2017年度施政方針(2017年第1回燕市議会定例会)

更新日:2021年03月01日

2017年3月7日に開会した第1回燕市議会定例会において、鈴木力市長が2017年度施政方針を発表しました。
ここでは、その全文を掲載します。

  • 【はじめに】
  • 【戦略1 定住人口増戦略】
  • 【戦略2 活動人口増戦略】
  • 【戦略3 交流・応援(燕)人口増戦略】
  • 【戦略4 人口増戦略を支える都市環境の整備】
  • 【持続可能な行財政運営】
  • 【むすび】

2017年3月7日
第1回燕市議会定例会

2017年度施政方針

燕市長 鈴木 力

はじめに

2017年第1回燕市議会定例会にあたり、新年度に臨む私の市政運営の基本方針並びに主要事業について申し述べます。

昨年は、日本の未来に向けて夢や希望を与える明るい話題が多くありました。
ブラジルで行われたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでは、日本選手の活躍に私たちは大きな感動を覚えました。3年後に迫る東京オリンピック・パラリンピックでのさらなる活躍に期待で夢が膨らみます。

また、日本人のノーベル賞受賞につきましても、東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏がノーベル生理学・医学賞を受賞し、2014年から3年連続受賞という偉業を成し遂げました。
未来を担う子どもたちにとりまして、こうした世界の中での日本人の活躍が夢や目標に大きく繋がっていくものと思います。

その一方で、4月に発生した熊本地震、12月に発生した糸魚川大火など、大規模な災害が発生し、自然の脅威と日頃からの災害への備えの大切さを再認識した年でもありました。

現在、人口減少問題に対し国と地方が連携して地方創生に取り組んでおりますが、2015年国勢調査の確定値によれば、我が国の総人口は1920年の調査開始以来、初めて減少に転じ、人口減少問題が現実のものとなり、将来的に経済規模の縮小や地方自治体の衰退が危惧されるところであります。

こうした状況の中、本市では「定住人口」「活動人口」「交流・応援(燕)人口」の3つの人口増戦略とそれを支える都市環境の整備を4本柱とした「第2次燕市総合計画」を昨年3月に策定し、他に先駆けて人口減少対策に取り組んでまいりました。
この総合計画の2年目となる2017年度は、地方創生の取り組みをさらに深化させる重要な年度となります。
そのため、特に人口の自然増を目指しての不妊治療費助成や産後ケア等の出産・子育て支援の充実、人口の社会増を目指しての企業と学生等のマッチング支援や次世代経営人材の育成、活動・交流人口増を目指しての地域特性を活かしたスポーツ交流の拠点化などの事業に対し、重点的に予算配分を行いました。

それでは、2017年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。
一般会計予算案の総額は、382億1,100万円であります。
2016年度と比較して1.0%、4億300万円の減額となり、合併後3番目の予算規模となりますが、歳入と歳出で同額計上している借換債の額を除いた実質的な予算規模で見ますと、317億4,304万円であり、前年度と比較して8.3%、28億9,109万円の減額となっております。
この予算規模の縮小につきましては、後ほど申し上げます国の2016年度補正予算を活用し、2017年度に予定していた大規模事業を前倒ししたことが起因しております。
一般会計と5つの特別会計を合わせた当初予算総額は、599億4,230万円であり、対前年度比で1.6%、9億7,876万円の減額となっております。

また、国では「未来への投資を実現させる経済対策」関連予算として、2016年度補正予算(第2号)が昨年10月に成立しました。
燕市におきましても、国の補正予算の財源を活用し、「東部学校給食センター建設事業」や「吉田北小学校大規模改造事業」を前倒しで実施するなど、2017年度に繰り越して実施する関係事業費が34億7,804万円となる、2016年度一般会計補正予算を編成させていただきました。
2017年度当初予算に、この2016年度補正予算を合わせた実質的な予算規模は前年度を上回る規模となり、これらの予算を合わせて一体的に施策を展開していくことで、地方創生の深化に向けた人口増戦略のさらなる推進を図ってまいります。

次に、第2次総合計画の戦略体系に沿って、新年度の主要事業について述べさせていただきます。

戦略1 定住人口増戦略

戦略の第1は、定住人口増戦略であります。

燕市に住みたい、働きたいと思う人を増やすために、

  1. 雇用・就労を支える産業の振興、
  2. 地域に根ざした教育の推進と子育て支援、
  3. 健やかな暮らしを支える医療福祉の充実、
  4. 移住・定住の促進

