2016年度公の施設の指定管理者監査(温泉保養センター他)

更新日:2021年03月01日

公の施設の指定管理者監査結果報告書(燕市温泉保養センター・燕市ふれあい交流センター・燕市道の駅「国上」直販施設・燕市国上農村環境改善センター・国上健康の森公園)

1 監査の実施概要

(1)監査の目的

 地方自治法(1947年法律67号)第199条第7項の規定に基づき、公の施設の指定管理者について、公の施設の管理・運営が指定管理者制度の目的に沿って適切に行われているかについて監査を実施した。

(2)監査の対象団体

 2014年度から燕市が地方自治法第244条の2第3項の規定に基づき、公の施設の管理を行わせている次の5施設の管理・運営を行った指定管理者について、監査を行った。

監査対象団体
指定管理者名 施設名 所管部署
特定非営利活動法人
ふれあいパーク久賀美
燕市温泉保養センター 生活環境課
燕市ふれあい交流センター
燕市道の駅「国上」直販施設
商工振興課
燕市国上農村環境改善センター 農政課
国上健康の森公園 都市計画課

(3)監査の期間

2017年1月6日(金曜日)~ 2月27日(月曜日)

ヒアリングの実施

日時:2月9日(木曜日) 午前10時30分~11時40分
場所:燕市国上農村環境改善センター

(4)監査の方法及び着眼点

 監査の実施にあたっては、次の項目を主な着眼点とし、関係帳簿・関係書類等を調査するとともに、関係職員からの説明を聴取するなどの方法で実施した。

  • 施設は、関係法令の定めるところにより適切に管理されているか。
  • 協定等に基づく義務の履行は、適切に行われているか。
  • 利用促進のための努力が行われているか。
  • 施設管理に係る収支会計経理は、適正に行われているか。
  • 施設管理に係る出納関係帳簿・記帳などは、適正に行われているか。
  • 施設管理に係る各種諸規程は、整備されているか。

2 監査対象「団体」の概要

(1)「特定非営利活動法人ふれあいパーク久賀美」の状況

概要
名称・代表者 特定非営利活動法人ふれあいパーク久賀美 理事長 河上 功
所在地 燕市国上5866番地1
設立年月日 2011年11月10日
構成
  • ≪ 役員 ≫ 13人(うち2人は職員が兼務)
  • ≪ 職員 ≫ 36人(正職員8人、常勤的臨時職員3人、パート職員25人)

計 47人

(2)主な業務・事業内容

  • イベント企画運営事業
  • 体験学習事業
  • 観光情報発信事業
  • 花てまり運営事業(食事提供)
  • 観光、保養等施設管理運営事業

(3)監査の対象とした指定管理施設

監査対象施設の期間と管理料
施設の名称
  • 燕市温泉保養センター
  • 燕市ふれあい交流センター
  • 燕市道の駅「国上」直販施設
  • 燕市国上農村環境改善センター
  • 国上健康の森公園
指定管理期間 2014年4月1日から2017年3月31日まで
指定管理料
(2015年度)
29,247,728円

3 監査対象「施設」の概要

(1)施設の概要

燕市温泉保養センター
設置目的

市民の健康の増進と福祉の向上に寄与するため。

所在地

燕市長辰7550番地3

建設年度

1993年度(2008年度改修)

施設の構造

木造/一部鉄筋コンクリート造平屋建て

延床面積

684平方メートル

泉質

単純硫黄冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)

施設内容

男女浴室(各大型風呂、円形風呂、露天風呂、サウナ風呂)、大広間(34畳)、室休憩室(8畳3室)、売店(1カ所)、マッサージルーム(1カ所)、喫煙室(1カ所)、足湯(1棟)、温泉井戸(1堀)、水源井戸(1堀)

開館時間

午前10時~午後9時

休館日

第2月曜日及び第4月曜日(注意:祝日、休日の場合はその翌日)

入館料等
利用区分ごとの入館料等
利用区分 利用の内訳 料金
入館料
(注意)入浴料・タオル使用料含む
大人 午前10時 ~ 午後3時 500円
午後3時 ~ 午後7時 300円
小学生
中学生
午前10時 ~ 午後3時 300円
午後3時 ~ 午後7時 100円
個室使用料(1室につき) 午前10時 ~ 午後1時 2,000円
午後1時 ~ 午後4時 1,000円
午後4時 ~ 午後7時 1,000円
バスタオル使用料(1枚) 50円

