子育てサポーター島田譲の子育てQ&A
島田譲の子育てQ&A
9月に島田選手への子育てに関する質問を募集したところ、たくさんのご質問をいただきました。
誠にありがとうございます。
島田選手からいただいた回答を広報つばめ12月号に掲載しましたので、ご覧ください。
なお、紙面のスペースの都合上、掲載できなかった回答については、このページに掲載しています。
「島田譲の子育てQ&A」(広報つばめ2024年12月号掲載)
©️ALBIREX NIIGATA
今回のコラムでは、皆さんからいただいた子育てに関する質問に答えていきます。
本当にたくさんの質問をいただき、ありがとうございます。すべての質問に回答することはできませんが、似ている質問についてはまとめてお答えできるようにしていきたいと思います。
それではさっそく行きましょう!
島田選手への質問
Q1.子どもを叱るときに注意している点はありますか?
Q2.うまくいかないときや苦しいことに立ち向かう子どもの励まし方は?
Q3.習い事の決め方はどう考えていますか?
Q4.子育て中に夫に頼ることが苦手なのですが・・・
Q5.サッカーばかりで勉強をしないのですが・・・
島田選手からの回答
Q1.子どもを叱るときに注意している点はありますか?
子どもの叱り方については、子育て中の親なら誰もが悩むテーマだと思います。僕が一番気をつけているのは、自分のために『怒る』のではなく、子どものために『叱る』ことです。『怒る』とは、その場の感情に流されて自分のイライラや怒りをぶつけたり、子どもの過去の行動を一方的に批判したりすることです。僕は、できる限り理性的に子どもの未来のために、愛を持って『叱る』ように意識しています。大声を出したり、強い言葉を使ったり、人格を否定するようなことは言わないようにしています。
ただ、綺麗事だけではうまくいかないのが子育てなのも分かります。気をつけていても、時には感情的に大声を出したり、余裕がなくて一方的に強い言葉を発してしまうこともありますよね。そんなときは気持ちが落ち着いてから、大人からちゃんと謝ること、そして子どもと対等な目線で気持ちを伝え合うべきだと思います。大人には大人の言い分がありますが、子どもにも子どもの言い分があって、そこには悪意なんてないからです。また、夫婦で役割分担をして、子どもの逃げ場がなくならないことにも気をつけています。我が家では基本的に妻が叱り、僕がフォローする役割になることが多いです。妻からは「たまには役割を変わってよ」と僕が叱られています(笑)。
Q2.うまくいかないときや苦しいことに立ち向かう子どもの励まし方は?
僕は幼いころ、母親から「あなたはやればできる子」と言われて育てられました。なので、僕は「勉強もサッカーも本気を出せば、いつでもやれるんだ」というまったく根拠のない自信を持って育ちました。母がどこまで本気で言っていたかは分かりませんが、僕にとって母からの『やればできる』はパワーワードでした。自分の子どもであるが故に大切に育てたいし、辛く苦しい思いはしてほしくない、可能性のある道に導いてあげたくなる気持ちも分かります。でも、限界や可能性を決めるのは本人であるべきです。子どもが困難に立ち向かうときや、なかなかうまくいかないときこそ、子どもが一番成長しているときだと思って、見守りましょう。結局、親にできることは、子どもを信じてあげること、そして「やればできるよ」の一言くらいではないかと思います。
もう1つは、結果よりもプロセスを褒ほめることです。発表会でも運動会でも、もっと言えば家でのブロック玩具遊びやお絵描きでも、子どもが最後に出した結果や成果よりも、そこに至るプロセスに対して褒めてあげることは意識しています。僕に似て、娘も根っからの負けず嫌いなので、結果への執着がすごいんです。だからこそ、結果が良くても悪くても、そこに至るプロセスを認めてあげたり、褒めてあげることは大切かなと思っています。
Q3.習い事の決め方はどう考えていますか?