という4つの基本方針に則り、各種施策を総合的に進めてまいります。

基本方針1 雇用・就労を支える産業の振興

定住人口増戦略の1つ目の柱は、「雇用・就労を支える産業の振興」です。

施策1 ものづくり産業の活性化

はじめに、「ものづくり産業の活性化」についてであります。

国の地方創生推進交付金を最大限に活用し、ものづくり産業における新たな販路開拓のための仕掛けや、次世代の産地形成に向けた取り組みを展開し、地域企業を多方面から支援いたします。
「つばめ東京オリンピック・パラリンピックプロジェクト」を引き続き展開し、都内で燕のカトラリーを使っていただく取り組みをはじめ、国内外に広く燕製品をPRし、産地産業のさらなるブランド化を推進してまいります。

また、高付加価値化を目的とした新商品・新技術開発への補助制度を継続するとともに、地域企業の海外見本市における出展費用の補助を行うなど、国内外での販路開拓を支援します。

さらに、産地の保有技術を後世に残すための技能継承研修を産業界とともに実施していくほか、地域版の品質管理システム「TSO」の認証事業所の拡大を進めていきます。

新規事業としては、UIターン就労や創業の促進、人材育成を図るため、学生が地域企業と交流でき、また効果的なインターンシップの受入を推進できる仕組みを産業界などと構築する「つばめ産学協創スクエア事業」を実施します。

さらには、「ネクストリーダーズ事業」として、新たな経営戦略を組み立てていくことのできる次世代経営人材の育成にも取り組んでまいります。
若手クリエーターなどの優れたアイデアと地域企業とのマッチングにより商品化を目指す「若monoアイデアコンペティション事業」を実施し、付加価値の高い新たな商品を生み出す流れを創出いたします。

また、企業誘致につきましては、農振除外など長年の懸案となっている土地利用上の課題解決に向けて研究を進めるとともに、既存の企業立地促進補助金などの見直しや小池工業団地において一部適地の拡張・整備を行うなど、既存の工業団地内の低・未利用地の有効活用策を講じてまいります。

ナイフ、フォーク、スプーンなどの食器が並んでいる写真

施策2 新たな産業育成・創業の支援

次に、「新たな産業育成・創業の支援」についてであります。

地域金融機関との共同による創業講座の開催や創業支援資金利子補給制度を継続するとともに、市内の空き店舗等を活用する場合の賃借料補助制度の新設や市WEBサイトのバナー広告に創業者枠を設けるなど創業支援策を拡充します。

また、引き続きエンジニア、クリエーター、学生などが持つ技術やアイデアで新たなサービスや商品を開発する「TSUBAME HACK!」などの共創型イベントを市内や首都圏で開催します。

さらに、「ツバメルシェ」の開催により、個店の魅力や商品・サービスなどをPRするとともに、「つばめ金属製品応援宣言」や「ふるさと納税制度」、「燕青空即売会」の開催等を通じ、金属製品や農産品などのPRを積極的に行い、市内商業・卸売業の振興を図ってまいります。

施策3 変化に対応する農業の振興

次に、「変化に対応する農業の振興」についてであります。

「チャレンジ・ファーマー支援事業」については、「環境保全・土づくり」や「高度水田管理」の取り組みへの支援を引き続き実施していくとともに、「農力アップ」については、新たに若手農業者枠を設けて意欲ある若者への支援を拡充します。

また、若手農業者ネットワーク支援事業と女性農業者活性化支援事業を統合し「若手農業者ステップアップ事業」として異業種との交流やマーケティング等を学ぶ機会を提供することにより、販売力強化や販路拡大、農産物の高付加価値化等、総合的に農業経営の向上を目指す若手農業者を支援します。

米の需給調整については、主食用米以外の作物への転換を継続するとともに、「ふるさと納税」と連携した「飛燕舞」、東京ヤクルトスワローズと連携した「つば九郎米」を牽引役に、販路拡大に引き続き取り組みます。

さらには、燕産農産物を使用した付加価値の高い加工品等の創出、生産、販売等を目指し、農商工が融合した新たなビジネスチャンスへの取り組みを促進するため、商工業者と連携して農業所得の向上を目指す、意欲ある農業者を支援する「農商工連携ビジネス創出支援事業」を新たに実施してまいります。

