若monoデザインコンペティション燕vol.9受賞作品
若monoデザインコンペティション燕vol.9の受賞作品をご紹介します。
- 大賞:3作品
- 企業賞:4作品(うち2作品は大賞と同時受賞)
大賞
Mingle

テーマ
株式会社カンダ
機能性を兼ね備えた、料理をしても、装飾品としても映えるJapandi styleキッチンツール
デザイナー
大川 航平(東京都・デザイナー)
テーマに対する考察
「料理をしても、装飾品としても映える」というテーマのキーワードから、調理ができつつテーブルウェアとしても使えるキッチンツールが良いのではないかと考えました。そこから、どんなキッチンツールかを考えたときに、ボウルが浮かびました。混ぜるだけ、和えるだけといった時短調理で活躍するボウルに、テーブルウェアとしての機能性やデザイン性を加えることで、「器としても映えるボウル」になるのではないかと考えたからです。また、機能が造形に結びつくことで、特徴的でありつつもミニマルな印象になり、シンプルさと同時に個性が求められるJapandi styleにも取り入れやすくなるのではないかと考えました。
デザインが解決する問題と創造する価値
共働きの増加によって、暮らしの中でも「時短」が重視されています。しかし、単に効率化していくだけでは味気ない日常になりがちです。"Mingle"は、ボウルとして混ぜるだけ、和えるだけ、盛り付けるだけといった時短調理で活躍しながら、手抜き感のない個性的な器としてテーブルを彩ります。さらに、丸と三角の間のような特徴的な形は、テーブルに並んだ四角形や円形のお皿の中でアクセントとなり、視覚的なリズムを生み出します。慌ただしい日常の中でも手軽に料理が作れ、食卓が華やかになることで、豊かな暮らしを生み出すことができるのではないか考えました。
ターゲット
一人暮らしや共働きの世帯など、仕事との両立で日々の料理にそこまで時間をかけられないけど、インテリアや生活の質にはこだわりたいという方をイメージしてデザインしました。"Mingle”は、時短調理で活躍するキッチンツールとしてだけでなく、テーブルウェアとしてもシンプルでありながら目を引くデザインにしているので、そういった方々の暮らしにフィットするのではないかと考えます。また、調理をしてそのまま器になるという機能性は、友人と集まって皆で料理をする際の分担作業や、アウトドアのような荷物を減らしたいシーンでも活躍すると考えます。
機能
"Mingle"は器としても使えつつ、ボウルとしての機能性にも注目している点が差別化のポイントになります。まず、底面からフチに向かって丸みを持たせながら垂直に近い角度で壁を立ち上げて、「混ぜる」や「すくう」がしやすいようにしています。次に、三角のシルエットにしていることで、三角の頂点から「注ぐ」といった使い方もできます。また、三角の頂点は混ぜたり取り分けたりする際に使用するスプーンやフォークの置き場にもなります。これらの機能から生まれた丸い三角の形状は、既存の器とも調理用のボウルとも異なる存在感を発揮できると考えます。
今後の展望
雑貨店のキッチンツール売り場だけでなく、暮らしにまつわる道具を扱うインテリアショップでも販売したいと考えています。 テーブルに並べた際の個性的なたたずまいは、単品で見るよりも、家具やテーブルウェアと一緒の空間で見ていただいたほうが、より印象的に伝えられるからです。また、販売する際には"Mingle"で作れる簡単でおしゃれな料理のレシピの小冊子なども売り場に用意して、実際に使ったときの暮らしをイメージしていただけると、より手にとっていただきやすくなるのではないかと考えます。
(注意)意匠登録出願準備中
しみしみ ー味しみをよくする隠し包丁をさっくり簡単にー

