新春座談会2020_市長×移住者 ウェブ版

更新日:2023年02月07日

新春座談会2020のようすを掲載しました

移住者から見た燕の魅力 ~燕でこんな暮らしをしています~

国上山中腹にある井村さんの工房「穂生窯」で座談会を開催しました。このページは、広報つばめ2020年1月1日号に掲載された記事を、ウェブ用に再構成したものです。

工房の中でカメラに向かって笑顔を見せる5名の座談会参加者たちの写真

(左から)玉木俊之さん、井村詩帆さん、鈴木力市長、蓮沼知大さん、沼田基さん

ゲスト紹介

井村 詩帆さん
井村詩帆さんの写真

井村 詩帆さん(写真)Jターン者(故郷から別の地域に移住した後、故郷に近い地域に移住した人のこと)

略歴

新潟市東区出身。高校卒業後、栃木県や沖縄県の窯元で修行したのち、燕市に移住。国上に「穂生窯」を開く。
広報つばめ2019年8月1日号の「シリーズひと」に登場。

沼田 基さん
沼田基さんの写真

沼田 基さん(写真)Iターン者(Iターン…故郷とは違う地域に移住すること。)

略歴

神奈川県出身。世界一周の旅を経て、燕市に移住。宮町商店街にゲストハウス「トライアングル」をオープン。
広報つばめ2019年6月1日号の「シリーズひと」に登場。

蓮沼 知大さん
蓮沼知大さんの写真

蓮沼 知大さん(写真)Uターン者(Uターン…都市に移住した人が、再び故郷に戻ること。)

略歴

燕市出身。新潟市内の会社に勤めたのち、燕市へUターン。空き家を改装して、吉田旭町にカフェ「Toko Toko」をオープン。
広報つばめ2019年7月1日号の「シリーズひと」に登場。

玉木俊之さんの写真

玉木 俊之さん(写真)国上地区在住

  • 井村さんが国上に移住を決めた頃から、地域との架け橋となるなど支援を続けている。

市長 × 移住者 新春座談会2020

市長
新年おめでとうございます。今日は燕市へ移住した皆さんと、移住者を受け入れている地域の方に集まっていただきました。燕市の魅力や暮らし、新年の抱負についてお話しをうかがいたいと思います。

人の温かさとものづくりの精神

市長
燕市に来たきっかけを教えてください。
沼田
関東を中心に物件探しをしたんですが、いい物件がなくて。SNSでそのことを投稿したら、この地域の友達が声をかけてくれたんです。それがきっかけで初めて燕市に来ました。人の温かさと、産業の歴史やものづくりの精神に惚れ込んで、ここにゲストハウスを開きました。
蓮沼
燕に戻って何かしたいという気持ちがあって、子どもが生まれたのを機に帰ってきました。
井村
私も、新潟県に戻ってきたいという思いが強かったです。県内で窯を開く場所を探している時に、燕市を初めて訪れました。その時、市役所の人が親切にしてくれたんです。国上は条件が揃っていたのでここに決めました。
玉木
実は、私もUターン組で、3年前、46年ぶりに帰ってきました。地元のことはわかりますし、移住者として井村さんの気持ちもわかりますので、地域の人とつないだり薪を割ったり、いろいろお手伝いをしています。
市長
井村さんと沼田さんは縁のなかった燕市に移住を決めたとき、家族の反応はどうでしたか?
井村
初めて来るまでは、燕市がどういう街か知らなかったんです。でも、新潟市からの交通の便も良いので親も承諾してくれました。
沼田
親からは、なぜ新潟なんだ? と言われましたが、燕の人はみんな良くしてくれるという話をしたら安心してました。東京駅から燕三条駅まで新幹線で2時間ですし。

木々に囲まれた工房の外で記念撮影する参加者たちの写真

会場となったのは、国上山中腹にある井村さんの工房「穂生窯 ほなりがま」です。

後ろには木々が見える工房「穂生窯 」入口の写真

ものづくりに寛容な街

市長
実際、生活してみての感想を教えてください。
蓮沼
子どもと散歩していると近所の人が声をかけてくれますし、商店街の人は外から来た自分にも分け隔てなく接してくれています。当たり前のことのようですが、感動的な出来事でした。燕市は人が魅力的で素晴らしい地域だと思います。
井村
燕市といえば金属加工の街。正直、陶器が入っていけるのか不安でした。でも、全く垣根なんて無くて。ものづくりに寛容な街なんだなぁと思いました。
玉木
燕市の工場は分業で助け合ってやっているから、市全体で見ても助け合いの感覚が強いのかなと思います。
沼田
コミュニティがしっかりしていますよね。私は、自然に地域の輪に入れてもらえたような気がしています。銭湯に行くとキュウリの漬物をくれるんですよ。まだ昨日のがあるって言っても、みんなで分けなさいって(笑)。地域の皆さんに守っていただいていると感じます。
市長
そういう地域とのつながりは大切ですよね。井村さんは国上の地域の皆さんとの触れ合いはありますか?
井村
集落の集会に呼んでもらって、一緒にお酒を飲むこともあります。そういう中で、器が割れたから作ってくれないかとか、前に買った器が良かったからもう一個ちょうだいって言ってもらえることがあって。そういうことが職人として一番うれしいです。あと、国上の人は、私のことを名前じゃなくて「窯屋さん」と呼んでくれるんです。
市長
かっこいい! 地域に溶け込めている証拠ですね。
玉木
井村さんは地域の祭りや掃除に積極的に参加してくれているんです。それで、すんなりと溶け込むことができているんだと思います。