(注意)「ほのぼのポイントカード」…スタンプ10個で1回無料

利用回数券
区分ごとの利用回数券詳細
区分 利用回数券の額 備考
16枚券 2,700円  
11枚券 4,900円  
3,000円 午後5時~午後9時使用可能
燕市ふれあい交流センター
設置目的

農業経営及び農村生活の改善、農村在住者の健康増進等又は都市住民との交流を図るため。

所在地

燕市国上5866番地1

建設年度

2001年度(2016年度改修 注意:2017年3月10日完成予定)

施設の構造

鉄骨造平屋建て

延床面積

629.65平方メートル(改修前 578.91平方メートル)

施設内容

多目的ホール(343.49平方メートル)、農産物加工コーナー(45.31平方メートル)、 朝市コーナー(80.80平方メートル)

利用時間

午前9時~午後9時

休館日

月曜日、12月29日~1月3日

使用料
使用別の時間帯ごとの使用料一覧
 利用場所  【午前】
午前9時
~正午
【午後】
正午
~午後5時
【夜間】
午後5時
~午後9時
【全日】
午前9時
~午後9時
全館貸切 6,000 10,000 10,000 24,000
全館貸切(農産物加工コーナー及び体験コーナーを除く) 4,000 7,000 7,000 16,000
農産物加工コーナー及び体験コーナー 3,000 5,000 5,000 12,000
朝市コーナー 月額 10,000
備考
  • 冷暖房を利用する場合は、本表の2割増
  • 市外の利用者及び営利を目的として利用する場合は本表の5割増
燕市道の駅「国上」直販施設
設置目的

特産品の販売、地産地消の推進及び交流事業の促進により、地域の活性化を図るため。

所在地

燕市国上5866番地1

建設年度

2004年度(2016年度改築 注意:2016年11月30日完成)

施設の構造

木造・平屋建て平葺き

延床面積

205.55平方メートル(改築前 124.21平方メートル)

施設内容

食堂(125.11平方メートル)、厨房(59.62平方メートル)、休憩室他(20.82平方メートル)

利用時間

午前9時~午後9時

休館日

月曜日、12月29日~1月3日

使用料

月額30,000円

燕市国上農村環境改善センター
設置目的

農業経営及び農家生活の改善合理化、農村居住者の健康増進並びに地域連帯感の醸成を図るため。

所在地

燕市長辰7550番地2

建設年度

1993年度

施設の構造

鉄筋コンクリート造2階建

延床面積

565.0平方メートル

施設内容
  • (1階)展示室(37平方メートル)、生活改善実習室(55平方メートル)、農事研修室(50平方メートル)、談話ロビー(31平方メートル)、湯沸し室(5平方メートル)
  • (2階)多目的ホール(156平方メートル)、椅子収納庫(21平方メートル)、控室(6平方メートル)、放送室(6平方メートル)、湯沸し室(4平方メートル)
  • (附帯施設)付属施設 附属棟(倉庫、車庫、機械室)(6.75平方メートル)
利用時間

午前8時30分~午後9時30分

休館日

月曜日、12月29日~1月3日

使用料
使用別の時間帯ごとの使用料一覧
利用場所 【午前】
午前8時30分
~正午
【午後】
正午
~午後5時
【夜間】
午後5時
~午後9時30分
【全日】
午前8時30分
~午後9時30分
多目的ホール 3,500 5,000 7,000 14,000
農事研修室 1,000 1,500 2,300 4,200
生活改善実習室(和室) 1,000 1,500 2,300 4,200
国上健康の森公園
設置目的

子どもからお年寄りまで、みんなが楽しめる憩いの場として設置。

所在地

燕市国上5866番地1

建設年度

1992年度

公園面積

13,068平方メートル

施設内容

屋外便所(木造平屋建一部鉄筋コンクリート)、あずまや(1棟)、ローラースケート・ムーンカート広場(913.2平方メートル)