テーマ
株式会社カンダ
機能性を兼ね備えた、料理をしても、装飾品としても映えるJapandi styleキッチンツール
デザイナー
新井 マホ(東京都・デザイナー)
テーマに対する考察
Japandi styleというテーマからシンプルでありながら、和柄やスカンジナビアの柄のようなグラフィック的な美しさをもつキッチンツールが良いのではないかと考えました。また、装飾品としても映えるというテーマから台所のフックなどにかけられるようなサイズ感にしました。形状は一見オーナメントのように見える可愛らしさのあるデザインを意識して作成しました。
デザインが解決する問題と創造する価値
この製品は繊細に施す隠し包丁という作業をワンタッチで瞬時につけることができます。普段の炊事で一手間かければより美味しくなると思いながらも面倒でついつい省略してしまう作業をキッチンツールで補うことができればと思い製作しました。隠し包丁の刃の部分は装飾的な柄をしており、フックなどにかけて収納するとオーナメントのようにキッチンに彩が生まれます。
ターゲット
ターゲットユーザーは日々忙しい暮らしをしている主婦の方々です。時間がなくても美味しい料理を家族に食べてもらいたいと思っている方々が、おでんや煮物などを作る際に短時間で調理作業ができるように設計しています。フックなどにかけて収納することで使用していない時も飾りとして機能します。
機能
簡単に隠し包丁を入れることができるツールで、大根などの食材を想定しています。直線的な線のみで構成されがちな刃の部分をグラフィカルにすることで包丁での手作業ではできない美しさが食材の表面に生まれます。また、ステンレス製でフックに掛けることができるので水はけがよく、衛生的に使用することができます。刃の形状が3パターンあり、好きな柄を食材に切り込むことができます。それぞれの刃は水がたまりにくい設計にしています。
今後の展望
商品化した場合はキッチン雑貨店やバラエティショップなどの市場を想定しています。刃の形状を数パターン作成することで、ハンカチの柄を選ぶような楽しみが加わります。数パターンを購入してもらうことで気分によって切り込みの柄を変えることも日々の暮らしの小さな幸せになるのではないかと思います。刃の形状の展開や、今回の設計では輪切りの丸い食材を想定していますが、例えば長方形にして茄子やズッキーニなどの断面に使用してオーブン調理をより美味しくできる製品などシリーズ化することも想定しています。
(注意)意匠登録出願準備中
Grate Bowl

テーマ
株式会社カンダ
機能性を兼ね備えた、料理をしても、装飾品としても映えるJapandi styleキッチンツール
デザイナー
ウィンストン 健冶郎(山形県・学生)
テーマに対する考察
今回私が取り組んだテーマは「機能性を兼ね備え、料理道具としても装飾品としても映えるJapandi styleのキッチンツール」です。 日常的に使用されるボウルは、食材を和える、混ぜる、切ったものを一時的に置くなど、調理のサポート役として活躍します。しかし、ボウル自体が美しいと感じられたり、メインの器としての役割を果たす場面は少ないのが現状です。 そこで私は、ボウルに新たな機能性を加えつつ、日本特有の美意識を融合させることを目指しました。その結果、内側に伝統的な紋様をモチーフにした凹凸を施し、おろし器としての機能も併せ持つデザインを考案しました。調理の実用性を高めるだけでなく、使用しないときでも食卓やキッチンを引き立てる存在感を持っています。
デザインが解決する問題と創造する価値
現代では、省エネや節約が求められる一方、物価高や資源不足で忙しく、生活に余裕を持てない人が増えています。Grate Bowlは、こうした課題を解決する一助としてデザインされました。 調理時にはボウルとして使用できるだけでなく、内側の凹凸構造をすりおろし器として活用することで、すりおろした後もそのまま混ぜたり和えたりでき、食材の無駄を減らせます。また、すりおろし器は従来の鋭利な棘ではなく滑らかな凹凸構造を採用しているので、手を切るリスクを軽減します。 さらに、調理後は食卓に並べる器としても使えるため、洗い物を減らし、水の消費を抑えることができます。
ターゲット
Grate Bowlは、日々の生活や課題に追われ、時間に余裕が持てない大学1年生の一人暮らしの方や、日常を大切にし、好きな雰囲気や空間、こだわりのある暮らしを楽しむ30代から40代の女性をメインターゲットとしています。 このボウルは、調理道具としてだけでなく、副菜や総菜を盛る器としても活用できるため、洗い物を減らし、手間や水の節約にもつながります。また、内側には日本の伝統紋様を取り入れたデザインを施しており、「装飾品としても映えるJapandi style」の美しいビジュアルを実現しました。 日本の伝統美を活かしたデザインは、国内外を問わず、使う人の日常に特別感を与えるアイテムです。生活の中に機能性と美しさを兼ね備えた新しい価値を提供します。
機能
既存のボウルは、切った食材を一時保管したり、混ぜたり・和えたりするなどの基本的な機能に留まっています。また、おろし器の機能を持つボウルも存在しますが、多くの場合、ボウルとおろし器が別々だったり、合体していても切れ味が悪い、デザインが不格好といった課題が指摘されています。 これらの現状を踏まえ、私は素材にステンレスなどの金属を採用し、機能性だけでなく見た目の美しさも追求したデザインを目指しました。日本人だけでなく、外国の方にも魅力的に映るよう意識し、内側の紋様を際立たせつつ、おろし器としての使いやすさを確保した形状を採用しました。さらに、大皿として主菜を盛り付けやすく、食べやすい平たい形状へと発展させています。
今後の展望
今後の展望として、Grate Bowlそのものの魅力だけでなく、ボウルとしての使用感や、食卓で料理と組み合わせた際の美しさをより広く発信していきたいと考えています。そのため、大学生や主婦といったSNS利用率の高い層をターゲットに、Instagramなどを活用し、料理や生活を発信するインフルエンサーに使用シーンを紹介していただきたいです。具体的には、調理や盛り付けを実際に体験した写真や動画を投稿し、それを共有・拡散することで、商品の実用性と魅力を伝えます。 また、Web販売に加え、リアル店舗での販売も考えています。直接手に取ることで、サイズ感や質感を体験してもらい、購入の後押しにつなげたいと考えています。さらに、一人暮らしを始める学生や忙しい方に向け、調理器具と皿を兼ねた手間を省けるアイテムとしての認知を広げ、さまざまなライフスタイルに寄り添う商品として成長させていきたいと考えています。
(注意)意匠登録出願準備中
企業賞【デザイン部門】
スワロー工業株式会社「飾って楽しい・見ていて嬉しい金属雑貨」

