所信表明(2014年第2回燕市議会定例会)

更新日:2021年03月01日

2014年6月17日に開会した第2回燕市議会定例会において、鈴木力市長が所信表明を行いました。ここでは、その全文を掲載します。

  • 【はじめに】
  • 【これまでの4年間を振り返って】
  • 【「輝いているまち・燕市」セカンド・ステージへ】
  • 【燕市を待ち受ける課題】
  • 【3つの人口増戦略】
  • 【厳しさを増す財政と公共施設の老朽化への対応】
  • 【時代を切り拓く市役所改革】
  • 【合言葉は「燕よ、ひかれ!」】
  • 【おわりに】

2014年6月17日
第2回燕市議会定例会

所信表明

燕市長 鈴木 力

はじめに

2014年第2回燕市議会定例会の開会にあたり、所信表明の機会をいただきありがとうございます。2期目の市政運営について、私の基本的な考え方を述べさせていただき、議員各位をはじめ広く市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げるものでございます。

私は、去る4月13日に執行されました燕市長選挙において、引き続き市政を担当させていただくこととなりました。身が引き締まる思いとともに、2期目に向けて気持ちを新たにしているところでございます。

前回と同様、無投票での当選という結果ではありましたが、課せられた使命の大きさと職責の重さを厳粛に受け止め、市民の皆様の声に謙虚に耳を傾けながら、市政発展のために全力を尽くしていくことを、まずもってここにお約束申し上げます。

これまでの4年間を振り返って

顧みますと、1期目の4年間は、「燕はひとつ」という合言葉のもと、子どもたちが夢と誇りを持てる「日本一輝いているまち・燕市」の実現を目指して、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご支援をいただきながら、産業の振興、教育・子育て環境の整備、医療福祉の充実、都市環境の向上や行財政改革など様々な課題に対し職員と力を合わせ、限られた財源の中、新しい発想やアイディアを加えながら、スピード感を持って取り組んでまいりました。

その結果、燕子ども応援おひさまプロジェクトやJack&Bettyプロジェクト、東京ヤクルトスワローズとの交流事業などの施策が全国の注目を浴びるとともに、たのうら燕の処分や高速道路インターチェンジ付近の路上駐車問題など長年の懸案事項を前進させたほか、経常収支比率の改善や財政調整基金の積み増しなど財政の健全化にも一定の成果を得ることができました。

「輝いているまち・燕市」セカンド・ステージへ

このような1期目の実績の上に立ったうえで、2期目についても、引き続き「日本一輝いているまち・燕市」を目指してまいりたいと存じます。

すなわち、4年前にも申し上げましたが、

  • 幾度もの経済危機を乗り越え、伝統技術と先端産業が融合する産業都市・燕
  • 子どもたちがスポーツや文化活動の全国大会で活躍する燕
  • 市民活動が活発で、一人ひとりの笑顔が輝いているまち・燕
  • 各界でグローバルに活躍する人材を多数輩出する教育のまち・燕
  • 地域主権の旗手として、独自アイディアの施策をどんどん打ち出す燕 等々

産業、教育、スポーツ、福祉、環境など、様々な分野において市民活動や企業活動が活発に行われ、「日本一輝いているまち」として全国から注目を浴び、そのことで子どもたちが夢と誇りを持てる、そんな燕市を市民の皆様と一緒に築いてまいりたいと考えています。

燕市を待ち受ける課題

しかしながら、今後の4年間を展望した時、その行く手には、少子高齢化の一層の進展、2年後の合併特例期間の終了や公共施設の老朽化対策、さらには国の農業政策の大転換への対応など難しい課題が数多く横たわっています。

とりわけ、最大の課題は、厳しい財政状況の中、いかにして人口減少に歯止めをかけ、地域の活力を維持・発展させていくか、ということだと思います。

非常に難しい課題でありますが、避けて通ることはできません。

最近、日本創成会議・人口減少問題検討分科会から2040年に日本の自治体の半数が消滅する可能性があるというショッキングな研究論文が発表され、大きな話題になっています。

幸い燕市はこのリストに入っていませんが、これに安心することなく、危機感を持って取り組んでいく必要があります。

3つの人口増戦略

このため2期目の市政運営に当たっては、既に先の3月定例会の施政方針でも述べさせていただきましたが、人口を、定住人口、活動人口、交流・応援人口という3つの視点で捉え、それらを増加させるための施策を進めることで、「日本一輝いているまち・燕市」の実現に結びつけていきたいと考えています。