商品が並んだテーブルと、エプロンを着て笑顔のスタッフたちの写真

基本方針2 地域に根ざした教育の推進・子育て支援

定住人口増戦略の2つ目の柱は、「地域に根ざした教育の推進と子育て支援」です。

施策1 知・徳・体を育成する教育の推進

はじめに、「知・徳・体を育成する教育の推進」についてであります。

燕市の未来を担う子どもたちを育むためには、確かな学力の修得とグローバルな人材育成が重要です。
「新潟大学教育学部とのパートナーシップ事業」や「中学生学力向上対策プロジェクト」を継続するとともに、燕市独自のユニークな英語教育推進事業「Jack & Betty教室」では、対象学年を小学5年生以上から小学4年生以上に拡充し、さらなる英語力の向上を目指します。

また、子どもたちが自ら意欲的に学べる環境を整えるため、新年度もICT機器を活用した教育の推進や「ふるさと納税」の寄附金を財源として学校図書館の蔵書充実に取り組みます。

キャリア教育の推進においては、「つばめキッズファーム事業」を引き続き子ども夢基金を活用して実施するとともに、「Good Jobつばめ推進事業」については、体験日数を拡充して実施します。

さらに、「長善館学習塾」や「燕キャプテンミーティング」についても事業の充実を図りながら、子どもたちがたくましく未来を切り拓いていく力を育むほか、小学生から20歳までを対象に、自らの夢の実現や社会貢献活動を支援する「羽ばたけつばくろ応援事業」を、引き続き子ども夢基金を活用して実施します。

一方で、なかなか学校になじめない子どもたちへの支援も充実を図ります。
不登校をはじめとする様々な課題に対応するため、スクールソーシャルワーカーの派遣日数を増やすほか、児童・生徒、保護者、学校の間を円滑に結びながら、今まで別々で行っていた不登校と若者のニート・ひきこもりの相談体制を一本化することにより、中学校卒業後も継続した支援を行ってまいります。

また、「地域に根ざす学校応援団事業」や「学校地域連携促進事業」を継続して実施し、子どもたちが地域社会の中で健やかに育つ環境づくりを進めます。

さらに、安全・安心な教育環境を整備するため、新たに粟生津小学校の大規模改造事業に取り組むとともに、吉田北小学校大規模改造工事や東部学校給食センターの建設工事については、年度内の事業完了を目指します。

鏡が貼られた室内で輪になって座る児童たちの写真

施策2 安心して産み育てられる子育て支援

次に、「安心して産み育てられる子育て支援」についてであります。

健やかに子どもを産み育てることができる環境づくりとして、妊娠を望む夫婦への支援強化と母子保健充実のため、これまでの「特定不妊治療費助成事業」に加えて、新たに一般不妊治療にかかる費用の助成を行い、不妊治療を受ける夫婦の経済的負担の軽減を図ってまいります。

また、出産後の母親の不安を軽減するため、これまで行ってきた産後訪問事業に加え、新たに医療機関において宿泊またはデイサービスを利用することができる産後ケア事業に取り組み、出産後の体調に関するケアや育児指導・サポートの充実を図ります。

少子化により園児数が減少する一方で、多様化する保育ニーズに対応するため、2017年度で計画期間が終了となる「燕市幼稚園・保育園適正配置実施計画」について、第2次計画の策定を行います。

また、「病児・病後児保育運営事業」に引き続き取り組むとともに、児童クラブの運営につきましては、旧燕西幼稚園園舎をリノベーションして整備した「西小児童クラブ」を4月1日から開設します。

さらに、要保護児童への支援や児童虐待の相談等に迅速・的確に対応するため、家庭児童相談チームと関係機関の連携体制の充実を図るとともに、研修会を開催して、相談員と関係機関の資質向上に努めてまいります。

加えて、「男女の出会いサポート事業」についても引き続き実施いたします。

基本方針3 健やかな暮らしを支える医療福祉の充実

定住人口増戦略の3つ目の柱は、「健やかな暮らしを支える医療福祉の充実」です。

施策1 医療サービスの機能強化

はじめに、「医療サービスの機能強化」についてであります。

市町村の国民健康保険は、2018年度に都道府県が財政運営の責任主体となりますが、資格管理、保険給付、保健事業等については、引き続き市町村が担うこととなるため、新年度以降もジェネリック医薬品の普及促進や生活習慣病の重症化予防など、「医療費適正化事業」の推進を図りながら、健全な財政運営に努めてまいります。

なお、2023年度早期の開院を目指し整備基本計画が策定された県央基幹病院については、整備推進会議の設置、基本設計の着手、と実施の段階へ進んでいます。
今後も早期開院に向けて、アクセス道路の整備、冠水対策などの課題解決を県に対して強く申し入れしてまいります。

