若monoデザインコンペティション燕vol.8受賞作品
若monoデザインコンペティション燕vol.8の受賞作品をご紹介します。
- 大賞:2作品
- 企業賞:4作品
大賞
kuumuus ディナーキャンドルになる燻製器
テーマ
ササゲ工業株式会社
香りを楽しむ道具
デザイナー
岡田 百華(新潟・学生)
テーマに対する考察
今回私が取り組んだテーマは「香りを楽しむ道具」です。生活の中で香りを感じる瞬間は数多く存在します。例えば焼肉屋さんの横を通った時にする美味しそうなにおいや、出掛ける前に気合を入れようと香水をかけた時などです。良い香りは心に、そして記憶に残ります。しかし良い香りがするだけのアイテムでは、今回のテーマには添いません。今回のテーマは香りを「楽しむ」ことです。例えば、ゆったりとしたカフェで珈琲の香りを楽しんだり、眠る前にアロマを焚いたり。これはただ良い香りがしているだけでなく、心と時間に余裕があること。そしてリラックスできる空間があることが大切になってきます。そのためいい香りが広がり、香りを楽しむ雰囲気や空間を演出してくれる燻製器をデザインしました。
デザインが解決する問題と創造する価値
ストレス社会と言われている現代。情報化によるソーシャル疲れや仕事のこと等、日々さまざまなストレスにさらされています。さらに、ストレスを感じるピークは、男性は30代だと言われています。Kuumuusが作り出す、ゆったりとした雰囲気の中での燻製の香り、そして味など繊細な感覚をじっくりと楽しむことで、心が安定する感情ホルモンであるセロトニンの分泌を促進していきます。さらにキャンドルの明かりは副交感神経を刺激し安らぎと落ち着きを与えてくれます。Kuumuusは疲れを感じたときやリラックスしたいときに癒し、落ち着かせてくれるすてきな時間を演出します。
ターゲット
ワインやウイスキーなど燻製にあうお酒にこだわりを持っている方。20代後半から30代の男性をメインターゲットとして考えています。特に仕事終わりのご褒美や、リラックスタイムとして晩酌する皆さんに届けたいと思います。お酒にこだわってくると自分でおつまみを作ることもあると思います。様々なおつまみの中でも、燻製されているものは香りがよく、特にワインやウイスキーにあうおつまみです。そのためワイン好きの方が「今日のおつまみに」と手軽に燻製ができるようコンパクトなサイズ感になっています。さらにワイン瓶やグラスの横においても違和感のない洗練されたビジュアルになっています。
機能
既存の自宅用でコンパクトな燻製器は、固形燃料などを用いて机の上で燻製出来るものが多く見られました。さらに和を連想させる土釜などをモチーフにしたデザインが多く、スタイリッシュな雰囲気のものは少なく感じました。このような現状を踏まえ、私はロウソクを、食材を温める機能としてだけでなく、ディナーキャンドルとしての意味を強く持たせることにより既存商品との差別化を図っています。ロウソクや固形燃料にも火力の限界があるため、燻製する時はロウソクではなくIH等を用いて燻製する仕様になっています。テーブルの上に置き食べるときにはロウソクの程よい暖かさで冷めずに食べることができます。デザインでは装飾をできるだけ無くし、シンプルモダンに仕上げました。ロウソクで温かく照らされた居心地の良い空間と香りはヒュッゲを演出してくれます。
今後の展望
kuumuusそのものだけでなく、使ったときの空間や雰囲気も伝えたいと思っています。そのため30代男性で使用率の高いYouTubeなど動画共有サイトを活用し、使用シーンを動画として拡散していきたいと思います。ウェブ販売は勿論のこと、画面越しだけでなく、実際に手に取りサイズ感や雰囲気を感じてもらいたいため、リアル店舗での販売も考えています。グランピングやアウトドアショップ、さらにディナーキャンドルの要素が入っているためライフスタイルショップにも販売を拡大していきたいと思います。燻製をしたことがない方などユーザーの拡大につながると考えます。
(注意)意匠登録出願準備中
Bellin
テーマ
ササゲ工業株式会社
香りを楽しむ道具
デザイナー
山中 千尋(愛知・学生)
テーマに対する考察