(1)定住人口の増加

1番目の定住人口の増加とは、燕に魅力と愛着を感じ、住みたい・働きたいと思う人を増やすことです。

私たちが直面している人口減少の問題は、自然減と社会減という2つの視点から捉えることができます。

残念ながら、進行する少子高齢化の流れを短期間で変えることは、極めて困難です。従って現実的には、人口の自然減については当面避けることはできないでしょう。

しかしながら、その減少幅を少しでも圧縮させるとともに、人口の社会減については何としても歯止めをかけ、できれば増加に転じさせていくことを目指していくべきと考えます。

そのため、産業の振興、教育・子育て環境の整備、医療福祉の充実などの政策を総合的に進めながら、燕市の魅力をどんどん高めていくことで、燕市に住みたい・働きたいと思う人を増やしてまいります。

(2)活動人口の増加

2番目の活動人口の増加とは、健康づくりや社会活動などに積極的に取り組む人を増やすことです。

少子高齢化の進展に伴う社会保障費の伸びと地域経済の長期低迷などに起因する厳しい地方財政の状況下では、市民との協働、「自助」「共助」「公助」の役割分担によるまちづくりが求められます。

日本一輝いているまちは、市民一人ひとりが主役になってそれぞれの分野で活躍し、キラキラひかり輝くことにより実現しますが、「自助」「共助」推進の観点からも、市民活動の活発化はとても重要です。

このため、自ら病気予防や健康づくりに取り組む人、ボランティアや地域活動に取り組む人など、活動する人口を増やす取り組みを推進してまいります。

また、将来にわたり燕市が持続的に輝き続けるためには、若者のアイディアや行動力をまちづくりに活かすことも大切です。
昨年立ち上げた「つばめ若者会議」のメンバーたちが、「つばめの幸福論」という20年後の未来ビジョンをまとめてくれました。その冒頭に若者会議の代表者の言葉として次のような記述が載っています。

『「できること」を他者に委ね、「求められること」を拒否し、「やりたいこと」だけに時間と労力を費やすのではなく、私たちひとりひとりの「やりたいこと」「できること」「求められていること」をうまく組み合わせ、実行することで、人と人とのつながりが機能し、「つばめの幸福論」が実現できるのではないでしょうか。』

私はこうした高い意識を持った彼らの今後の行動に期待しています。

「つばめ若者会議」の活動などを積極的にサポートしながら、「燕の未来は俺たちが作るんだ」という若者たちによる大きな活動のウエーブを巻き起こしていきたいと考えています。

(3)交流・応援人口の増加

3番目の交流・応援人口の増加とは、燕の魅力や活力に惹かれ、訪れたい・応援したいと思う人を増やすことです。

人口減少問題への対策を考える時、その解決を燕市の中だけで求めようとしても限界があります。
そのため、観光の振興を図り、燕に訪れる交流人口を増やすことで地域経済を活性化させるとともに、様々な分野での連携交流やネットワークづくりを進めながら、燕の魅力を全国に発信し、イメージアップを図ることにより、燕市のファンや応援団となってくれる人をどんどん増やしてまいります。

以上、定住人口、活動人口、交流・応援人口という3つの人口を増やすことを目標に、燕市の新たな魅力づくり、活力づくり、賑わいづくりを推進しながら、「日本一輝いているまち・燕市」の実現を目指してまいります。

これらの目標を達成するための具体策については、既に2014年度当初予算において一部事業化を図っており、例えば、定住人口の増加を目指して開設した病児・病後児保育施設については、500人に迫る利用登録が、活動人口の増加を目的とした「健康づくりマイストーリー運動」には、2,500人を超える参加登録が、さらに交流・応援人口の増加を目指した「ふるさと燕応援事業」には、300人近くの申し込みがあるなど、順調なスタートを切っております。

また、今6月定例会においても、子ども医療費助成の拡充などの議案を提出しているところです。
今後とも財源確保の見通しを立てながら、より効果的な施策について検討を重ね、目標の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

厳しさを増す財政と公共施設の老朽化への対応

次に、こうした取り組みを進める一方で忘れてならないのが、厳しさが予想される財政状況への対応です。

ご承知のとおり、10年間という合併特例期間の終了に伴い地方交付税が減額されていきます。その一方で、高齢化社会の進展による社会保障費の伸びや老朽化対策をはじめとした公共施設・公共インフラの更新・維持管理経費の増加が予想されます。