また、県立吉田病院についても、地域医療を提供していく拠点として、将来を見据えた医療提供体制の整備と早期改築を県に対して強く要望してまいります。

施策2 地域で支える高齢者福祉

次に、「地域で支える高齢者福祉」についてであります。

高齢者が住み慣れた地域で安心・快適に生活できるよう、高齢者を地域で支え合う地域包括ケアシステムの構築を目指し、医療、介護、介護予防、生活支援等が一体的に提供される仕組みづくりに引き続き取り組んでまいります。

「介護予防・日常生活支援総合事業」の開始に伴い、住民主体の介護予防事業を行うため、生活支援コーディネーターの配置や高齢者の居場所づくりの立ち上げとその運営費用の助成を行います。

また、認知症対策については、地域での認知症高齢者等の見守りを強化するため、行方不明者がいるときに地域住民にメールで情報提供を行うとともに、認知症の方やその疑いのある方が早い段階で専門家による支援を受けられる初期集中支援チームの体制づくりを進めます。

さらに、在宅医療・介護連携推進事業では、在宅での医療と介護の一体的な提供ができるよう多職種の協働を推進しながら、相談受付や情報提供、講演会等による普及啓発を行います。
併せて、介護人材の確保を図るため、介護資格取得のための研修費用を助成するほか、特別養護老人ホームやグループホームなどの施設整備を進め、年度内の開設を目指すとともに、介護予防・日常生活圏域ニーズ調査等の分析結果を反映させた「第7期介護保険事業計画」を策定します。

施策3 障がいのある人への切れ目のない支援

次に、「障がいのある人への切れ目のない支援」についてであります。

障がいのある人が希望する生活を送り、ご家族も安心できるよう、身近な地域における相談支援の充実に取り組みます。
障がい者基幹相談支援センターでは、相談支援専門員の資質向上と連携体制の強化に向けた研修を実施するとともに、相談支援事業所間の知識と技術の共有を図り、一体的な相談支援体制の構築を目指します。

また、障がい児通所支援事業として「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」の充実を図り、児童・生徒に適したサービスを提供することにより生活能力の向上を推進します。

発達障がいなどの療育支援につきましては、支援を必要とする子どもたちがライフステージの移行期にも切れ目のない支援を受けられるよう支援の連携体制の構築を目指します。

さらに、障がいのある人も住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる社会の実現を目指して、「障がい者基本計画・第5期障がい福祉計画」を策定します。

基本方針4 移住・定住の促進

次に、定住人口増戦略の4つ目の柱である「移住・定住の促進」についてです。

施策1 移住・定住希望者へのサポート強化

「東京つばめいと」の運営を引き続き行い、交流会やイベントサポートへの参加呼びかけ、WEBサイトやSNSによる情報発信に取り組みながら、燕市出身の若者の首都圏での生活の応援と、将来的なUターンに結びつけていくフォローアップを行ってまいります。

また、Uターン希望者だけでなく、首都圏などから燕市に移住する人を増やすために、県主催のにいがた暮らしセミナーなどへの出展や市独自のセミナー開催を通して移住促進をPRするとともに、首都圏の住民に実際に燕市での生活体験をしていただくためのモニターツアーを試行いたします。

さらに、「移住家族支援事業」、「定住家族支援事業」を継続し、子育て世代などの住宅取得を支援することにより、燕市への定住化を図ってまいります。

燕と書かれたノボリやTシャツなどのグッズが並んだ会場で座って話をしている人たちの写真

戦略2 活動人口増戦略

戦略の第2は、活動人口増戦略です。

  1. 市民が主役の健康づくり・生きがいづくり、
  2. 支え合い・助け合い活動の活発化、
  3. 若者・女性の力を活かしたまちづくり

を進めながら、地域社会の中でキラキラ輝く人を増やします。

基本方針1 市民が主役の健康づくり・生きがいづくり

活動人口増戦略の最初の柱は、「市民が主役の健康づくり・生きがいづくり」です。

施策1 元気を磨く健康づくり

はじめに、「元気を磨く健康づくり」についてであります。

健康づくりマイストーリー運動は4年目を迎え、「つばめ元気かがやきポイント事業」の目標参加者を一万人とし、子ども手帳の対象学年の拡大や健康づくりスタート・サポート企業の拡充を図りながら、加入者数の一層の拡大を目指します。

また、市民が主体的に自分にあった健康づくりに取り組み、健康で生き生きと自分らしい豊かな生活を送ることを目指し、「第3次燕市健康増進計画」を策定します。併せて、策定後の計画実践を見据え、「健康増進計画人材育成事業」の強化を図り、積極的に地域で健康づくりの意識啓発を行える人材の育成を推進します。