「Bouquet Vase」
半田 美乃梨(大阪府・学生)
(注意)意匠登録出願準備中
株式会社カンダ「機能性を兼ね備えた、料理をしても、装飾品としても映えるJapandi styleキッチンツール」
「Mingle」
大川 航平(東京・デザイナー)
※大賞と同時受賞
「しみしみ ー味しみをよくする隠し包丁をさっくり簡単にー」
新井 マホ(東京・デザイナー)
※大賞と同時受賞
企業賞【アイデア部門】
株式会社カンダ「機能性を兼ね備えた、料理をしても、装飾品としても映えるJapandi styleキッチンツール」

「Smart stand」
猪狩 那斗(福島県・学生)
(注意)意匠登録出願準備中
募集テーマ(協力企業数:2社 五十音順)
企業情報 |
住所:新潟県燕市杉柳912 主要事業:業務用厨房用品・キッチンツールの企画・製造・販売 |
企業紹介 |
カンダでは業務用厨房用品の中でも、とりわけ中国料理道具の充実に力を入れています。広東はもとより、四川・上海・北京などあらゆる料理のスタイルに合ったプロの道具を取り揃え、全国のホテル・レストラン等で数多く利用されています。 料理人やホテル関係者など、実際に使う立場からの声を多く取り入れた、カンダのこだわりの中国料理道具をぜひ一度お試しください。カンダは使いやすさとクオリティーにこだわった商品作りを続けていきます。 |
その他 |
ターゲット:海外、国内雑貨店 その他(製品価格、条件等): 海外ならセット販売が好まれるため、サイズ等のセット企画もあり。 応募者に期待すること、アドバイス等:国内も海外もエンドユーザーの商品に対するファーストインプレッションは「見た目」です。そこから機能性を把握します。ブランディング、マーケティングはこちらでやりますので、デザイナーの皆様はテーマに沿った商品のアイデアをお考えいただければと思います。 |
企業情報 |
住所:新潟県燕市小関657番地 主要事業:
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企業紹介 |
インテリア事業 :ブランド名 【TETSUNAGI】 1945年創業、金属加工の技術と経験を活かした収納インテリアです。 コンセプトは 「つなげて遊ぶ、暮らしを楽しむ。」 多彩な鉄や金属のパーツを組み合わせることで、お気に入りのスタイルや理想のイメージにぴったりフィット。さらに雑貨を組み合わせれば、より自分らしく魅力的な空間に。DIYよりもずっと気軽に、遊ぶような感覚で 「魅せる収納」 が完成します。 今回は、このブランドの新商品となるようなアイデアを募集します。 |
その他 |
ターゲット: すべての世代の優しい人 応募者に期待すること、アドバイス等:
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歴代受賞作品
- この記事に関するお問い合わせ先
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産業振興部 商工振興課 新産業推進係
〒959-0295
新潟県燕市吉田西太田1934番地
電話番号:0256-77-8232
更新日:2025年03月27日