利用日

1月1日~12月31日

利用時間

終日

以下、(2)、(3)、(4)はPDF版参照

(2)2015年度施設利用実績
(3)2015年度使用料の徴収状況又は利用料金の収入状況
(4)2015年度の収支状況

4 監査の結果・意見

(1)調書、聴き取り、実地による確認事項

  • (ア) 全国的に道の駅が乱立し過当競争の中にあり、収益追求に特化した経営では自然淘汰されかねない危惧を抱いている。当施設では、各種団体やサークルによるイベントや教室等が多数開催されているので、これらをさらに発展させ、メンバーが地域活性化のため、積極的に取り組んでいけるような活動の場としての道の駅を目指したいとしている。
  • (ィ) 職員による消防訓練を年2回実施しているが、非常時における職員の詳細な役割分担を記したマニュアル等の整備にはいたっていないことから、市と協議しながら非常時の体制整備を行いたいとしている。
  • (ウ) 赤字の出ている施設はあるがNPO法人として一つの会計で処理しているため、会計全体としては黒字で処理されている。
  • (エ) 温泉保養センターについては、全国に会員を持つJAF(一般社団法人日本自動車連盟)と連携し、利用が少ない平日午前10時~午後5時の集客を図るため、JAF会員の割引を実施している。また、地元老人クラブ連合会に、10名以上で利用する場合バスの無料送迎を行う旨等の周知活動を行うなど、利用者の増加に向けた取組みを行っている。
  • (オ) 市のふるさと燕応援寄附金(ふるさと納税)の返礼品として登録の「飛燕舞」(米)への申込みや天神講菓子展等での売り上げが大幅に増え、当初予想を上回る売上を達成することができたとしている。
  • (カ) 市から施設担当である生活環境課、商工振興課、農政課、都市計画課と指定管理者制度担当である企画財政課が毎月1回指定管理者へ赴き、調整会議を開催している。その会議においては、指定管理者からは施設利用状況の報告、管理上の懸案事項と対応状況、施設担当課からは施設管理に必要な情報提供を行っている。また、指定管理者が判断できない案件について、当該会議において協議しながら対応方針を決めている。
  • (キ) 2015年度事業報告書の提出日が、基本協定書で定めている期限を超過していた。今後は、期限内の提出を徹底するとしている。
  • (ク) 現金の取扱い等に関して、相互牽制機能が不十分であるところが見られたことから、体制について見直しを図りたいとしている。

(2)意見

 多様化する住民ニーズに、効果的、効率的に対応するため導入された指定管理者制度活用により、管理コストの節減はもとより、地域へ波及するさまざまな効果があらわれている。全国的な道の駅の乱立状況において、道の駅が果たす役割はそれぞれ異なるが、「特色」を持つことは、その道の駅の「魅力」でもある。今後とも「売上の増加」、「利用客の確保」、「地域活性化」が課題であると思われる。事業計画により事業の目標及び予算を明確にし、進捗状況の確認や事業成果を判断する必要があると思われる。時代の変化や顧客ニーズの変化に対応するため、行政と指定管理者が対等という立場での運営会議を開催するなど、イベントを増やし、オリジナル商品の開発やPR活動の強化など地域と一体となった魅力ある道の駅づくりに期待したい。
 なお、会計処理において、一人の担当職員が事務処理を行っているものやまとめて役員の決裁を受けているものがあった。職員が単独で出納業務を行うことは、不適切な事務処理を招く可能性が高くなるので、入出金に際しての手続きは会計規定にその旨を明記し、複数職員による確認と上司の決裁の義務付け等を検討する必要があると思われる。

(3)所管課への意見

 道の駅や温泉保養センターなどは不特定多数の人が利用する施設であり、非常時における対応が危惧される。少ない人員で対応するには、詳細なマニュアルの準備や地域との連携体制が必要ある。非常時の体制構築について、指定管理者との協議・指導を行われたい。
 また、指定管理者側では施設毎に収支決算書を作成しているが、収支予算書の作成を行っていない。翌年度の事業計画の裏付けとなるのが予算であることから、円滑かつ確実に管理・運営を行ってもらうため、予算書の作成について指導されたい。

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