さらに、働き盛り世代のがんの早期発見と予防のため、各種検診や保健指導の充実を図ります。
特に、これまで国民健康保険加入者を対象に実施してきた胃がんリスク検診事業の範囲を国保加入者以外にも拡大し、40歳から60歳までの5歳ごとの市民すべてを対象に実施するとともに、乳がん検診事業ではマンモグラフィ検診の対象者を拡大するほか、骨粗しょう症検診事業では新たに予防相談会を実施します。

施策2 健全な心と体を支えるスポーツの推進

次に、「健全な心と体を支えるスポーツの推進」であります。

2020年東京オリンピック・パラリンピック関連につきましては、「ホストタウン推進事業」として、昨年に引き続きモンゴル国とのスポーツ・文化交流を推進するとともに、オリンピック競技の事前合宿の誘致活動を継続します。

また、スポーツ交流の拠点化を目指し、JCYレディースサッカーフェスティバルなどの全国規模の大会誘致やミズノトラッククラブによるスポーツ教室の開催など、スポーツを通じた交流人口の増加を図るとともに、その効果が地域経済に波及するような取り組みを促進するほか、先進的なプログラムを取り入れた「子どもの体力向上サポート事業」を引き続き実施します。

施設整備につきましては、ふるさと納税を活用してスポーツランド燕野球場の附帯設備改修や吉田テニスコートの人工芝の張替工事など、スポーツ環境の充実を図るとともに、吉田武道館や分水プールの改修など施設の老朽化対策を講じます。

芝生の上でユニフォームを着てサッカーをしている人たちの写真

施策3 心豊かな生涯学習・文化活動の充実

次に、「心豊かな生涯学習・文化活動の充実」についてであります。

ふるさと燕への愛着と誇りを持てる意識の醸成と本市のさらなる魅力発信を図るため、本市の文化財や歴史文化を紹介する映像プログラム「ブラつばめ」を制作し、公開します。

また、筑波大学の協力を得て、新潟県立文書館に保管してある「長善館歴代館主の日記」の解読作業を4か年計画で実施するとともに、先日完成した長善館史料館所蔵資料の目録を活用し、史料館の展示の充実を図ります。

生涯学習活動の推進につきましては、生涯学習の知識や技能を有する市民を講師として登録し、市民の求めに応じ派遣する「生涯学習人材バンク」を実施し、活動人口の増加を図ります。

さらに、吉田北体育文化センターについて、安全・安心な地域の生涯学習の拠点としていくため、体育館棟の特定天井の耐震化、トイレの洋式化及び屋上の防水対策の設計に着手します。

児童と大人がケースに入った展示物を眺めている「ブラツバメ」ワンシーンの写真

基本方針2 支え合い・助け合い活動の活発化

活動人口増戦略の2つ目の柱は、「支え合い・助け合い活動の活発化」です。

施策1 支え合いの地域福祉

はじめに、「支え合いの地域福祉」についてであります。

市民一人ひとりが地域で様々な関わりを持ち、共に支え合い、助け合いながら、誰もが暮らしやすいまちの実現を目指し、「第3次燕市地域福祉計画」を策定します。
高齢者の一人世帯や高齢者のみの世帯が増える中、地域の力で支え合い、助け合う体制の仕組みづくりを全市的に広げられるよう努めてまいります。

また、生活困窮者の自立を支援していくため、生活習慣の改善や就労に向けた包括的な相談支援を継続するとともに、家計管理に関する情報提供、助言・指導を行うなど早期に生活が再建できるよう支援します。

さらに、児童扶養手当の受給者の生活実態や具体的な困りごとなどを調査し、ひとり親家庭等の具体的な課題を明らかにしながら、今後の支援に向けた施策の検討を進めます。

施策2 市民協働のまちづくり

次に「市民協働のまちづくり」の推進につきましては、市民や各種団体の活動気運の醸成と交流を目的とした講演やワークショップを開催します。
また、まちづくり協議会や市民団体の活動のさらなる活性化を図るため、「イキイキまちづくり支援事業」等により事業費助成や情報提供などの支援を行います。

基本方針3 若者・女性の力を活かしたまちづくり

活動人口増戦略の3つ目の柱は、「若者・女性の力を活かしたまちづくり」です。

施策1 若者の活動の活発化

はじめに「若者の活動の活発化」についてでありますが、若者たちが描いた燕市の将来像「つばめの幸福論」の実現に向けて、「つばめ若者会議」の主体的な活動を支援します。
特に、学生を中心とした「燕ジョイ活動部」のプロジェクトを支援し、若い世代のまちづくりへの関心・意欲の向上とさらなる活動の活性化を図ります。