とりわけ、水道施設の老朽化は予断を許さない実態にあり、抜本的な対策が必要です。昨年度から有識者や市民からなる「水道事業経営懇話会」において検討を開始しており、秋にはその中間報告をお示しできるよう鋭意作業を進めておりますが、莫大な投資とそれに伴う受益者負担の増額をお願いする必要に迫られることは必至であります。

私は1期目の市政運営にあたってもESCO事業の導入など市財政の負担軽減に努力してまいりましたが、2期目はより強い決意と覚悟をもって、財政の健全化に取り組んでいかなければならないと考えております。

そのため、公共施設等総合管理計画の策定を図りながら、施設の統廃合や長寿命化の推進、民間活力の導入や受益者負担の見直しなどの行財政改革に引き続き粘り強く取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民の皆様におかれましては何卒ご理解をいただけますようお願い申し上げます。

時代を切り拓く市役所改革

このように、厳しい財政状況の中にあって、人口減少に歯止めをかけ、地域の活力を維持・発展させていくためには、市民と議会と行政がパートナーシップを築き、地域が一丸となってこの難題に取り組むことが不可欠であり、「地域力」とも言うべき総合力が問われるものと考えます。

そのためには、何よりも先ず市役所が議会や市民の皆様から信頼される存在にならなければなりません。

私は2期目の初日にあたり、職員に対し仕事に取り組む基本姿勢について、あらためて確認を求めました。

  1. 市民目線に立って、解決すべき行政課題を発見し、独自施策を立案していく政策集団へと変革すること。
  2. 前例にとらわれず大胆に発想し、繊細に検討したうえで、スピード感を持って行動すること。
  3. 施策の必要性や目的、費用対効果などを市民の皆様に分かりやすく説明していく仕事スタイルを根付かせること。の3つです。

これまでも職員の意識改革や能力向上に様々な取組を進めてまいりましたが、人材育成や組織の活性化は不断の努力が肝要です。

今後とも国、県、民間との人事交流の推進や研修の充実に取り組み、職員のさらなる意識改革、能力向上を図るとともに、民間活力の活用や市民・NPOなどとのパートナーシップを確立しながら、大きな政府でもなく、小さな政府でもなく、小さいコストで大きな成果を上げる「賢い政府」を目指してまいります。

合言葉は「燕よ、ひかれ!」

以上、2期目の市政運営について所信の一端を述べさせていただきました。

4年前、私が市民のみなさんに呼びかけた合言葉は、「燕はひとつ」でした。

この言葉は4年間で、多くの市民の皆様に浸透したのではないでしょうか。観光協会、体育協会など多くの団体の統一が実現しました。農業まつりなど一本化されて開催される行事も増えてきました。

もちろん理想の姿からすれば、まだ時間がかかるかもしれません。

しかし、少なくとも私からこの言葉をことさら言わなくても、市民の皆様自身がその意味することを目指して努力していこうという雰囲気になってきたものと感じています。

そこで、2期目の市政運営にあたっては、これに代わる新しい合言葉を市民の皆様に提案していきたいと考えています。

それは、「燕よ、ひかれ!」です。「ひかれ」には、3つの人口増加戦略にそれぞれ対応した意味を込めています。

燕よ、ひかれ。(魅かれ)

住みたい・働きたいと思える魅力あるまちをつくっていこう。

燕よ、ひかれ。(光れ)

多くの市民が主役となって活動する活力あるまちをつくっていこう。

燕よ、ひかれ。(惹かれ)

多くの人が訪れ、応援してくれる賑わいのあるまちをつくっていこう。

一人ひとりが自分らしく輝いているまちは、まち自体もキラキラ輝いて見えるはずです。輝いているまちには多くの人が集まってくるはずです。

「燕よ、ひかれ」とは、私たちが住んでいる燕市を「日本一輝いているまち」として誇れるようにするため、市民一人ひとりが自分に何ができるかを主体的に考え、行動するための合言葉です。

既に、つばめ若者会議のメンバーたちは、「つばめの幸福論」の実現を目指して、具体的な行動を始めています。

先日は一部の自治会で、住民参加型の公共施設修繕工事が行われ、マスコミ等の注目を受けました。

市民の皆様が取り組む一つひとつの光はたとえ小さくても、それらが集まれば明るく美しい輝きを放つことになるでしょう。

おわりに

市民の皆様、「燕よ、ひかれ」を合言葉に、「日本一輝いているまち・燕市」を一緒に築いてまいりましょう。

私は、燕市のリーダーとしてその先頭に立って、これからの4年間、全力で取り組んでまいります。

何卒、市議会議員の皆様、市民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。

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