今回のテーマの説明動画の中で、「五感」に訴えかける商品づくりをしていきたいということをお話されていました。今回は「嗅覚」にフォーカスした香りを楽しむ道具ということでまず香水やお香、アロマディフューザーなど、世の中にある香りを楽しむ様々な物を思い浮かべました。しかし、それだけでは革新的で新しい物にはならないのではないかと思い、「聴覚」の要素をプラスすることで新しいものが生まれるのではないかと考えました。従来の呼び鈴は円形をしたものがほとんどで、呼び鈴の金属感は円形から来ているのではないかと思い、円形要素が無い、一見何に使うのか分からないような新しい形を提案しようと考えました。
デザインが解決する問題と創造する価値
この「Bellin」は存在している従来円形の呼び鈴とは形が異なり、多面体的なデザインをしています。そのため、従来の円形の呼び鈴の形が合わなかったような場所での雰囲気づくりの問題に役立てるのではないかと考えています。また、呼び鈴を使い、人を待つ間に香りも楽しんでもらうという、少しの待ち時間への気遣いも生み出すことができます。香りはリラックス効果や安心感を与えるものであるため、人を呼ぶこと以外にも個人で様々な楽しみ方ができると考えています。香りや見た目のデザインで空間づくりという新しい要素が加わることで、新たな呼び鈴のあり方を創り出すことができます。
ターゲット
販売のターゲットとしては主にホテルや旅館を経営している人を想定しています。実際に使用する人はその施設に泊まる人で、その人ごと事情や目的は様々ですが、呼び鈴を使ってささやかな音と香りを感じて楽しんでもらうことで、気持ち良くその施設に泊まってもらい、細かなところまで気を遣われていることを感じていただけるのではないかと考えています。また、一人暮らしの人をターゲットにすることも想定しており、寝る前や気分を変えたいときに香りと音を楽しんでもらうという場面を考えています。過度な装飾がないシンプルなデザインなので一般的なお部屋の雰囲気にも合わせやすいと考えています。
機能
機能としては、「香り」と「音」を同時にどこでも楽しめることが他の製品と差別化ができる機能だと考えています。特定の場所や条件を必要とせずに、香りと音を同時に楽しめることができます。中のクラッパーには穴が開いている面があり、これは香りをより広がりやすくするための機能を持っています。また、クラッパーは少し長く、たゆむくらいの紐で内部に吊るすことで、中に入れたアロマストーンなどの交換を簡単にすることができたり、置いたときにすぐに音が止まったりするような機能も考えています。従来とは違うデザインで、日常のインテリアとして雰囲気づくりにも使うことができます。
今後の展望
呼び鈴は通常、飲食店やホテルなど、様々な施設で見かけることが多いと思います。今後はまずそのような施設をターゲットとして販売をしていきたいと考えています。しかし、このBellinの特徴である香りによる癒しの効果やシンプルな見た目から、一般の人々、特に一人暮らしの人たちに向けてもターゲットの幅広い展開ができるのではないかと思います。また、香りと音という機能は実際に使用することでより効果を伝えることができるため、実際に店舗で販売をすることで魅力を伝えるという方法を検討しています。従来の呼び鈴とはまた違った市場に進出していくことができるのではないかと考えています。
(注意)意匠登録出願準備中
企業賞【デザイン部門】
ササゲ工業株式会社「香りを楽しむ道具」
株式会社タケダ「持続可能な生活スタイルを助ける金属雑貨」
ミノル製作所株式会社「へら絞り技術を使った商品開発」
企業賞【アイデア部門】
ササゲ工業株式会社「香りを楽しむ道具」
募集テーマ(協力企業数:4社 五十音順)
No |
企業名 |
テーマ |
工場紹介・インタビュー |
1 |
家事が楽になる便利グッズ 素材:金属、樹脂全般 |
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2 |
香りを楽しむ道具 素材:金属全般 |
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3 |
持続可能な生活スタイルを助ける金属雑貨 素材:金属全般 |
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4 |
へら絞り技術を使った商品開発 素材:金属全般 |
歴代受賞作品
- この記事に関するお問い合わせ先
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産業振興部 商工振興課 新産業推進係
〒959-0295
新潟県燕市吉田西太田1934番地
電話番号:0256-77-8232
更新日:2024年03月27日