施策2 女性が活躍しやすい環境づくり

次に、「女性が活躍しやすい環境づくり」についてであります。

このたび新たに策定した「第3次燕市男女共同参画推進プラン」に基づき、市内事業者との協働により、女性の活躍を推進するフォーラムやイクボス研修会等を開催するとともに、女性が働きやすい職場環境の整備支援などに取り組みます。

また、働く女性の代表として環境整備等を市へ提言するプロジェクトチーム「活働☆つばめこまち応援隊」の活動を支援します。

机を並べて話し合いをする女性たちの写真

戦略3 交流・応援(燕)人口増戦略

戦略の第3は、交流・応援(燕)人口増戦略であります。
燕市を訪れたい・応援したいと思う人を増やすため、

  1. 着地型観光の振興、
  2. 都市間交流の推進、
  3. 燕市のファンづくり

に取り組みます。

基本方針1 着地型観光の振興

交流・応援(燕)人口増戦略の1つ目の柱は、「観光の振興」です。

施策1 着地型観光の振興

燕市観光協会と連携し、分水おいらん道中や酒呑童子行列などの各種イベントを実施するほか、首都圏への観光PR強化や観光タクシーの運行による2次交通の整備、ボランティアガイドの活動支援などを行います。

また、製造現場を見学してもらうために必要な費用を補助する産業観光受入体制整備事業の拡充を図るとともに、三条市と連携して行う「燕三条工場の祭典」も、より内容を充実させて実施します。

さらに、外国人観光客の増加に対応すべく、外国語を話せる観光ナビゲーターを活用するほか、新たに多言語に対応したWEBサイトやパンフレットの作成を進めます。

リニューアルオープンする道の駅国上では、広域観光の拠点施設としての情報発信機能を高め、燕市の地場産製品の販路拡大とPRを推進するとともに、地域おこし協力隊員を採用し、道の駅国上を拠点とした国上地域の活性化と産業観光の推進への取り組みを一層強めていきます。

「県央大橋西詰周辺地域整備基本計画」に基づき、産業史料館を市の産業観光の拠点施設としてリノベーションするため、本館展示のリニューアルや産業体験機能の拡充などに向けた設計に着手します。

産業史料館の展示物を眺めている外国人観光客の写真

基本方針2 都市間交流の推進

交流・応援(燕)人口増戦略の2つ目の柱は、「都市間交流の推進」です。

施策1 都市交流・広域連携の推進

災害時相互応援協定を締結している南魚沼市、南相馬市、南陽市との物産観光を中心とした交流では、燕三条地場産業振興センターと連携した出展を行うことで地場産品のPRを強化します。

また、東京ヤクルトスワローズとの縁で始まった松山市、浦添市、西都市との交流事業についても、少年野球等を通じたより深い交流を目指すとともに、相互にイベントに出展することで地域活性化と機能補完に結び付けていきます。

さらに、定住自立圏共生ビジョンに基づき弥彦村との連携推進を継続するとともに、新たに新潟市と連携中枢都市圏の形成に係る協約を結び、生活の利便性向上や圏域外からの誘客を図ります。

基本方針3 燕市のファンづくり

交流・応援(燕)人口増戦略の3つ目の柱である「燕市のファンづくり」については、燕市のイメージアップ活動の充実強化を図ってまいります。

施策1 イメージアップ・ふるさと応援

燕市を紹介する新たなガイドブックの作成や燕市PR大使の活動により本市の魅力を発信するとともに、明治神宮球場におけるPRイベント「燕市Day」の開催や関連グッズの開発、昨年発足した「ヤクルトスワローズ新潟支燕会つばめ会」を中心としたスワローズファンとの交流事業の実施など、東京ヤクルトスワローズとの連携事業を継続し、積極的かつ独創的なシティプロモーションに取り組みます。