陶芸品が並ぶ工房内で話し合う蓮沼さんと沼田さんの写真

(蓮沼さんと沼田さん)

若者と地域を盛り上げる

市長
蓮沼さんは学生を巻き込んで、空き家対策に取り組んでいますよね。
蓮沼
新潟大学の学生たちと連携することが多くなっています。学生が入って来てくれると、街が盛り上がっていくと思います。学生との連携も自分だけじゃなくて、地域の人が学生と商店街との間を取り持ってくれたりして、すごくお世話になっています。
沼田
学生というと、宮町には産学協創スクエアの施設があって、そこの学生がうちのゲストハウスも利用してくれています。あと、外国人が来たから泊めてあげてっていう話をよくいただきます。
蓮沼
地域に外国人が来たら、とりあえず沼田さんのところに泊まればいいみたいな感じはあるよね(笑)
沼田
ありがたいことです。
井村
私は、分水北小学校に呼んでいただいて、この地域の素晴らしさについてお話ししてきました。地域に対する良い恩返しの機会をいただいたと思っています。

笑顔で目を合わせて話す玉木さんと井村さんの写真

(玉木さんと井村さん)

温かく見守ってくれる

市長
市内でいいと思う場所や風景などはありますか?
井村
私は、水を張った時期の田んぼの風景が好きです。

水を張った田んぼに空と雲が映りこんでいる写真

玉木
夕日も良いですよね。住んでいて気づかなかったんですが、下町ロケットを見ていて夕焼けのシーンがすごくきれいだと思いました。妻と見にいきましたよ。
沼田
私は、面白いイベントがいっぱいあるなぁと思います。この前、宮町商店街で行われた「アートフェス|Tsubame Art Fes」は、たくさんの人が来て、商店街が若い人で溢れていましたよ。街が盛り上がって来ているような気がします。
市長
それは、移住者の皆さんやスクエアの学生が来てくれることによって生まれてきたことだと思います。商店街の活性化という意味でもいい動きが出てきていますよね。
蓮沼
そういう面白い動きを大切にしていきたいですよね。自分はそういった若い人のサポートができればとも考えています。
沼田
私も色々な人に助けてもらいましたが、燕の人って、普段は一歩引いて見ていて、困った時に助けてくれる。年齢関係なく地域の方が温かく見守ってくれているような気がします。そういう支援の仕方ってされたことがなくてすごくありがたいです。

座談会で参加者の話を聴き入る市長の写真

地域をもっと面白く

市長
新年の抱負や今後の意気込みをお願いします。
蓮沼
燕市には面白いことを始めようとしている若者が多いんです。商店街で新規出店を考えている人や、燕で音楽フェスをやる動きもあります。そんな若い人のサポートに力を入れていきたいです。
井村
私は、作った物を県外に卸すことが多いので、地元の飲食店などに使ってもらう機会を増やしていきたいです。あと、市内のピザ屋さんから出た灰をもらって釉薬に活用しています。そういう風に他業種の人と連携して面白いことをどんどんやっていきたいです。
沼田
私はプロゴルファーになりたいです。
一同
なんで?(笑)
沼田
まず経済的な基盤を固めなくちゃいけないと思っています。なので、ゴルフ関連の新しい事業を展開したいです。その上で、地域にも貢献して、自分のやりたいことをやることが目標です。
市長
若い3人の目標を聞きました。受け入れる側として感じたことがあればお願いします。
玉木
井村さんに対しては、この窯がもっと大きくなるように応援したいと思いますし、それをきっかけに地域としても元気になっていければと思います。それから、お話をして市内で新しい動きがたくさんあることがわかりました。やはり若い人がいると楽しいですし、応援していきたいですよね。それぞれの地域の人もそういう目で見ていると思います。
市長
若い人が燕に新しい風を吹き込んでくれて非常にうれしいです。今回、集まってくださった移住者の皆さんは、地域の中にうまく溶け込んで、受け入れる地域の側にも良い影響を与えてくれているんだと思います。市としては、今後も移住者の皆さんが地域社会に入っていきやすいように環境づくりを行ってまいります。本日は、ありがとうございました。

皆さんの日常・こだわり

井村さんの日常とこだわり

井村さんの日常

火入れは夜を徹しての作業となります。窯は自らレンガを組んで作ったもの。

レンガを組み立てた窯と、たくさんの薪が並んでいる写真
井村さんのこだわり

「穂生窯」のカップ。土作りから火入れまで、焼き物づくりの全ての工程を井村さんが自らの手で行っています。

深い色が混ざり合った陶芸品の写真

蓮沼さんの日常とこだわり

蓮沼さんの日常

カフェには商店街の人が集まり、イベントの打ち合わせなどが行われることも。

カフェの店内で笑い合う人達の写真
蓮沼さんのこだわり

「TokoToko」のコーヒー。豆を挽き、ハンドドリップで淹れるコーヒー。チョコレートのような風味とコクの深さを感じることができます。

陶器に注がれたコーヒーが二つ並んでいる写真

沼田さんの日常とこだわり

沼田さんの日常

ゲストハウス併設のバーには旅人だけでなく、地域の人も集まります。

沼田さんが、カウンターに座る人達に向けて話している写真
沼田さんのこだわり

「小さな花屋Tette」の花。トライアングルのスタッフで、花屋を営む山本いすずさんが、この日のためにドライフラワーでアレンジしてくれました。

机の上にドライフラワーとコーヒーが並んでいる写真
この記事に関するお問い合わせ先

総務部 広報秘書課 広報広聴係

〒959-0295
新潟県燕市吉田西太田1934番地

電話番号:0256-77-8363

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