これは、子どもを持つ選手たちの間でもよく議論になります。僕の考えは大きく分けて2つです。
1つは『子ども自身が好きで楽しいと思える習い事』をしてほしいと思っています。
いくら親が「我が子はこれが向いている」「将来のためにこれをやってほしい」と思っても、本人が好きで楽しくなければ、上達もしないし長続きもしません。親としては「せっかく入会金を払って始めたのに…」「自分でやりたいって言ったのに…」というような気持ちも分かりますが、子どもだってやってみなければ、自分に合うかどうか分かりません。そういう意味で、子どもが『好きで楽しい』と思えること、もっと言えば『周りのことを忘れて夢中になれるようなこと』であれば最高だと思います。
もう1つは、『広く浅くでも良いので、できる限り多様な習い事』をしてほしい、と思っています。 僕は5歳でサッカーを始め、誰に強制されることもなくサッカーに夢中になりました。でも、5歳で生涯に渡って自分の情熱をかける何かに出会うなんて、奇跡のようなことだと思います。だから自分の子どもには、できる限りいろいろな経験や体験をして、さまざまな選択肢があることを知って、ゆっくりと自分が情熱を注ぐことができる何かを見つけてほしいと思っています。だから『子どもがやりたいと言えば、できる限りやらせてみる』、が我が家の方針です。
ちなみに今は、体操と英語とチアダンスに楽しく通っています。
Q4.子育て中に夫に頼ることが苦手なのですが・・・
<旦那さんに頼らない→子どもがパパに懐かず、ママから離れない→ママに負担が集中する>という悪循環に陥る可能性がありそうですよね。本当に些細なことからでも良いので、旦那さんを頼ってあげてみてください。もしかしたら、旦那さんも本当は子育ての力になりたいけど、「俺がやると時間がかかるしな」「俺が抱っこすると泣くからな」って思っているかもしれません。少し面倒くさいかもしれませんが、旦那さんをパパとして成長させてあげることは、長期的に見ればママの大きなメリットになるのではないでしょうか。「助かったよ、ありがとう」のママの一言とパパに見せる子どもの笑顔が、パパをパパとして少しづつ成長させると思います。
Q5.サッカーばかりで勉強をしないのですが・・・
僕は母親から「サッカーしかできない人間にはなるな」と言われて育ちました。また、育成年代に所属していたクラブからも、学業に対して真剣に向き合うように常日頃から言われていました。当時はうっとうしいなと思うこともありましたが、今では本当に感謝しています。それなりに勉強をしていたからこそ、進学するうえでの選択肢も広がりましたし、素晴らしい仲間や恩師に出会うことができました。また、勉強で培った言葉を使って、今もこのコラムを書いていますし、勉強で養った論理的な思考能力は、サッカーにおけるさまざまな場面で、大きく役立ちます。だから、サッカー少年達にはサッカーだけでなく、勉強も一生懸命してほしいと思います。と言っても、絶対にやりませんよね(笑) 何かに夢中になっている子どもから、それを取り上げて勉強させるのは難しいし、勉強することのメリットを理解してもらうのは難しいと思います。だから、ここだけは少し強制力を持たせても良いような気がします。サッカーをするために、これだけはクリアしなさいという目に見える目標を設定したり、10分でも机に向かう習慣を付けさせたりするのも良いと思います。子どもの将来のために、心を鬼にすることも必要なのかなと思います。
あとは、もう少し子どもが大きくなれば僕も試そうと思っているのが、一緒に勉強することです。子どもに勉強しなさいと言う前に、大人が学び続けている姿勢を示すことは大切なのかなと思います。学ぶことは楽しいことで、学ぶことで自分の世界が広がっていくことを、親として子どもに示していきたいと思います。
最後に
最後になりますが、偉そうに皆さんからの質問に答えさせていただきましたが、僕の回答は必ずしも正解ではありません。そもそも、子育てに正解はないように思います。SNSで見かける子育て術も流行りの子育てメソッドも、一つの方法にすぎません。家庭や子どもの数だけ、そこにはさまざまな悩みや葛藤があり、それぞれの状況の中での最適解を探すようなものだと思います。周りの情報に流されすぎずに、それぞれの子どもや家庭にあった子育てをすることが何より大切なことではないかと思います。僕は愛さえあれば、最後はなんとかなると思っています!
掲載紙面(Q1~Q3を掲載)
広報つばめ2024年12月号「島田譲の子育てQ&A」 (PDFファイル: 432.1KB)
PDF版広報つばめ 2024年12月号(「島田譲の子育てQ&A」は28、29ページに掲載) (PDFファイル: 10.9MB)
過去に掲載した「島田選手の子育てコラム」
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更新日:2024年11月29日