「ふるさと燕応援事業」については、新たなPRプランを展開することで、さらなる燕市の応援団づくりや市内への観光客の誘致に結びつけてまいります。

戦略4 人口増戦略を支える都市環境の整備

戦略の第4は、3つの人口増戦略を支える都市環境の整備であります。

  1. 安全・安心機能の向上、
  2. 快適な都市機能の向上

という2つの方針に基づき取り組んでまいります。

基本方針1 安全・安心機能の向上

都市環境整備の第1の柱は、「安全・安心機能の向上」です。

施策1 災害に強いまちづくり

はじめに、「災害に強いまちづくり」についてであります。

総合防災訓練については、自衛隊をはじめ関係機関の協力を得て、より実践に即した内容で実施し、地域住民及び市職員の防災力がさらに向上するように取り組みます。

また、小中学校と地域が連携した防災教育や訓練を実施し、児童・生徒の防災意識の醸成と地域に根ざした防災活動を推進するとともに、防災教育や訓練に携わる地域のリーダーや教職員のスキルアップを図ります。

国が策定した「水防災意識社会再構築ビジョン」を踏まえ、大曲62号線、63号線を新たな堤防として整備する事業に着手するとともに、須頃郷地区の排水対策事業については2017年度中の事業完了を目指します。

緑色の芝生と樹木の写真

施策2 防犯・消費者保護対策の推進

次に、「防犯・消費者保護対策の推進」についてであります。

防犯カメラの設置費用を引き続き補助するとともに、警察など関係機関と連携して、犯罪のない安全で安心なまちづくりの実現に向けて取り組みます。

また、増加する高齢者の消費者トラブルやIT関連など複雑多様化する消費生活相談に対応するため、消費生活相談員による相談窓口の一層の充実を図ります。

さらに、関係機関と連携した啓発活動や、広報つばめをはじめ防災つばめ~ル・市WEBサイトなどを活用した広報活動に取り組みながら、消費者被害の未然防止と消費者意識の向上に努めます。

施策3 交通安全の推進

次に、「交通安全の推進」についてであります。

交通事故の発生件数・死者数・負傷者数はともに減少傾向にあるものの、高齢者が関与する割合が高くなっていることから、「高齢者運転免許自主返納への支援」を継続するとともに、燕警察署及び燕市交通安全協会と連携し、交通安全教室や街頭指導の充実、交通安全意識の啓発に努め、高齢者の交通事故の抑止に取り組みます。

施策4 公共交通の整備

次に、「公共交通の整備」についてであります。

循環バス「スワロー号」や弥彦村と共同で運行する「やひこ号」、予約制乗合ワゴン車「おでかけきららん号」を運行するとともに、民間バス路線への運行費補助を引き続き実施し、運転免許を持たない移動困難者などの交通手段として、効率的で利便性の高い公共交通環境を提供してまいります。

また、市民から「スワロー号」の休日運行の要望が寄せられていることから、4月・5月の2カ月間に社会実験を実施し、利用状況の把握・分析を行います。

施策5 快適な環境の確保

次に、「快適な環境の確保」についてであります。

燕市が目指す環境像「みんなの行動の積み重ねから、大きく羽ばたく、環境都市つばめ」の実現に向けて、「つばめエコキッズ探検隊」を組織し、環境啓発イベントへの参加・体験を通じて地球温暖化や身近な環境問題について考える機会を引き続き提供してまいります。

また、「クリーンアップ選手権大会」などを引き続き実施するほか、「小型家電リサイクル事業」や「ペットボトルリサイクル推進事業」などに加え、新たに家庭で不要となった古着等を回収し、恵まれない国の人たちの支援につなげるとともに、その売却益を市内保育園等の絵本購入費に活用する「福服BOOK事業」を、従来の「カンカンBOOK事業」とともに実施し、さらなる資源循環型社会の構築を図ります。

基本方針2 快適な都市機能の向上

都市環境の整備の第2の柱は、「快適な都市機能の向上」です。

施策1 まちなか居住と空き家等対策の推進

はじめに、「まちなか居住と空き家等対策の推進」についてであります。

人口減少が進展する中、市街地中心部においては空洞化や商店街の衰退が進んでいることから、医療・福祉・商業等の都市機能施設と居住施設の立地誘導や公共交通ネットワーク構築との連携によるコンパクトなまちづくりを推進するための「立地適正化計画」を策定します。

また、年々拡大する空き家問題に対処するため、引き続き実態調査を実施するとともに、専門家団体などと設立した「空き家等対策連絡協議会」において、空き家総合相談会やセミナーなどを開催し、相談体制の充実を図ります。

さらに、空き家の解体・改修に対する費用助成に加え、新たに家財道具の処分費用に対しても助成し、「空き家・空き地活用バンク」への登録とマッチングを一層促進させるなど、深刻化する空き家等対策に総合的かつ計画的に取り組んでまいります。

