアップ効果が絶大であったことから、引き続き、各種メディアを活用して燕市の魅力を全国へ効果的・戦略的に情報発信していく「シティプロモーション事業」を展開してまいります。

テーブルにグラス、食器、カトラリーが並んでいる写真

 さらに、燕市公式ウェブサイトのデザインの全面的リニューアルと内容の充実を図り、市民はもちろん市外の人にとっても、必要としている情報に素早くたどり着けるとともに、燕市のイメージが向上するようなウェブサイトの構築を目指します。

戦略4 人口増戦略を支える都市環境の整備

戦略の第4は、3つの人口増戦略を支える都市環境の整備であります。

  1. 安全・安心機能の向上、
  2. 快適な都市機能の向上

の2つの方針に基づき取り組んでまいります。

基本方針1 安全・安心機能の向上

 都市環境整備の第1の柱は、「安全・安心機能の向上」です。

施策1 災害に強いまちづくり

 はじめに、「災害に強いまちづくり」についてであります。
 防災情報の伝達手段として必要不可欠な防災行政無線設備が老朽化していることから設備の更新を行うとともに、計画的に指定避難所への備蓄品の配備を行うほか、2019年台風19号の経験を踏まえて避難所運営の課題を検証し、マニュアルの更新など必要な改善を行ってまいります。
 また、自主防災組織の育成・支援では、防災資機材を柔軟に整備できるよう補助制度を見直すとともに、防災活動が不十分な自主防災組織を対象に研修会を実施するほか、総合防災訓練への参加を促すなど、地域防災活動の一層の推進に取り組みます。
 防災教育の推進については、防災キャラバンを小学校に続き市内の全中学校で行い、生徒たちの防災意識を高め、地域と連携した防災活動につなげてまいります。
 さらに、現在、河川区域内にある産業史料館及び社会福祉協議会施設の洪水被害防止を図るため、河川区域内の市道を新堤防道路として整備する事業を継続します。

体育館で赤白帽子を被って座る児童たちの写真
施策2 防犯・消費者保護対策の推進

 次に、「防犯・消費者保護対策の推進」についてであります。
 引き続き、地域で設置する防犯カメラの設置費用を補助するとともに、警察などの関係機関と連携して、安全で安心なまちづくりの実現を目指してまいります。
 また、架空請求をはじめ増加する高齢者の消費者トラブルや、インターネット関連など複雑化・多様化する消費生活相談にきめ細かく対応するため、相談窓口体制の充実と未然防止のための周知活動に一層取り組んでまいります。

施策3 交通安全の推進

 次に、「交通安全の推進」についてであります。
 引き続き、「高齢者運転免許自主返納」への支援を行うとともに、警察署及び交通安全協会と連携した街頭指導や、包括連携協定を締結した損害保険会社と連携した交通安全教室などを通じて、交通安全意識の啓発と交通事故防止に努めます。
 また、保育園児の散歩経路などの安全対策として、新たに対象6路線について防護柵の設置や外側線の引き直しなどを実施するとともに、通学路の安全確保のため、灰方幹線他歩道整備事業の第2期区間の用地取得に着手するほか、緊急対策踏切改善にも取り組んでまいります。

施策4 公共交通の整備

 次に、「公共交通の整備」についてであります。
 民間バス路線への運行費補助を行うとともに、循環バス「スワロー号」や弥彦村と共同で運行する「やひこ号」、予約制乗合ワゴン車「おでかけきららん号」の運行を引き続き実施してまいります。
 また、「燕・弥彦地域公共交通網形成計画」に基づいて、利便性の高い公共交通ネットワークの形成に向け、人口の集中度が高い燕地区においてコミュニティバスの新規路線の開設に向けた社会実験を行い、利用状況を調査いたします。

循環バス「スワロー号」に乗る人の写真
循環バス「きららん号」に乗る人の写真
施策5 快適な環境の確保

 次に、「快適な環境の確保」についてであります。
 「クリーンアップ選手権大会」や「ふれあいフォーラム」など環境啓発イベントの開催や広報等を通じて地球温暖化や身近な環境問題について考える機会を提供し、事業所・家庭でのゴミの減量化、適正処理の浸透に取り組んでまいります。

大量のビニール袋を置き、その後ろで記念撮影する人たちの写真

 また、順調に進捗している「福服BOOK事業」では、古着や靴などのほかにシーツやタオルなどの布製品を回収品目に追加し、「カンカンBOOK事業」とともに引き続き実施してまいります。

子供たちに絵本を読み聞かせている女性の写真

 さらに、新たに「燕市食品ロス削減推進計画」を策定し、食品ロスの削減に向けた取組を進めてまいります。

基本方針2 快適な都市機能の向上

 都市環境の整備の第2の柱は、「快適な都市機能の向上」です。

施策1 まちなか居住と空き家等対策の推進

 はじめに、「まちなか居住と空き家等対策の推進」についてであります。
 引き続き、「定住家族支援事業」などを通じて、まちなか居住を促すとともに、年々拡大する空き家等の課題に対処するため、継続的な実態調査の実施と専門家の関係団体で構成する「空き家等対策連絡協議会」において、総合相談会やセミナーを開催するなど、相談支援体制の充実に努めてまいります。
 また、「農地付き空き家」を加えた空き家・空き地活用バンク事業では、利活用を希望する人とのマッチングをさらに促進するとともに、周囲に悪影響を及ぼす特定空き家については事業費助成も行いながら解体撤去を指導してまいります。