施策2 親しみのある公園づくり

次に、「親しみのある公園づくり」についてであります。

大河津分水さくら公園においては多目的広場の整備や植栽を、吉田ふれあい広場においては園路のバリアフリー化を実施するとともに、燕市交通公園では経年劣化した遊具に代わる新たな大型複合遊具等の設置、連絡橋及びシェルターの更新を行い、誰もが安全で安心して利用できる憩いの場として整備します。

施策3 人にやさしい道路環境の整備

次に、「人にやさしい道路環境の整備」についてであります。

通学路の安全を確保するため、交通量の多い主要地方道新潟燕線の代替となる新潟交通電鉄跡地の歩道や桜町地区とJR西燕駅を結ぶ広域6号線の歩道、及び廿六木中央通線踏切の拡幅による歩道の整備を実施します。

また、市内各地域から要望の多い経年劣化した側溝の改修や道路舗装の修繕、下水路の整備を計画的に推進するとともに、引き続き国の「橋梁等の点検に関するガイドライン」に基づき、市内の橋梁の定期点検を実施してまいります。

さらに、国道116号吉田バイパスについては、昨年11月に設立した「国道116号吉田バイパス整備促進協議会」と連携して、国や県に早期事業化を働きかけてまいります。

施策4 安全・安心・おいしい水道水の供給

次に、「安全・安心・おいしい水道水の供給」についてであります。

このたび策定した「水道事業基本計画」に基づき、2025年度の供用開始を目指し、分水地区笈ケ島地内に新たな浄水場を建設するため、基本設計に着手するとともに、建設候補地の取得に向けた用地測量及び土地鑑定評価などを実施してまいります。

また、石綿セメント管の更新を計画的に進めることで、引き続き水道水の安定供給に努めてまいります。

施策5 適正な汚水処理の推進

次に、「適正な汚水処理の推進」についてであります。

現在策定中の「燕市汚水処理施設整備構想」を見据え、下水道施設の計画的・効率的な整備を実施するとともに、接続率の向上を図るため報奨金を交付する「早期接続促進事業」を継続するほか、新たに下水道への関心を高める広報活動として「マンホールカード」を作成します。

また、安定した汚水処理と施設の適正な維持管理を行うため、引き続き終末処理場の改築更新に取り組むとともに、本町排水区における幹線管渠の改修を行います。

戦略5 持続可能な行財政運営

最後に戦略の第5、持続可能な行財政運営についてであります。

厳しい財政状況の中、限られた財源と資産を有効活用しながら、質の高い行政サービスを安定的・持続的に提供するためには、職員一丸となって効率的・効果的で適正な行財政の運営に努める必要があります。

新年度においては、タブレット端末を利用したペーパーレス会議システムを庁内会議に導入し、資料作成時間やコピー機使用量の削減と会議の効率化を図るほか、職員の研修体系の強化や事務処理マニュアルの改善などに取り組み、さらなる業務の生産性向上と職員の能力向上に努めてまいります。

また、公共施設の劣化を早期に発見し、事故や大規模修繕に至る前の軽微な段階で補修する「公共施設予防保全事業」を拡充し、公共施設の長寿命化に取り組むとともに、昨年から体育施設でモデル的に実施している新電力の導入対象施設を拡充するなど、財政負担の軽減を図ってまいります。

むすび

以上、2017年度の市政運営の基本方針及び主要事業について申し述べてまいりました。

燕市は、金属製品を中心とした「ものづくりのまち」を前面に打ち出したイメージアップ戦略や、市特産のお礼の品を充実させたことで「ふるさと燕応援寄附金」が依然として県内1位となっております。また、民間研究所が毎年行っている地域ブランド調査において、地場産業が盛んなまちのイメージランキングで昨年は全国2位になるなど、これまでの取り組みが着実に成果として現れてきております。

新年度は、冒頭申し上げたとおり未来の燕市のために地方創生の取り組みをさらに深化させる重要な年度であるとともに、私自身にとっても2期目の任期が最後となる年でもあります。
改めて、先人や諸先輩方が築いてこられたご功績に敬意を表するとともに、これまで燕市の発展のために蒔いてきた数多くの種が、酉年の「酉」の漢字の意味の如く、熟して実をつけ、やがて大きく飛躍できるよう、職員一丸となって「日本一輝いているまち」の実現を目指し、誠心誠意市政の運営に努めてまいります。

市民の皆様並びに市議会議員の皆様におかれましては、何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、2017年度の施政方針とさせていただきます。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部 企画財政課 企画チーム

〒959-0295
新潟県燕市吉田西太田1934番地

電話番号:0256-77-8352

メールフォームによるお問い合わせ