植物に囲まれた空き家の写真
雑草の生えた空き地の写真
施策2 親しみのある公園づくり

 次に、「親しみのある公園づくり」についてであります。
 燕市交通公園において、利用者の利便性向上と安全確保を図るため、園路整備とゴーカートコースの改修を行うとともに、市内の公園遊具について、法令化された維持修繕基準に基づく点検を確実に実施し、誰もが安全で安心して利用できる憩いの場として管理を徹底いたします。

施策3 人にやさしい道路環境の整備

 次に、「人にやさしい道路環境の整備」についてであります。
 老朽化した道路施設については、引き続き計画的な整備・修繕を行い、適正な維持管理に努めてまいります。
 また、分水地区市街地と国道116号を結ぶ分水中央通り線の渋滞解消のために笈ケ島大通川線他の拡幅工事に着手するほか、踏切歩行者の安全確保のためのカラー舗装工事や、高速道路案内をわかりやすくするための案内標識板の改修を行います。

施策4 安全・安心・おいしい水道水の供給

 次に、「安全・安心・おいしい水道水の供給」についてであります。
 昨年4月から燕・弥彦総合事務組合で弥彦村との共同運営を開始した水道事業は、水道事業広域化基本計画に基づき、新浄水場整備事業では、建設用地の造成工事を進めるとともに、設計・施工・維持管理を一括して発注するDBO方式による事業者を決定し、また、送配水管整備事業では布設工事に着手いたします。
 加えて、新浄水場供用開始までに石綿セメント管の完全廃止を目指して、老朽配水管の更新を計画的に進めてまいります。

施策5 適正な汚水処理の推進

 次に、「適正な汚水処理の推進」についてであります。
 「燕市汚水処理施設整備構想」に基づき、公共下水道で整備する集合処理区域においては、計画的・効率的な整備を進めるとともに、引き続き本町排水区における幹線管渠の改修を行ってまいります。
 また、合併処理浄化槽で整備する個別処理区域においては、単独処理浄化槽や汲み取り式トイレから合併処理浄化槽への転換を促進するための補助制度を継続します。
 なお、稼働から24年が経過している衛生センターについて、今後のし尿処理施設の整備方針や長期的・包括的な民間委託などの運営方式の検討に着手いたします。

施策6 新たなまちづくりに向けた取組

 次に、「新たなまちづくりに向けた取組」についてであります。
 燕市都市計画マスタープランの策定から10年が経過し、現在進んでいる国・県のインフラ整備や産業用地の需要の高まり、県央医療圏における病院再編などにより、都市の将来像が大きく変わろうとしています。
 ついては、未来を見据えた燕市のまちづくりの方向性を描き直すため、新たなまちづくりマスタープランの策定に前倒しで着手いたします。
 また、昨年末に都市計画決定された国道116号吉田バイパスにつきましては、各種関係機関や団体等と連携し、引き続き官民一体で早期事業化を国や県に強く働きかけてまいります。

戦略5 持続可能な行財政運営の推進

 最後に戦略の第5、持続可能な行財政運営の推進についてであります。
 予算編成にあたり、今回も事業の費用対効果、事務事業の効率化、サービス水準や受益者負担の適正化の観点から、56項目約8,577万円の事業見直しを行いました。
 また、「建物系公共施設保有量適正化計画」の具体化を図るため、第二福祉の家など個別計画を策定した施設について、廃止に向けた地元との協議や利用者への周知を開始するほか、統廃合対象の他の施設についても個別計画の策定を順次進めます。
 さらに、社会教育施設の使用料に続き、吉田産業会館など他の公共施設の使用料等についても、公平な受益者負担の観点から見直しを検討してまいります。
 併せて、定型的なパソコン操作を自動化するRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)を導入し業務の効率化を図るとともに、毎月第4土曜日も市民課の時間外窓口を開設するなど市民サービスの向上にも努めてまいります。

むすび

 以上、新年度の市政運営の基本方針と主要事業を申し述べてまいりました。厳しい財政状況の下、行財政改革を着実に進めながら、深刻さを増す人口減少への対応という重要課題に正面から立ち向かうメリハリの効いた予算としたところであります。
 なお、新型コロナウイルスの関係で、只今申し述べてきたイベント等の開催に変更を余儀なくされる場合も想定されますことを予めご了承願いたいと存じます。
 結びに、1月1日号の広報つばめの座談会特集で紹介しましたが、市外から移住してきた人たちが燕市に新しい風を吹き込んでくれています。そして、つばめ若者会議のメンバーが、この移住者と一緒になってまちづくりに取り組む流れが出てきました。
 また、産学協創スクエアには年間約300人の学生が訪れ、受入企業に好影響を与えるだけでなく、地域の商店街にも賑わいをもたらし始めています。
 さらに、第96回箱根駅伝では、燕市出身の1年生・岸本大紀選手の疾風のごとき快走が、青山学院大学に総合優勝を呼び込みました。
 かの良寛様が凧揚げをする子どもにせがまれて「天上大風」と書き上げたという逸話があります。今、燕市の天上には大きな風とまでは言いませんが、確かなる新しい風が吹き始めていると私は感じています。
 「天上新風」。この新しい風をしっかり捉まえて、「日本一輝いているまち」の実現に向けて、燕市を羽ばたき続けさせたいと考えております。
 2年連続のテレビドラマを通じて燕市の存在感は格段に高まりました。さらに東京オリンピック・パラリンピックにおいて、各国の選手が「メイド・イン・ツバメ」と刻印された金属カトラリーを手にすることで、燕市の名声が大きく世界中に広がっていくことも期待できるでしょう。
 市民の皆様並びに市議会議員の皆様におかれましては、更なるご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、2020年度の施政方針とさせていただきます。

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